2020-21シーズンのレアル・マドリードは負傷者が多発してることもあり、なかなか調子が出ていない。
その為、トップチーム所属の選手だけでなくカスティージャ(Bチーム)から選手を招集せざるを得ない状況になっている。
カスティージャの選手からしたらトップチームで自分の実力を示せるチャンスでもある訳だが、トップチームに招集される選手は一握り。
つまり、ジダン監督がOKサインを出した選手しかチームに加入することはできない。
そんな中ここ最近でトップチームデビューが騒がれている選手がいる。
それがアントニオ・ブランコだ。
トップチームでフル稼働しているカゼミロのバックアッパーになり得る存在として注目されている20歳だ。
今回はそんなアントニオ・ブランコのプレースタイルや特徴についてとことん解説していくと共にカゼミロのバックアッパーになれるのか問題について書いていこう。
アントニオ・ブランコのプロフィール
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本名 | アントニオ・ブランコ・コンデ(Antonio Blanco Conde) |
国籍 | スペイン |
生年月日 | 2000年7月23日(20歳) |
身長 | 176cm |
体重 | 68kg |
利き足 | 右 |
ポジション | MF(CMF) |
背番号 | クラブ:6/代表:6 |
着用スパイク | Adidas COPAsense |
経歴 | レアル・マドリード下部組織(2013-)/カスティージャ(2019-) |
ここ最近トップチームのメンバー表リストの中に必ずと言っていいほど名前が含まれているアントニオ・ブランコ。
ブランコはスペインのコルドバにあるモンタルバンという場所で産声を上げた。
7歳の頃に地元モンタルバンのサッカーチームに加入しサッカーのキャリアをスタートさせるとそこで3年間プレー。
セネカに移籍し3年間プレーした後に、我らがレアル・マドリードの下部組織に2013年7月1日付で加入することが決定した。
13歳からレアル・マドリードのサッカーを学びどんどん吸収していったブランコは各世代を順調に駆け上がり、フベニールA(U-17)ではキャプテンマークをつけて試合に臨み、中盤の底からチームを牽引する存在にまでなった。
そして現在はカスティージャで副キャプテンを務めている。
カスティージャで迎えた最初の19-20シーズンは23試合に出場し1ゴール2アシストを記録。
20-21シーズンはここまで10試合に出場し1アシストを記録している(2021年2月9日執筆時点)
そして彼のキャリアを語る上で欠かせないものがある。
それが国際大会でのタイトル獲得だ。
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もちろんレアル・マドリードで獲得したタイトルもあるが、世代別のスペイン代表U-17とU-19のヨーロッパ選手権で優勝しているのだ。
このようにブランコはU-17では20試合に出場し2ゴール、U-19では13試合に出場し2ゴールという記録を残している。
若くしてスペイン代表の中心選手としてプレーしてきているブランコはレアル・マドリードでもチームの顔になりつつある。
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これはレアル・マドリードとアディダスの公式キット発表会の一枚。
トップチームのセルヒオ・ラモスやマルセロなどと共にマドリードファミリーの顔としてピンクのシャツを身に纏っているのがブランコだ。
サッカーの才能だけでなく、その端正な顔立ちも将来スターになる要素抜群なのかもしれない。
未だ招集はされていながらトップチーム出場はできていないブランコだが、カスティージャでは間違いなく中心選手。
カスティージャ監督のラウールもブランコには絶大な信頼を寄せていて、マドリードのプランを遂行するのに欠かせない選手として挙げている。
そんなブランコがトップチームする日はそう遠くないはずだ。
アントニオ・ブランコが使用中のスパイク【アディダス コパセンス】
アントニオ・ブランコのプレースタイル
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ジダンもその才能を認めレアルの将来を期待されているアントニオ・ブランコ。
カスティージャの選手ということもあって、ブランコのプレーを見たことがないという人も多い。
ってことでここからはアントニオ・ブランコのプレースタイルや特徴について書いていく。
僕が思うブランコを語る上で欠かせないポイントは以下の通りだ。
- ビルドアップ力
- パスの正確さ
- 賢く奪い取る守備
個人的には現在リヴァプールに所属しているチアゴ・アルカンタラとルカ・モドリッチを足して割ったイメージを持っている。
カゼミロと言い切れない理由は後ほど解説するが、まずは一つずつプレースタイルや特徴を解説していく。
ビルドアップ力
ブランコを語る上で欠かせないポイントは彼のビルドアップ力だ。
ブランコは中盤の底でボールを受けると、フリーの選手をすぐに見つけてパスを捌く。
基本的にボールを持ちすぎると言うタイプの選手ではなく、基本的にはリズム良くパスを出して、またもらう動きをするというような選手だ。
スペインサッカーをよく知っている人であればブランコのような中盤の選手を見れば「スペイン人っぽい」っていうのではないだろうか。
それくらい、球離れが良い、そしてそれだけでなくその中で上手さが垣間見える選手だ。
先ほども言ったがボールを持つとまさにチアゴ・アルカンタラのようなプレーをする。
ボランチの選手ではあるが、センターバックの位置まで降りてGKからボールをもらうというシーンも多く、とにかくボールを触ってチーム全体のリズムを作っていく。
前にスペースがあればドリブルでどんどん進んでいく推進力も持ち合わせており、マークを引きつけながら味方を生かす。
また味方の位置をすぐに見つけることができる視野の広さも特徴の1つと言っていいだろう。
近い選手だけでなく遠い選手も見ることができるので、逆サイドにサイドチェンジして展開を変えるのもブランコの得意なプレー。
これらのプレーを遂行するためには自らの役割をはっきりと理解することも大事になってくるのだが、ブランコは戦術理解度にも非常に優れているので臨機応変に対応できる力も持ち合わせている。
中盤の選手としてどんな場面でも対応できるクレバーさは大事な要素。
そんなブランコをカスティージャで監督を務めているラウールもポゼッションサッカーに欠かせない選手の一人として信頼している。
レアル・マドリードのように下からポゼッションしてどんどん攻撃していくチームにはブランコのような選手は欠かせない存在だろう。
パスの正確さ
そしてブランコのプレースタイルを語るのに欠かせないポイント2つ目はパスの正確性だ。
ブランコはビルドアップ力が素晴らしいと書いたが、もちろんパスの精度が悪かったら意味がない。
長短のパスを駆使してポゼッションの中心に常にいるのがブランコだが、サイドチェンジのパス、そしてラストパスの精度が素晴らしいものを持っている。
フォワードの動き出しやサイドの選手の動き出しをしっかり見れており、動き出せば出てくるという感覚がチームメイトにはあるはずだ。
アシスト数がすごく多いという選手ではないが、アシストの1個前のパスにブランコが絡んでいることも多い。
特に、彼は攻撃的な思考を持っている為、守備的ミッドフィルダーというポジションでプレーしながら、縦パスをズバッと入れることができる。
これはブランコの魅力の1つだろう。
もちろん、そのパスがズレるようなことはほとんどない。
ビルドアップしかり、プレイメーカーとして相手のプレッシャーを感じていないかのように落ち着いてパスを出す。
これがブランコの魅力でもあり強みなのだ。
賢く奪い取る守備
そして最後にブランコのプレースタイルを語る上で欠かせないのがブランコの賢く奪い取る守備だろう。
ブランコはチームが自分たちのエリアから相手側のネットにボールを運ぶまでの手助けをするのが好きな選手というのはここまで書いてきた。
要はビルドアップ力と正確なパスという訳だが、彼のポジションは守備的ミッドフィルダーだ。
つまり、守備ができないといけない。
正直に言ってブランコは背が高い選手とはいえない。
しかし、その分守備をする際にも頭を使って相手から賢くボールを奪い取る。
これに関してはルカ・モドリッチを想像してもらうといいかもしれない。
モドリッチは鋭い読みとポジショニングの良さで相手からボールを掻っ攫う。
ブランコも相手のポジショニングや味方のポジショニングを把握し、読みを働かせてボールを奪取するタイプの選手だ。
パスカットやセカンドボールをマイボールにする能力に関しては非常に長けている。
相手がどう動くか、どうプレーするかを考えてパスコースを切る、もしくは今!というタイミングでタックルをすることができる。
攻撃だけでなく守備もこなすことができる選手は、どのチームの監督も欲しいもの。
ブランコは攻守で貢献できるだけの能力を十分に持ち合わせている選手だ。
ブランコはカゼミロの代役になれるのか
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下部組織時代はキャプテンを務めてチームを牽引してきた現在カスティージャ所属のアントニオ・ブランコ。
彼の将来性はカスティージャ監督のラウールも認めているほどの逸材。
ジダンもその有望性に注目している。
アントニオ・ブランコがトップチームでデビューを飾れるだけの資質を持っているからだ。
- ビルドアップ力
- 戦術理解度の高さ
- 視野の広さ
- パスの正確性
- 賢く奪い取る守備
- インターセプト
ブランコは守備的ミッドフィルダーとしてこれまでプレーしてきているが、トップチームの守備的ミッドフィルダーが誰だか忘れてはいけない。
「替えの効かない選手」としてジダンから厚い信頼を受けているブラジル代表カゼミロだ。
そこで当たり前のように上がってくる話題が
ブランコはカゼミロのバックアッパーになれるのか?
という問題だ。
個人的な意見を述べさせてもらうと、答えは「NO」だと思う。
これは単にカゼミロが優れている選手だから、というわけではもちろんない。
ブランコは守備的ミッドフィルダーとしてカゼミロと同じように、相手の縦パスをカットしたり、ピンチのシーンで相手に激しくチャージしたりタックルしたり、守備に奔走することが出来る選手というのは間違いない。
ただ、ブランコはその役割を頻繁にこなすべき選手ではないと思う。
言い換えると、カゼミロのようなプレースタイルがブランコの魅力ではない。
守備はできるが、「守備が得意です!」っていうにはまだまだ時間をかける必要があると思う。
もちろん筋力的な部分もそうだと思うが、そういう選手になるにはまだ改善する部分がある。
その為、現在レアル・マドリードが敷いている4-3-3(中盤が1ボランチ2インサイドハーフ)というフォーメーションの中でブランコをカゼミロの位置で使うのはまだまだ早い。
今のレアルのフォーメーションはカゼミロの守備力があってこそ。
クロースやモドリッチが自由に動き回っているのはカゼミロの守備力があってこそだ。
そこにブランコを起用するのは流石に弱点になってしまうだろう。
そこで、カゼミロがいなかった試合で起用したシステムを思い出して欲しい。
それは今までの中盤の三角形を逆にした2ボランチだった。
その2ボランチに守備に定評のあるカゼミロと組ませること。
これが現状でブランコがトップチームで輝ける最適なポジションだと思っている。
これは20歳とまだ若いブランコが自身が全く機能できなかったことにより自信を失わせないことが大事だと考えている。
もちろん、フベニールやカスティージャで2ボランチの一角としてプレーしていたことも、僕が思う2ボランチでプレーさせる意味はあるが、何よりもブランコを成長させることを優先したい。
ここ最近のレアル・マドリードでは怪我人が多いことが理由で招集されているため、カスティージャの選手を使わざるを得ない状況にはなっている。
しかし、ブランコのような存在はただの穴埋めのような存在ではなく選手の成長を促す起用をするべきだということを強調したい。
せっかく経験豊富な中盤の選手たちがトップチームにはたくさんいるので、その選手たちの横で実際にプレーさせて経験と自信を積んで欲しい。
その最たる例がトップチームにも存在している。
セルヒオ・ラモスだ。
ラモスは若い時から経験豊富なトップレベルの選手たちの中でプレーして今の地位までのし上がっている。
ブランコもそうするべき逸材だ。
セルヒオ・ラモスが銀河系軍団の中で若くから試合に出ていたように。
がんばれブランコ!
Hala Madrid!!