我らがレアル・マドリードは膨大な資金力を活かして有望な若手選手を世界中から獲得するビッグクラブだ。
ここ10年間で獲得した21歳以下の選手に費やした金額は4億3380万ユーロ(約530億円)にものぼると言われている。
まだ芽を出していない選手もいればすでにその金額分の活躍をしているものもいるが、DF史上最も高額な移籍金で加入した選手がいる。
それがブラジル代表にも選出されたレアルの背番号3エデル・ミリトンだ。
レアル・マドリードに欲しいと思わせたミリトンはどんな選手なのか?
今回はエデル・ミリトンのプレースタイルや特徴についてとことん解説していく。
エデル・ミリトンのプロフィール
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本名 | エデル・ガブリエウ・ミリトン(Éder Gabriel Militão) |
国籍 | ブラジル |
生年月日 | 1998年1月18日(23歳) |
身長 | 186cm |
体重 | 79kg |
利き足 | 右 |
ポジション | DF(CB/SB)/MF(DMF) |
背番号 | クラブ:3/代表:16 |
着用スパイク | adidas Predator Freak High |
経歴 | サンパウロ(2017-2018)/FCポルト(2018-2019)/レアル・マドリード(2019-) |
年俸 | €2,652,000(3億3415万2000円)/週給€51,000(642万6000円) |
サッカー王国ブラジルも期待を寄せている新星ディフェンダーのエデル・ミリトン。
我らがエル・ブランコにとっても大ベテランとなったセルヒオ・ラモスの後釜としても期待できる大型ディフェンダーだ。
そんなミリトンが生まれたのはブラジルのセルタンジーニョという所。
彼はブラジルという国で生まれたからサッカーを始めたわけではない。
実はミリトンの父親はブラジルサッカーリーグの名門コリンチャンスでプレー経験のある元サッカー選手。
引退後は地元セルタンジーニョのサッカースクールでセカンドキャリアを始めた事もあり、ミリトンの生活には必ずサッカーがあった。
ミリトン自身もすぐにサッカーボールを蹴り始めるようになると、父親譲りのサッカーセンスを発揮。
7歳の頃には、これまた名門のサンパウロFCのユースチームに加入した。
サンパウロでも着々と成長を遂げたミリトンは、クルゼイロ戦でトップチームデビューを果たし、その後も貴重な戦力として認められた。
トップチームデビューを果たした1年目は公式戦22試合に出場し2得点を記録。
当時19歳のミリトンにとっても上出来なシーズンとなった。
2年目のシーズンはサンパウロの右サイドバックとしてポジションが定着した。
持ち前のスピードやブラジル人らしい足元の技術を活かして攻撃を牽引。
試合の度に成長するミリトンの話を聞いた欧州の各クラブから数々のオファーが届いた。
特にセンターバックもサイドバックもできるミリトンはその守備におけるユーティリティさを買われ、ユベントスやインテル、そしてラツィオなどのイタリアセリエAのクラブからのオファーが特に多かった。
しかし、ミリトンが選択したのはポルトガルの名門FCポルト。
実はポルトはブラジル人選手の登竜門とも言われているクラブで、現在日本代表の中島翔哉が所属しているチームだ。
2018年7月、ポルトと5年契約の移籍金400万ユーロで加入が発表されると、デビュー戦となった第4節の試合ではセンターバックで先発し、1アシストを記録。
上々のデビューを飾ると、その後も安定した守備で評価をぐんぐん高め、公式戦47試合に出場し5ゴール4アシストを記録した。
そしてそのシーズン後、我らがレアル・マドリードがポルトで5年契約のミリトンに対し、契約解除金5000万ユーロ満額を支払う用意があることを発表。
ポルトでの活躍を受けてリバプール、マンU、チェルシーなどのプレミア勢も水面下で動いていたとされるが2019年の6月に移籍解除金が7500万ユーロに上がることでレアルは一気に仕掛けた。
結果、2019年3月には、正式に6年契約の5000万ユーロでレアル・マドリードへの加入が発表された。
その時のことをミリトンはこう語っている。
「家でくつろいでたらいきなり代理人から電話きてん。ポルトでのプレーが認められたって聞いて素直にうれしかったで。自分は常に冷静なタイプで何かに対して祝うみたいな事はあまりせぇへんねん。ただレアルは世界最大のクラブやん?家族と一緒に祝えてほんまによかったわ。」
そんな喜びいっぱいのミリトン。
ビッグクラブにDF史上最高金額での移籍金で加入したプレッシャーは大きかったのだろう。
なんと入団記者会見で目眩を起こし途中退席するハプニングもあった。
沢山のジャーナリストの前で話をするプレッシャーに耐えられなかったんだとか。
初日からビッグクラブの重圧を感じたようだ。
これまで所属したクラブで加入1年目から順調にステップアップしてきたミリトン。
しかし、我らがエル・ブランコには不動の2人のセンターバックがいる。
それがキャプテンでもありスペイン代表セルヒオ・ラモスと若きディフェンスリーダーのフランス代表ラファエル・ヴァランだ。
加入1年目の2019-2020シーズンは公式戦出場わずか13試合に終わってしまった。
我々ファンとしてもミリトンの印象が正直ないままシーズンが終了した感じだ。
それもまぁ正直納得は出来る。
エル・ブランコはセンターバックだけでなくサイドバックにも不動のダニ・カルバハルやマルセロがいるし、バックアッパーとしてナチョも出番を待っている。
ミリトンは与えられる数少ないチャンスで強烈なイメージを残す必要が少なからずあるだろう。
あくまでもミリトンはレアルが多額の契約解除金を支払ってまで欲しがった逸材。
彼のサッカーにおける才能は疑う余地はないだろう。
彼はまだまだ若い。
レアルで燻ってしまわない為にも日々の練習から先輩達から色々なものを吸収して、ベテランのセルヒオ・ラモスをベンチに追いやるくらいの活躍を見せて欲しいものだ。
エデル・ミリトンが使用中のスパイク【アディダス プレデター フリーク】
そんなエデル・ミリトンが着用しているのがadidasのプレデターフリーク+。
このスパイクはなんと言ってもアッパー表面に搭載されている「デーモンスキン」が特徴の1つで、このイボイボが高精度のボールコントロールとボールに強い回転をかけることに貢献してくれる。
収縮性と圧着性が高い素材を採用している履き口は足とスパイクががっちりとホールドされる履き心地を提供し、軽量化されたスプリントフレームがグリップ性を高めてくれるのでスプリントにも効果を発揮してくれる。
プレデターフリークLowとの違いは、レースレス仕様になっていることとひねる動作だったりターンの時も足首をしっかりとサポートしてくれるデザインとなっている。
ミリトンはセンターバックとして様々な体の向きに対応する必要があるが、身体能力が高い分無理な体勢で対応する事も増えることをわかっているのかもしれない。
そんな時に足首を少しでもサポートすると同時に、サイドバックもプレーしてきた彼にとって回転をかけれるスパイクは好印象なのだろう。
エデル・ミリトンのプレースタイル
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レアルのディフェンダー史上最高額の移籍金でポルトから加入してきたエデル・ミリトン。
実はここ10年でレアルが獲得した21歳以下の選手の中でも2番目に高い移籍金でもある。
そんなミリトンの持ち味は何なのか?
何がそこまで評価されてレアルに在籍しているのか。
ここからはミリトンのプレースタイルや特徴について書いていく。
僕が思うミリトンを語る上で欠かせないポイントは以下の通り。
- 武器になる空中戦の強さ
- 足を生かしたボール奪取
- 守備におけるユーティリティさ
それでは一つずつ解説していく。
武器になる空中戦の強さ
まずミリトンを語る上で絶対に欠かせないのは空中戦の強さだ。
ミリトンはとにかくヘディングが強い。
186cmという体格を生かして相手が放り込んでくるロングボールやクロスボールをことごとく弾き返す。
ミリトンの守備を見ていると本当に壁のように見える。
ジャンプするタイミングも絶妙で相手をフィジカルで押さえて飛ばさせないという事もできる。
そしてこの空中戦の強さはセットプレーにも生きてくる。
守備では相手のボールを高い打点で弾き返しピンチを未然に防いでくれるが、攻撃ではしっかりとターゲットになれる。
これがミリトンの武器でもあり魅力のひとつ。
ミリトンはコーナーキックから高い打点でヘディングシュートを決めるシーンが非常に多い。
彼が決めたゴールのほとんどがヘディングだと思う。
とは言ってもまだまだ決定力が高いというわけではない。
セルヒオ・ラモスのような得点力を身につけることが出来ればもっともっと素晴らしい選手になることは間違いない。
そしてレアルファンとしても、そうなることを願っている。
足を生かしたボール奪取
そしてミリトンを語る上で欠かせないポイントとして、足を生かしたボール奪取も忘れてはならない。
ミリトンは体格に恵まれているがスピードやアジリティもある選手。
なんとなく想像がつくとは思うが、体が大きくて足が遅いセンターバックの選手は多い。
バルセロナに所属しているジェラール・ピケなんかはいい例だろう。
だがミリトンは体が大きいがスピードがある。
タイプ的にはラファエル・ヴァランのようなタイプといえば分かりやすいかもしれない。
前線の選手にボールが入りそうになると、持ち味のスピードを生かして素早く寄せる。
その為相手がドリブルを得意としている選手でも素早く寄せてフィジカルで対応できるので怖くない。
また、サイドバックが上がった後に空いたスペースを狙われてもミリトンならカバーリング可能だ。
レアルは特にサイドバックが上下動を激しく繰り返す攻撃的な選手が多いので、レアルのセンターバックはカバーリング能力が必須だ。
その点ではミリトンもラモスやヴァランに負けていないと思う。
スピードを生かしたカバーリング能力の高さ、カバーリング範囲の広さは彼の魅力だ。
サイドバックもできる守備のユーティリティさ
そして、ミリトンはサイドバックもできる守備のユーティリティさも持ち合わせている。
本職のセンターバックはもちろん、サイドバック、そして守備的なミッドフィルダーとしてもプレー経験がある。
ポルト時代はセンターバックの他にも右サイドバックで起用されることも多く積極的な攻撃参加も魅力だった。
特別にドリブルが得意だとかパス精度が高いとかいうことは正直ないが、足元のテクニック的にはなんら問題はない。
むしろディフェンダーとしては水準以上なのではないかとも見ていて思う。
というか我らがレアルに加入してるのだからそれくらいはできて欲しいものだが、本人も自信があるのか、足元でもらっても簡単に失うというようなことは全くない。
サイドバックで起用される際は積極的に攻撃に参加してセンタリングやボックス外からのシュートを狙いながらチャンスを演出するが、どちらかといえば守備的なサイドバックだ。
その為、相手のサイドプレーヤーを確実に抑えたい時に対人プレーに優れているミリトンが使われる。
だが、今は対人プレーも強いカルバハルという不動の右サイドバックがいるし、左サイドバックには守備に優れているメンディ、そして控えにはミリトンと同じく守備のポジションであればどこでもできるナチョもいる為、サイドバックとしては3番手以降だろう。
ってことでミリトンがレアルでスタメンに定着するにはセンターバックで勝負することが多くなると思う。
実際、ヴァランが怪我をした時はミリトンがスタメンで出る試合もあった。
今はなかなかポジションを奪い取るとまではいっていないが、監督としてはミリトンクラスの選手が控えにいるのはかなり安心ではあると思う。
守備の要でもあるラモスやヴァランが怪我をした時でもミリトンなら問題なくプレーできる。
レアル・マドリードというトップレベルのプレーヤーが集まる集団の中で複数ポジションをこなすことが出来るというのはかなりアドバンテージだ。
だがあくまでもレアルが多額の移籍金を支払ってまで獲得された選手だということを忘れてはいけない。
ファンとしてもクラブとしてももっともっと活躍してくれないと納得はしないだろう。
彼はまだ22歳でブラジル代表にも招集された。
これらの環境で揉まれて益々ステップアップすることを期待している。
これから真価が問われるミリトン
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サンパウロFCからポルトに渡り、その活躍が認められて我らがレアルに加入した期待の大型ディフェンダー、エデル・ミリトン。
高額な移籍金に見合った活躍はまだできているとは正直言えないが、彼が一度ピッチに立てばその能力は遺憾無く発揮してくれるだろう。
何よりも彼の特徴でもある
- 空中戦の強さ
- スピードを生かした守備
- カバーリング能力
- 複数ポジションをこなせるユーティリティさ
というプレースタイルや特徴はレアルが追い求めているディフェンスの理想像だ。
レアルの中心となっている選手はもう大ベテランの域に入ってきている。
35歳になったセルヒオ・ラモスはまだまだやれるし、やってくれると期待したいが、もしラモスの後釜としてすぐにチームにフィットできるようにミリトンには頑張ってもらいたい。
ラファエル・ヴァランとセンターバックのコンビを組むことにいつかなったとしたら、高さもあってスピードもある最強で厄介なコンビになることは間違いないと思う。
そして、レアルのディフェンダーは点も取れる選手であって欲しい。
まだまだラモスのような得点力はないが、個人的にはセットプレーの得点という面ではヴァランよりは可能性を感じている。
ヴァランも成長しないといけないが、ミリトンもラモスがいるうちに色々と吸収して欲しい。
ミリトンにとってこれからが真価が問われることになる。
その為にも出場試合が少なかった昨シーズンよりももっともっとアピールして、与えられた機会で大きなインパクトを残していって欲しい。
ファンとしては、移籍金分の活躍をしっかりして契約延長、そしてエル・ブランコのセンターバックといえばミリトンと言われるくらいにまでなってほしい。
そしてその能力は十分に持っている。
これからのエデル・ミリトンの成長から目が離せない。
Hala Madrid!