日本でも大人気のサッカーチームである我らがレアル・マドリード。
数多く在籍しているトッププレイヤーの中に現在ヘタフェにレンタル移籍中の日本のホープ久保建英が所属していることでも有名だ。
そんな中、スペインメディアも大注目しているもう一人の日本人選手が話題になっている。
それが17歳にも関わらずフベニールA(U-19カテゴリー)でプレーしている中井卓大だ。
ピピという愛称で親しまれている中井は、2021年の初戦となった試合で飛び級となるフベニールAでプレーし豪快な初ゴールを決めた。
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レアル・マドリードのトップチームも注目する日本の逸材はこのゴールの影響で現地メディアでもかなり大きく取り上げられ注目されている。
今回はそんなレアル・マドリードのトップチームも目をつけている中井卓大のプレースタイルや特徴についてとことん解説していく。
中井卓大(ピピ)のプロフィール
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本名 | 中井卓大(Takuhiro Nakai) |
国籍 | 日本 |
生年月日 | 2003年10月23日(17歳) |
身長 | 183cm |
体重 | 60kg |
利き足 | 右 |
ポジション | MF(CMF/DMF) |
背番号 | クラブ:9/代表:- |
着用スパイク | NIKE Phantom GT2 |
経歴 | アズー(2008-2014)/レアル・マドリード下部組織(2014-現在フベニールA) |
本来はフベニールB(U-18カテゴリー)の選手でありながら、フベニールA(U-19カテゴリー)の試合に飛び級で先発出場し1ゴールの活躍を見せた中井卓大。
「彼は多才で、MFであればどのポジションでもプレーできる」とマドリード関係者に言わせるほど太鼓判を押されている。
周りとは違うセンスを持っていた幼少期
そんな中井が生まれたのは滋賀県大津市。
地元のサッカークラブ「アズー滋賀FC」に所属したことでサッカーのキャリアをスタートさせた。
中井は所属した当初から周りとは一味違う選手だったそうだ。
中でもボールを扱う能力に非常に長けていて、小学2年生の頃には小学6年生との試合に出場していたほど。
以前、サッカー好きなら誰もが知っている伝説の番組「やべっちFC」でも取り上げられていて、彼のプレー集をみたことがあるがそのボールテクニックはかなり衝撃的だったのを覚えている。
小学6年生と2年生ではかなり体格差があるのだが、小さい子がどんどん大きな子をドリブルで交わしていく姿は圧巻だった。
人生を変えたレアル・マドリードキャンプへの参加
そしてなぜ「やべっちFC」で中井が取り上げられたかというと、「レアル・マドリード・ファンデーションキャンプ」に参加したということ。
このキャンプに参加したことが彼の人生を大きく変えることになったのは間違いない。
このキャンプの目的の一つは、青少年の人間性を高め教育を目的とした社会事業というものがある。
我らがレアル・マドリードは社会事業にも力を入れていることが分かる。
だが、それとは別のもう一つの目的で中井は人生を変えることができた。
それが、レアル・マドリードのトップチームで将来活躍することができるであろう人材の発掘だ。
つまり、このキャンプでレアル・マドリード関係者の目にとまればレアル下部組織の入団テストを推薦で受けることができるというもの。
将来レアル・マドリードでプレーしたい!プレーさせたい!と思っている人は是非ともこのキャンプを受けることをオススメする。
日本人初の快挙とあだ名の由来
そして中井はこのチャンスをしっかりと生かし、日本人初となる下部組織の入団テストを受けることになった。
この時の中井は若干9歳。
小学3年生の頃である。
自分が小学3年生の頃に何をしてたかさえもろくに覚えていないが、その頃に中井はレアル・マドリードの入団テストを受けていることを考えると自分が少し虚しくなる。
キャンプで認められて入団テストを受けるだけでもすごいことではあるのだが、中井はなんとそのテストで唯一の合格者となったのだ。
この快挙を日本で取り上げない訳はなく、レアル・マドリード最初の日本人としてかなり話題になった。
当時のやべっちFCでは、言われたリフティングができなかったり、うまくプレーが出来ないとすぐに泣いてしまうなど泣き虫な一面を披露。
ピーピーピーピー泣いていたことで「ピピ」という愛称で親しまれるようになったそうだ。
マルセロも驚くテクニック力
入団してからはエリート達の中で揉まれながら各世代のカテゴリーを着実にステップアップ。
一つ有名な話で、当時11歳でアレビンAに所属していたピピがトップチームで不動のサイドバックであるマルセロにテクニックを披露しマルセロを驚かせたという話。
両足を使った小刻みなドリブルはテクニック自慢のマルセロも口をあんぐり開けていた様子が話題になった。
その様子はこちら。
このマルセロの表情がたまらなく面白い。
この動画は一気に世界中で拡散されピピの存在が知れ渡った。
中でも元日本代表の乾貴士とは交流があるということで、乾が投稿する一緒に並んでいる写真を見る度に身長が伸びているピピをみてきたサッカーファンは多いことだろう。
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そんな中レアル・マドリードの下部組織内でも持ち前のサッカーセンスを遺憾無く発揮。
2020年にはトップチームで負傷者が続出したこともあり、トップチームの練習に参加するメンバーに含まれ、トッププレイヤーの中でボールを追う姿は指揮官達にかなり好印象だったようだ。
そして2021年には先ほどから書いている通り、飛び級で試合に出場した途端に豪快なゴールを決める大活躍。
現在ヘタフェにレンタルで移籍している久保建英とたった2歳しか変わらない日本人プレーヤーの登場に、トップチームデビューも間近なのではないか!と現地メディアでも騒がれている。
レアルの下部組織に入団した当初から見てきた自分としては、ついにトップチームに目をつけられたか!ついにこの時が来たか!とすごく興奮している。
今はまだどうなるかはわからないが、少しでも所属カテゴリーで安定したパフォーマンスを見せて活躍して欲しいものだ。
そしたらいずれトップチームで久保建英と中井卓大の日本人コンビが我らがエル・ブランコを頂点に導いてくれる!なんていう完璧すぎるシナリオが近いうちに見れるかもしれない。
あぁ、楽しみだ。
中井卓大(ピピ)が使用中のスパイク【ナイキ ファントム GT2】
そんな中井卓大(ピピ)のプレーを支えているスパイクがファントムGTエリート。
このスパイクはシュート、パス、ドリブルなど「スキルを引き出せ」をコンセプトに作られたスパイクで、アッパーの表面に「ジェネラティブテクスチャー」と呼ばれる立体のテクスチャーを搭載することでそれぞれのスキルの動作中に適切なグリップを生み出している。
素材自体も足の形状に合わせて柔らかくしなやかなフィッティングを実現するので、ボールタッチの感覚として素足感覚を求めるプレイヤーに好まれるスパイクだ。
中井は中盤の最もプレスの厳しいエリアでパス、ドリブル、シュートなどの判断をする必要があるので、限られた時間の中で正確にプレーする必要があることからこのスパイクを選んでいるのだろう。
そして、ボールタッチを大事にする中井にとって素足感覚でプレーできるスパイクを選択するのは納得だ。
中井卓大(ピピ)のプレースタイル
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レアル・マドリードという世界中からハイレベルな才能が集まってくる下部組織でトップレベルのサッカーを小さい頃から学んでいる中井卓大。
我々日本人にとっても久保建英とともに将来の日本サッカー界を引っ張って行って欲しい逸材だ。
レアル・マドリードの関係者も太鼓判を押すそんな中井の何が評価されているのか?
ここからは中井卓大(ピピ)のプレースタイルや特徴について解説していく。
個人的に思う中井卓大(ピピ)を語る上で欠かせないポイントはルカ・モドリッチを彷彿とさせる以下のようなプレーだ。
- ボールコントロール力
- ゲームメイク力
- サッカーIQの高さ
それでは一つずつ解説していくことにする。
ボールコントロール力
まず最初にピピの素晴らしさを語る上で欠かしてはいけないのがそのボールコントロール力だ。
マルセロに見せたドリブルもそうだが、とにかくボールを扱う技術に優れている。
以前ピピの子供時代の映像を見たことがあるが、狭い部屋の中でリフティングやドリブルをする姿があった。
コントロール力はその当時からの努力の賜物でもあると思う。
特にトラップの技術は世代の中でも群を抜いている。
少々雑なパスでもピピはしっかり足元にコントロールして次に繋げることができる。
そこで注目されるのがそのボールコントロール力が優れてる上でのボールキープ力だ。
ピピは簡単にボールを奪われることはまずない。
同世代の中ではもはや当たり前だが、上の世代でもそれは群を抜いている。
また、球離れも良いので不用意なタッチでボールロストをすることは滅多にない。
狭いエリアでもボールをしっかりと収めてボールをキープする技術は同じレアル・マドリードの中心選手ルカ・モドリッチをも彷彿とさせる。
ゲームメイク力
そしてピピを語る上で欠かせないのはそのテクニックを生かしたゲームメイク力だ。
彼はとにかく試合をコントロールするだけの技術を持ち合わせている。
ちなみに現在レアル・マドリードの下部組織では攻守の要としてピッチ中央で攻撃のタクトを振るい守備では相手の攻撃の目を摘むという役割をこなしている。
その姿はまさにルカ・モドリッチ。
モドリッチのように相手から「賢く」ボールを奪い取るとスルスルっとドリブルで抜けてフリーの選手にパスを出す。
守備の選手がボールを持っていればボールを受けに下がり、攻撃の一歩目となるパスを出すなど、スイッチを入れることができる選手だ。
ピピは本来攻撃的ミッドフィルダーとして入団時はプレーをしていたが、下部組織でプレーしているうちに、そのゲームメイク力などを買われボランチやインサイドハーフなど一つ下がったポジションでプレーする機会が増えた。
言わずもがなインサイドハーフやボランチはチームの心臓。
トップチームでもモドリッチ、クロース、カゼミロがこなしているポジションだ。
長短のパスを駆使しながらチャンスがあればスルスルっとゴール前まで上がってチャンスを演出するシーンはピピがボールを持てば度々訪れる。
ちなみにチーム関係者からはモドリッチのような選手になれる!という評価を受けているが本人はイスコのような選手になりたいと言っているんだとか。
どっちにしろめちゃくちゃ上手い選手であることは間違いない。
サッカーIQの高さ
そして最後にピピの特徴を語る上で欠かせないのがサッカーIQの高さだろう。
これに関しては幼い頃からトップレベルの環境でトップレベルのトレーニングを積んできたからこその能力だ。
それに持ち前の群を抜いたテクニックが合わさっているからこそ同世代の中で一つ頭抜けた存在になっているのだろう。
そしてサッカーIQの高さを伺わせるのが状況判断力だ。
ピピは17歳とは思えないほど試合中に落ち着いたプレーを披露する。
正直言ってピピはスピードのある選手とは言えない。
しかし頭の回転が非常に早く相手よりも先を読む力が非常に優れている。
これがピピの強さだ。
相手より先が読めるということは先に動き出す事が出来るということ。
守備の時には相手のパスコースをしっかり消すことでインターセプトもできるし、攻撃の際はより良い位置でボールを受けたり、より良いポジションにいる選手を素早く見つける事ができる。
要は、いかなる場面でもその時に1番最適な選択を素早く行うことが出来るのだ。
全てはこのサッカーIQの高さに見られる状況判断力と持ち前のテクニックが合わさって完成される選手、それが中井卓大(ピピ)だということだ。
課題はフィジカル面の向上か
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レアル・マドリードファンとしても日本人としても将来の活躍を期待したい選手でもある中井卓大(ピピ)。
トップレベルの選手が集まるレアルの下部組織で順調に成長を遂げていることは両者にとってどう転んでも良いニュースでしかないだろう。
ピピのプレースタイルや特徴はMFに必要とされるスキルをすでに身につけていると言っても過言ではない。
- ボールコントロール力
- ボールキープ力
- ゲームメイク力
- サッカーIQの高さ
- 状況判断力
ピピという可愛らしい愛称で親しまれているがピッチ内ではもう立派な一人のプレイヤーとしてチームの中心選手として君臨。
ボールを持った時の華麗な身のこなしやテクニックはここまで書いた通りだが、ピピはチャンスと見るや積極的にシュートを狙っていく。
その精度も非常に高く、フベニールAで見せた豪快なシュートもピピの魅力が十分に表れていた。
強烈なシュートも打つことできるし、コントロールシュートも高い精度で叩き込む事ができる。
そんな姿もルカ・モドリッチそっくりではないだろうか。
しかし彼はまだ17歳。
向き合わなければいけない課題も山のようにある。
その一つがフィジカル面での向上だろう。
フィジカル面というのは何も体の強さだけではなく、スタミナや走りを継続できる筋力なども含まれている。
もちろんレアルの下部組織関係者は既に取り組んでいて、だいぶ改善されてきているとはいうが、試合の映像を見ているとどうしても試合終盤にパフォーマンスが落ちているとも見てとれる。
ランの質が悪くなったり、オフ・ザ・ボールの動きが鈍くなったりして、試合から消えるシーンをよく見る。
ボールを持ったら何かを生み出せる選手なだけに非常に勿体無い。
それでもこれからまだまだ成長するだろうし、トップチームの練習だったり上の世代に揉まれているので本人も気づいて改善に取り組んでいるに違いない。
「先輩」にあたる久保建英でさえフィジカル面を弱点として指摘されていたが今ではだいぶ改善し体もひとまわり大きくなったように感じる。
ピピもいずれそうなることを願いたい。
兎にも角にも、次世代のスターになり得るレアル・マドリードの日本人プレーヤー中井卓大(ピピ)に今後も注目だ。
Hala Madrid!