セルヒオ・アリーバスのプレースタイル、特徴とは?イスコよりも序列が上になりつつある下部組織の逸材を解説!

ここ最近我らがレアル・マドリードではカスティージャ(Bチーム)の選手が出場機会を得ている。

これはトップチーム所属の選手たちに怪我人が続出していることが理由の一つだがそんな中でトップチームでアピールに成功し評価を高めている選手がいる。

それが、セルヒオ・アリーバスだ。

レアル・ソシエダ戦でトップチームデビューを果たした19歳は、20世紀に生まれた下部組織出身で公式デビューした最初のスペイン人だ。

これから名前をどんどん聞くことになるであろうアリーバス。

彼の何がジダンを感銘させたのか?彼の何が魅力なのか?

今回はセルヒオ・アリーバスのプレースタイルや特徴についてとことん解説していく。

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セルヒオ・アリーバスのプロフィール

 

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本名 セルヒオ・アリーバス・カルボ(Sergio Arribas Carvo)
国籍 スペイン
生年月日 2001年9月30日(19歳)
身長 172cm
体重 61kg
利き足
ポジション MF
背番号 クラブ:22/代表:-
着用スパイク  adidas Predator Freak High
経歴 レガネス下部組織(2010-2012)/レアル・マドリード下部組織(2012-2019)/カスティージャ(2019-)

ラウールが監督を務めているカスティージャの中心選手としてその資質を認められているセルヒオ・アリーバス

怪我人が多くなっているトップチームで先発こそはないものの途中出場という短い時間でアピールを続けている若きアタッカーだ。

そんなアリーバスが生まれたのは我らがレアル・マドリードが本拠地を置くマドリード。

2007年にCDEべニート・ペレス・ガルドースでサッカーのキャリアをスタートさせた。

最初のチームとなるペレス・ガルドースで3年間プレーした後、CDレガネスの下部組織に移籍し2年間プレー。

そしてアリーバスが11歳の頃に我らがレアル・マドリードの下部組織に加入し、最初のシーズンでアレビンA(U-12)でプレー。

ここでアリーバスは歳を重ねるごとに選手としても大きく成長し、それは数字でも表れている。

そしてアリーバスのそのサッカーセンスはスタッフ陣を唸らせるほど。

元レアル・マドリードの選手で下部組織の元監督であるアルバロ・べニートは「彼は典型的な10番プレーヤーでインサイドでプレーする攻撃的MF。クレバーな選手でポジショニングがよく技術的にも優れていて、左足の長所を生かしたプレーができる。高さはないが空中でのプレーが上手いので誤魔化すことができる選手でもあり、特にゴール前では持ち味を発揮できる」と語っている。

またフベニールAでアリーバスのコーチを務めたダニ・ポヤトスは、アリーバスのピッチ上での解釈能力ドリブルやプレー選択の正確性を評価していて、レアル・マドリードにいる間最も驚かせてくれた選手とも語る。

そんなアリーバスはフベニールAで素晴らしい活躍をして最高のシーズンを送った。

それがUEFAユースリーグでの優勝だ。

準々決勝のインテル戦では2アシストを記録すると決勝でも先制点のきっかけとなる絶妙なクロスを送るなどキープレイヤーとして大活躍。

監督などのコーチ陣やキャプテンなどから選手されるグループ5(レアルがプレーしたグループ)の最優秀選手に選ばれ、ユースリーグのベストイレブンにも選出された。

これらの活躍をトップチームコーチ陣が放っておくわけがなく、アリーバスはジダン監督が認めるカンテラ選手にリストアップされた。

その後何度かトップチームの練習に参加したアリーバスはジダンへのアピールに成功すると、練習試合となったヘタフェ戦でトップチームデビュー。

練習試合とはいえ他のトップ所属選手がアピールに必死な中1ゴールを決めるなど、持ち前のゴールセンスも見せつけた。

そして、2020-21シーズンのレアル・マドリードにとっての初戦となったラ・リーガ第2節のレアル・ソシエダ戦で途中出場ながら公式デビューを飾ることになった。

先ほどもちらっと書いたが、これは20世紀に生まれた下部組織出身のスペイン人として初めてのトップチームデビューとなった。

短い出場時間ながら、他の選手と何か違う素質を持っている選手という印象を植え付けたアリーバスは、チャンピオンズリーグのボルシア・グラードバッハ戦にも出場しチャンピオンズリーグデビューもしている。

久保建英所属のヘタフェと対戦した第1節の振替試合でも途中出場し、FWでの起用ながら前線で自由に動き回り、ボールを引き出し、時には低い位置でもボールを受けて潤滑油になっていた。

トップチームで躍動している姿は常に何年もプレーしてきたかのような様子で、19歳とは思えない冷静さと技術を見せていた。

現在トップチームでプレーしたカスティージャの選手の中では上位レベルでジダンの信頼を得ていると思う。

今後ともジダンのお気に入りの選手としてチームに帯同するだろう。

もはや同年代レベルではもう物足りないのかもしれない。

というのもアリーバスが下部組織で記録しているスタッツがそれを物語っている。

  • 2013-14(U-13インファンティルB):16試合4ゴール
  • 2014-15(U-14インファンティルA):14試合7ゴール
  • 2015-16(U-15カデーテB):21試合10ゴール
  • 2016-17(U-16カデーテA):23試合11ゴール
  • 2017-19(U-17フベニールB):25試合11得点+30試合22得点→55試合33得点
  • 2019-20(U-19フベニールA):34試合18ゴール
  • 2020-21(カスティージャ):3ゴール1アシスト(執筆時時点)

怪我人が多い中でレアル・マドリードが見出している新しい希望の才能アリーバス。

これからまだまだ成長する必要はあるだろうが、そのサッカーセンスは今後エル・ブランコを支えていってくれるだけの逸材であることは間違いない。

セルヒオ・アリーバスが使用中のスパイク【アディダス プレデター フリーク】

アディダス プレデター フリーク

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セルヒオ・アリーバスのプレースタイル

 

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若い才能を見出す事で有名なジダンがトップチームの練習に参加させる為に当時16歳の彼を呼び出したほどの素質を持っているセルヒオ・アリーバス

トレーニングセッション中からアリーバスの才能に感銘を受けていたんだとか。

そんなアリーバスのプレーの何が魅力なのか?

ここからはセルヒオ・アリーバスのプレースタイルと特徴について書いていきたい。

僕が思うアリーバスを語る上で欠かせないポイントは以下の通りだ。

  • 低重心のドリブル
  • 潤滑油にもなれる連携の良さ
  • 高い決定力

個人的にはたま離れの良い左利きのイスコだと思っている。

それでは1つずつ解説していく。

低重心のドリブル

まずアリーバスを語る上で欠かせないポイントは低重心で行われるドリブルだ。

細かいタッチで相手を次々に交わし、いかなる状況でも右左どちらにでもいけるよう腰を低く落としたドリブルを行う。

少々ぶつかられたくらいでは簡単に倒れないくらい、重心が低い。

アリーバスは足元のテクニック、ボールコントロール力が非常に優れている選手。

その為、味方からパスを受ける時点で相手の重心を見極め、相手の重心の逆をとりながらどんどんかわしていく。

同僚のイスコのドリブルと系統的にはかなり似ていると思う。

ただ、アリーバスとイスコの決定的な違いが、アリーバスはスピード、特にアジリティが優れている選手だということ。

相手の重心を見極めながらドリブルしていくのでスピードがないイスコのような選手でも相手DFを剥がすことができるのだが、アリーバスは剥がした後に相手を置き去りにすることができる。

その為、自分でゴール前まで切り込んでいって自らシュートを放つなんてシーンもよくみる。

チェルシーで一世を風靡した時代のアザールなんかを想像してもらうといいだろう。

アザールに似てるとあえて言わないのは、ポジションが違うのもそうだが、アザールが本来持ってるであろう(笑)ダイナミックさはまだないと感じるから。

相手を剥がした後のドリブルの加速力や細かいタッチなどに関してはアザールと似た部分がある。

とにかくアリーバスのドリブルはボールの置き所が非常によく、相手は足をなかなか出せない。

しかもスピードがあるとなると相手はファールで止めるしか無くなってしまう。

それくらいドリブルはアリーバスの魅力でもあり、武器なのだ。

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潤滑油にもなれる連携の良さ

そしてアリーバスの良さを語る上で欠かせないのが潤滑油になれる連携の良さだ。

分かりやすく言うと、アリーバスは連携で崩していくタイプの選手

その為ボールを持ちすぎると言うようなことはなく、リズムよくボールを動かして相手の守備陣形を掻き乱すことができる。

それを可能にしているのがボールコントロール力ポジショニングの良さだ。

これらはアリーバスの魅力でもある。

中でもポジショニングのセンスは素晴らしいものを持っていて、下部組織時代の恩師たちもピッチ上で見せるポジショニングの理解能力の高さに注目すべきものを持っていたと語っているほど。

常に相手のハーフスペースに入り込み、味方が連動して動けるようにボールを動かし、自らもそこにとどまることなくセカンドアクションを繰り返すことができる選手。

必要あらばドリブルで持ち込むこともできるが、基本的には味方を使いながらパスアンドゴーで適切なランニングでポジションを取る、というプレーを連続で行うことができるので監督としては「チームの動きが少なくなってきたな」と思った時にアリーバスを起用することでチームが一気に動きが良くなるという効果ももたらせるだろう。

実際、ここ最近のレアル・マドリードでは負傷者が続出していることもありトップチームのベンチにはアリーバスが座る機会も増えてきた。

エル・ブランコの中盤はモドリッチ・クロース・カゼミロとなかなかまだ入る隙はないものの、彼らの1個前で左右に中央にとポジションを移動しながら連動してプレーできている。

その動きはまるでずっとトップチームで練習してきたかのように相性抜群で2021年2月10日に行われた第1節ヘタフェ戦では攻撃の起点になるなどそのサッカーセンスを遺憾無く発揮していた。

見ている感じだとベンゼマやモドリッチなどとかなり相性が良さそうだ。

もちろん、カスティージャでは中心選手として活躍していて、チームがリズム良くパスを回せているのはアリーバスがいるからと言っても過言ではないほど。

パスを受けた時のボールの置き所もいいので基本的にアリーバスのところでボールを奪おうとするのは誤った選択になるだろう。

トップレベルでもなかなかロストをしないところを見ると、カスティージャでの試合で異彩を放つのは当たり前なのかもしれない。

高い決定力

そして何よりアリーバスは高い決定力も備えている。

アリーバスは確かにフィニッシャーというタイプではなく、どちらかといえばパスを味方と繋いで連携で崩してラストパスを送るタイプの選手。

要は典型的な10番タイプの選手だ。

しかし、自分でシュートを打てば高い決定力を誇っている。

先ほども書いたが、下部組織時代は基本的に二桁ゴールは必ず記録してきている。

直近の成績を見てもチームに決定力で貢献してきているのが理解できるだろう。

  • 2017-19(U-17フベニールB):25試合11得点+30試合22得点→55試合33得点
  • 2019-20(U-19フベニールA):34試合18ゴール

どこにでも顔を出してボールを受けるプレースタイルなだけにゴールのイメージがまだないが、下部組織でプレーしているアリーバスは精度の高い左足で次々とゴールを決めている。

エリア外でもメッシのようなシュートも打てるし、ボックス付近で味方との連携で崩して簡単に決めてしまうシーンもプレー集を見るとかなりある。

その高い精度を誇る左足はフリーキックでも発揮されていて、セットプレーでの決定力も期待できる選手。

現在レアル・マドリードには左足でセットプレーを蹴る選手が基本はいないのでアリーバスがセットポジションに立つこともあるかもしれない。

未だトップチームでのゴールは見せてくれていないが、近いうちにアリーバスが大暴れする日がやってくるかもしれない。

ジダンも認める逸材アリーバスにこれからも期待

 

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下部組織で存在感を発揮しジダンも可能性を秘めている選手として期待を寄せているセルヒオ・アリーバス

怪我人が増えている今のトップチームの状況でその才能を世界に知らしめ始めている。

確かに怪我人が増えたことによる緊急対策的な昇格ではあるが、長年トップチームで存在感を示してきたイスコよりも序列が上になりつつあるアリーバスを見ればトップレベルで通用することがわかる。

  • 細かいタッチで低重心のドリブル力
  • 他を寄せ付けないアジリティ
  • 味方を生かす連携力
  • ポジショニングの良さ
  • ボールコントロール力
  • 高い決定力
  • セットプレーも蹴れる選手

現在のところ上手くいっているように見えるアリーバスだが、課題はまだまだある。

まずはフィジカル的な部分

一見ガチッとした体型のように見えるが、やはりベンゼマなどと並んだ時にアリーバスがまだ下部組織上がりの選手なんだなと感じてしまう。

試合中はボールスキルと加速力で相手を困らせる存在になっているが、いざフィジカル同士の戦いになるとやはり弾き飛ばされている印象がある。

一昔前の久保建英のような感じをイメージして貰えばいいかもしれない。

スキルがある選手でも潰されたら何もできなくなる。

そして、パフォーマンスに波があることもアリーバスの課題となるだろう。

ヘタフェ戦では非常に良いパフォーマンスを見せていたが、その次のバレンシア戦では試合から消える時間帯があった。

消える時間帯があるのは下部組織時代からの課題なんだとか。

パフォーマンスの波はどの選手にもあることではあるが、それが頻繁に起きるようでは監督の信頼は得ることができないため、安定したパフォーマンスを披露できるように改善が求められるだろう。

とはいえアリーバスはまだ19歳

これからトップチームの選手たちのレベルを体感したことやこれからも一緒に練習することで自分のサッカー感に変化も起きてくるだろう。

そしてフィジカル的な部分でもどんどん改善されていくことになるだろう。

トップチームに怪我人が増えたことでまさかのチャンスを得ることができたアリーバス。

このチャンスをうまく活かして成長し、レアル・マドリードの中心選手としてメキメキと力をつけていってほしいと思う。

これから名前をどんどん聞くようになる存在になるだろうセルヒオ・アリーバスにこれからも注目していきたい。

がんばれアリーバス!

Hala Madrid!!

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セルヒオ・アリーバスのプレースタイル、特徴とは?イスコよりも序列が上になりつつある下部組織の逸材を解説!
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