どんな時代であっても常勝軍団であるのが我らがレアル・マドリード。
そんな銀河系軍団と言われたチームでも世代交代は必要である。
そして、近年騒がれているのがレアル・マドリードメンバーの高齢化である。
しかも、ここ最近マドリディスタを満足させるだけの成績を残せていないときた。
そこでシーズン終了に近づくにつれてサッカー界で噂されているのが、夏の移籍市場でのチーム大刷新である。
そこでレアル・マドリードフロントが目論む大改革のキーマンとなるのがガレス・ベイルだ。
現在はトッテナムにレンタル移籍しているベイルとの契約は2022年6月30日まで残っている。
来季チームに戻るのか、移籍するのか。
ということで今回はトッテナムにレンタル移籍中のガレス・ベイルは来季レアル・マドリードに必要なのか、について書いていく。
ベイルは来季のマドリーに必要?
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2013年にトッテナムから移籍金約8500万ポンド(119億円)で移籍してきたガレス・ベイル。
この額は当時市場最高額だったクリスティアーノ・ロナウド(8000万ポンド)をも上回る当時の移籍金最高額。
言わずもがなウェールズのスーパースターだ。
レアル・マドリードに移籍してきてからもBBCトリオの一角としてクリロナやベンゼマらと得点を量産してきた。
しかし、近年のベイルは怪我にも苦しみ安定しないパフォーマンスが続くと、挙げ句の果てには私生活でもジダンの信頼を背く事になるなどレアル・マドリードから干される状況が続いている。
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そして、2020年9月に古巣トッテナムへのレンタル移籍が決まり、序盤は調子を取り戻せずに苦しんでいたもののここ最近ではコンディションも上向き。
公式戦全31試合で10ゴール5アシストを記録するなど、以前のトップフォームにかなり戻ってきている印象がある。
歴代でも上位の移籍金が動いたこの選手の活躍を受けて各メディアは「レアル・マドリードに復帰するのか移籍するのか」を議論するようになった。
そしてベイルは来季マドリードに戻るつもりであることを明言。
契約期間が2022年6月30日までであることを考えればそれはそうだろう。
しかし、残念ながらレアル・マドリード側はベイルを来季の構想には入れておらず、どんなにベイルが活躍しようが関係なし。
普通ならレンタル移籍させた選手が活躍してトップフォームになれば喜ぶものだが、エル・ブランコは活躍してくれれば「欲しいクラブが増える!」「移籍金が上がる!」としか考えていないんだとか。
というのもレアル・マドリードが考えているのは来夏の移籍市場における大刷新。
マドリーが獲得を熱望していると噂される選手はビッグクラブのスターや期待の若手選手ばかり。
もちろんそれらの選手は他のビッグクラブも狙うような選手のため、資金力を生かして必ず獲得したいところ。
しかしいくら我らがマドリーとは言っても新型コロナウイルス感染症による影響で今まで通りに収益が上がってこない。
どうにか資金を確保したいのだ。
そこで高額の年俸を払わなければいけないガレス・ベイルを売りたいってわけだ。
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言わんとすることは分かる。
ジダンの信頼を背き、負傷がちでプレー時間もなかなか増えない選手に高額年俸を支払っているのは馬鹿馬鹿しいだろう。
ベイルはレアル・マドリードに残留する意思を見せているが、レアル・マドリード側はベイルを来季の構想に入れていない。
しかし僕は思う。
得点力不足と言われている我らがレアル・マドリードにトップフォームのガレス・ベイルは必要なのではないかと。
ベイルの魅力は結果を出すところ
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ベイルといえば、卓越したフィジカルと超人的なスプリント力、そして遠くからでもネットを揺らせるパワーを兼ね備えている選手だ。
そんなベイルが最も得意としている主戦場は右ウイング。
現在のレアル・マドリードでいえば、マルコ・アセンシオがファーストチョイス。
2番手にロドリゴ・ゴエスや最近ではフェデリコ・バルベルデも起用されることが増えてきた。
サイドバックの怪我人がなくなれば、ルーカス・バスケスも右ウイングのチョイスに入ってくるだろう。
しかし、マドリディスタはこの人選に疑問を抱いたことが少なからず1回はあると思う。
なぜか?
得点・アシストの記録が乏しいからだ。
- マルコ・アセンシオ→公式戦全37試合6ゴール2アシスト
- ロドリゴ・ゴエス→公式戦全23試合1ゴール6アシスト
- フェデリコ・バルベルデ→公式戦全26試合3ゴール1アシスト
- ルーカス・バスケス→公式戦全33試合2ゴール6アシスト
バルベルデとバスケスに関しては全ての試合でウイングとして出場しているわけではないので不公平だとは思うが、ここでガレス・ベイルの2020-21シーズンの成績をもう1回見てみよう。
- ガレス・ベイル→公式戦全31試合10ゴール5アシスト
いずれも執筆時点(2021年4月9日時点)の数字である。
ん〜まぁ…確かにって?
ではレアル在籍時代を見てみよう。
- 2013-2014→全44試合22ゴール16アシスト
- 2014-2015→全46試合15ゴール11アシスト
- 2015-2016→全48試合29ゴール14アシスト
- 2016-2017→全30試合9ゴール3アシスト
- 2017-2018→全43試合25ゴール7アシスト
- 2018-2019→全46試合14ゴール7アシスト
- 2019-2020→全28試合5ゴール3アシスト
圧倒的得点力がお分かりいただけるだろうか?
確かに少ないシーズンもあるが、それでもアセンシオより得点を決めていることが分かる。
比較対象としては色々と言いたいことがあるかもしれないが、これは紛れもない記録。
今レアル・マドリードが得点が取れない!と悩んでいるのであれば、ベイルを復帰させる方が得点力改善にはうってつけだ。
今この記事を書いている時点でストライカーとして攻撃を牽引しているベンゼマの次にゴールを決めている選手は誰か…
カゼミロである。
カゼミロは守備的ミッドフィルダーの選手だぞ。
得点力のないレアル・マドリードを見たい!ってマドリディスタはもちろん誰もいないだろう。
ベイルを残留させるデメリット
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ここまで「得点を取りたいならベイルを残留させるべきだ!!」って力説してきたが、もちろんベイルを残留させることによるデメリットもある。
得点力よりも優先するべきことなのも重々承知だ。
ガレス・ベイルをレアル・マドリードに残留させる事によるデメリットは以下の通り。
- 年齢的な問題
- EU圏外枠選手扱いになる問題
- 高額年俸問題
悩ましい問題だがさらっと説明していく。
年齢的な問題
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まず最初にガレス・ベイルの年齢的な問題だ。
冒頭でも書いたが、近年のレアル・マドリードは高齢化が問題となっている。
その為、チームのレベルを落とさずに世代交代をスムーズに行いたいと考えている。
とはいえ、現在マドリーを牽引しているセルヒオ・ラモスとモドリッチは35歳だしクロースは31歳、最近は出番が減ったものの出れば活躍してくれるマルセロも32歳だ。
そう言った中心選手をうまく世代交代したいと考えている最中、31歳のベイルを主力で使うのもなんか気が引けるというのは分かる。
しかもだ。
仮に契約満了までエル・ブランコでプレーさせてシーズン50得点を取る活躍を見せたとしても、レアル・マドリード側は1年契約ずつしか延長を更新しないだろう。
30歳を超えたプレーヤーは1年ずつの延長更新というこれまでのルールがあるからだ。
その為、大体の選手は20代のうちに複数年契約を結んだりするが、ベイルは時すでに遅し。
そして、契約満了まで残り1年しかないのであれば、有望株の若手を起用し将来のマドリーを背負っていってもらうくらいの成長を求めるだろう。
つまり、ベイルが残留する事になれば世代交代が1年遅れるようなものと言っても過言ではない。
これでは残留がデメリットになってしまうのもしょうがない。
EU圏外枠選手扱いになる問題
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そして、ガレス・ベイルは2021年1月からEU圏外枠選手扱いになるという問題だ。
というのもこれはイギリスがEUを離脱をしたことが理由。
ラ・リーガではEU圏外枠選手の登録は3人までだが、その枠は現在、ヴィニシウス、ロドリゴ、そしてミリトンの3人がその枠で登録されている。
ベイルをチームに復帰させるということは「このうちの3人の誰かをレンタル移籍」、もしくは「完全移籍で放出する必要がある」という事になる。
しかも先ほども言ったように世代交代を図りたいレアル・マドリードはレンタル組の去就にも影響する事になる。
現在レンタル移籍させているEU圏外枠選手としては、現在ヘタフェでプレーする日本代表の久保建英、そしてドルトムントでプレーしているブラジルのヘイニエルなど数名いる。
つまり、ベイルの来季の去就によっては、久保がマドリーに戻れなくなるなんてこともあり得るのだ。
31歳のベイルに1枠使うなら有望な若手であるロドリゴや久保などに使うのが「普通」ではある。
ヴィニシウスなどにスペイン国籍を取得させるという手もあるが…
ベイルを残留させる必要がある故に、ロドリゴや久保が大刷新に必要な資金繰りの「材料」にされてしまうとなれば、ベイルの残留はデメリットでしかない。
このEU圏外枠選手扱い問題はかなり悩みの種となる。
高額年俸問題
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そして最後に何と言ってもベイルの高額年俸問題だ。
ベイルは年俸1700万ユーロとも言われており、これはレアル・マドリードの選手間のみならず世界的に見ても高額な年俸。
この支払いが大変だ。
ちなみに現在のトッテナムでの給与はマドリーが折半して払っているとされている。
新型コロナウイルス感染症の影響でなかなか収益が上がらないマドリーにとって、試合にも出ず怪我ばかりしているベイルに支払うのはかなりネックとなっている。
となると、レアル・マドリードが望むのはレンタル移籍させているトッテナムが完全移籍で買い取るということだ。
しかし、先ほども書いた通りベイルは基本的にマドリードに戻ってくることをプランとして明言している。
となると、マドリーが取り組むのは他チームへのレンタル移籍か完全移籍できるチーム探しだ。
負傷癖や私生活の悪癖があるイメージのあるベイルだが、ベイルほどの実力を持っている選手が本領を発揮してくれれば欲しくないチームは正直いない。
しかし、ベイルは今と同等以下の給与は受け付けないと一点張りだ。
つまり、最低でも1700万ユーロ彼に支払うことができるチームを探す必要が出てくるとなると話は別だ。
トップフォームに戻りつつある選手だとはいえども、31歳で契約する選手にそんな高額年俸を支払うチームなどほぼ存在しない。
本当にわがままな選手だが、「契約は契約!」というポリシーなのだろう。
来季もチームに在籍するという事になれば、大刷新したいチームの資金繰りが難しくなり中途半端な移籍を完了させてしまう可能性がある。
そうなればベイルの残留はデメリットでしかない。
レアル・マドリードとベイルの未来
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ここまでガレス・ベイルがレアル・マドリードにもたらす影響について良い面と悪い面を話してきた。
- 得点力不足解消になる決定力(メリット)
- 年齢的に契約延長が難しい(デメリット)
- EU圏外枠扱いになってしまう(デメリット)
- 年俸が高額すぎる(デメリット)
デメリットの方が多いということもあり、レアル・マドリードにベイルは必要ない!って思う人の方が多いだろう。
確かにベイルを高額で他チームへ売却することができれば万々歳だ。
みんなが欲しがる有望な若手スター候補の選手を獲得する資金を確保することができ、尚且つ世代交代もスムースに行えるからだ。
しかし、その交渉が全てうまくいくとは限らない。
例えば、ドルトムントで活躍している次世代のスター候補、アーリング・ハーランドを100%獲得できるのであれば絶対に獲得した方がいいだろう。
ベイルと同じくウイングを得意とするPSGのキリアン・ムバッペを100%獲得できるのであれば絶対にそうするべきだ。
しかし、少しでも獲得できないリスクがあるのであれば僕はベイルを推したい。
最悪なのはベイルも手放して、ハーランドやムバッペも獲得できなかった時だ。
現在マドリーは獲得レースで有力と見られているが何が起きるか全くわからない。
1日前に破談になってライバルチームへ行くことだって十分にあり得る。
マドリーにこだわりまくるベイルはある意味忠誠心があるとも言える。
2022年6月30日までの1年間起用し続けたら、あとはその時次第だ。
もちろんフリーで移籍させるのはクラブとしては痛いのかもしれないが、得点不足に悩みリーグ優勝やタイトルを獲得できない方が我々マドリディスタからしたらかなり痛い。
ベイルが残留するならロドリゴやミリトンなどを1年レンタル移籍させれば問題ない。
久保とヘイニエルはもう1年レンタルしてもらうのでもいいだろう。
ベイルは本領発揮すればチームを大いに助けてくれる可能性のある選手であることは間違いないから。
もっとも、
シーズン中に怪我をしなかったら
だが。
Hala Madrid!!