我らが日本のホープでもあり我らがレアル・マドリードに所属している久保建英。
その久保建英と同期でレアルに加入し、「レアルのセンセーション」と称され常に比較されている選手がいる。
それがブラジル代表にも選ばれ「小さなネイマール」とも言われているロドリゴ・ゴエスだ。
将来のレアルを担うと言われているロドリゴ。
今回はそんな注目のブラジルの新星ロドリゴ・ゴエスのプレースタイルや特徴についてとことん解説していく。
ロドリゴ・ゴエスのプロフィール
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本名 | ロドリゴ・シウバ・デ・ゴエス(Rodrygo Silva de Goes) |
国籍 | ブラジル |
生年月日 | 2001年1月9日(20歳) |
身長 | 174cm |
体重 | 63kg |
利き足 | 右 |
ポジション | FW(WG) |
背番号 | クラブ:25/代表:21 |
着用スパイク | Nike Phantom GT2 |
経歴 | サントスFC(2017-2019)/レアル・マドリード(2019-) |
年俸 | €3,588,000(4億5208万8000円)/週給€69,000(869万4000円) |
久保建英がレアルに加入したタイミングで日本でも話題になった20歳のブラジル人アタッカー、ロドリゴ・ゴエス。
出場機会を求めてレンタル移籍した久保とは違い、レアルに残留して熾烈なメンバー争いに真っ向から挑んだレアルのホープだ。
そんなロドリゴは2001年ブラジルのサンパウロ州オザスコというところで産声を上げた。
現在サッカー選手になっているブラジル人で多いのが親がサッカー選手ということ。
ロドリゴもその例に漏れず、CAリネンセなどで2018年までプレーしていた元サッカー選手の父親エリッキの元で生まれた。
幼少期から父親がサッカーをする姿を見てきて、そんな父親とサッカーをする機会も多かったロドリゴ。
サッカーセンスもさることながら、父親の教育を受けてテクニックを磨いてきたロドリゴは地元アマチュアクラブでプレーしたのちに、若干8歳で名門サンパウロFCのフットサルチームに参加した。
ロナウジーニョやカカなどブラジルのスターはフットサル出身が多いとされているが、ロドリゴもフットサルチームで足元のテクニックを学んだ。
そして、その活躍が認められ10歳の頃にはサントスFCの下部組織に加入。
ロドリゴが昔から語っている憧れのアイドル、ネイマールと同じチームに加入した。
サントスに加入後は、そのネイマールを徹底的に研究したんだとか。
スペースがあれば一気に加速、狭いエリアではフェイントや細かいタッチを駆使して相手を翻弄する、ネイマールのあの感じを習得した。
この頃から「Newネイマール」だとか「ネイマール2世」などと呼ばれるようになった。
本人からしたらアイドルの名前がついてくれるだけで嬉しいかったに違いない。
2017年に行われたU-17サンパウロ選手権では22試合で24ゴールを挙げる大活躍。
ブラジル人サッカー選手の登竜門と言われる大会で見事すぎる結果を残した。
その年の2017年7月には、5年間のプロ契約を結ぶとその年の11月に行われたアトレチコミネイロ戦で16歳6ヶ月という早さでトップチームデビュー。
これはあのネイマールよりも3ヶ月も早い記録だ。
そして2018年に行われたコパ・リベルタドーレス杯ではナシオナル戦で17歳と2ヶ月という早さで初ゴールを決め、ブラジル人選手の最年少記録を打ち立てた。
この時点でブラジル国内でロドリゴという選手を知らない者はいない、それくらい将来有望な若手として名を馳せていた。
そんな若者を欧州のクラブが放っておくわけもない。
数多くのビッグクラブが争奪戦を繰り広げるも、最終的にはライバルのバルセロナと我らがレアル・マドリードが最後までロドリゴとの契約に迫った。
そして、2018年6月にレアル・マドリードと6年契約の移籍金4500万ユーロで合意したことが発表された。
バルセロナ側は口頭で合意していたこと、レアルがヴィニシウス・ジュニオールを前年に獲得していることもあり、少し楽観していたんだとか。
しかし、経営不振による財政難を抱えていたサントスにとって、レアル会長のオファー金額はかなり魅力的だった。
当時バルセロナは方針として10代の選手に多額の資金を支払うことはしておらず、バルサ側が提示していた金額とは桁が違う額のオファーだった。
バルセロナにはつくづくフロント陣がパッとしない印象を抱くが、逆に我らがレアルのフロント陣にはつくづく感心する。
当時17歳だったロドリゴは、18歳になるまで国外への移籍は認められていないため、1年後の2019年6月に正式にレアル・マドリードの一員となった。
ロドリゴは、トップチームにも参加するが、カスティージャ(Bチーム)で登録された。
同時期には久保建英もカスティージャに登録されたこともあり、カスティージャで二人が共闘するという楽しみも正直あった。
そしてオフシーズンに行われるインターナショナルチャンピオンズカップのバイエルン・ミュンヘン戦でロドリゴと久保建英は途中出場。
久保建英に注目していた我々日本人は衝撃のゴールを目にする。
それが、この完璧なフリーキックだ。
久保に蹴って欲しいな、なんて思っていたのでこのゴールは鮮明に覚えている。
むしろ、バイエルン相手に一発目でこのゴールを決められるロドリゴってこんなにすごいのかって感じたのを覚えている。
その後は久保はレンタルでマジョルカに行った為にカスティージャで共闘する姿は見ることができなかったが、レアルに残留することを選択したロドリゴにチャンスがやってくる。
それが、ラ・リーガ第6節のオサスナ戦だ。
その試合でベンチ入りしたロドリゴは後半26分に同胞で1年先輩のヴィニシウス・ジュニオールと代わって途中出場しリーガデビューを飾る。
そしてその1分後にはラ・リーガ初得点となるゴールを決めて試合を決定付けた。
ロドリゴという名前と実力がしっかりと世界に知れ渡った瞬間だと思う。
リーガ初出場にも関わらず非常に落ち着いてプレーしていたのが印象的だった。
そしてロドリゴの快進撃はまだ終わらない。
2019年11月に行われたUEFAチャンピオンズリーグのガラタサライ戦では開始4分にすぐ先制点を決めると、開始7分には2点目を決める。
なんとこの試合は3ゴール1アシストという大車輪の活躍。
これはブラジル人選手の最年少得点記録、開始7分での2得点はチャンピオンズリーグの最速記録、そしてレアルの名選手でもありカスティージャの監督を務めるラウール・ゴンザレスに次ぐ2番目のハットトリックを記録した最年少選手となった。
正直、当時ガラタサライには長友佑都がいたが、がっかりした。
ロドリゴにちんちんにされていたと言っても過言ではなかった。
本人も「18歳であんなに考えてプレーできるのはすごい」と言っていたが、ロドリゴはレアルの昔からのレギュラーのような、それくらいの落ち着きでプレーしたいたように見えた。
結果、加入1年目の正式は公式戦29試合に出場して9得点3アシスト。
ビッグクラブで迎える1年目にしては十分すぎる活躍だった。
だが、ロドリゴのポジションにはアザール、アセンシオ、ヴィニシウスなどなど有能な選手がいる。
ポジションを確立するのはそんなに簡単なことではない。
その為、カスティージャの試合に出場したりすることもあったが、正直ヴィニシウスを使うならロドリゴの方が個人的には好きだ。
理由は、ドリブルに固執しない部分と何よりも決定力。
先輩に当たるヴィニシウスとは非常に仲が良いみたいだが、結果が大事になってくるこの世界ではロドリゴの方が評価は高いだろう。
これからレアルの将来を担うスターとして今後の成長が楽しみな選手でもある。
ロドリゴ・ゴエスが使用中のスパイク【ナイキ ファントム GTエリート2】
そんなカゼミロのプレーを支えているスパイクがファントムGTエリート。
このスパイクはシュート、パス、ドリブルなど「スキルを引き出せ」をコンセプトに作られたスパイクで、アッパーの表面に「ジェネラティブテクスチャー」と呼ばれる立体のテクスチャーを搭載することでそれぞれのスキルの動作中に適切なグリップを生み出している。
素材自体も足の形状に合わせて柔らかくしなやかなフィッティングを実現するので、ボールタッチの感覚として素足感覚を求めるプレイヤーに好まれるスパイクだ。
ロドリゴといえばドリブルにパスにシュートにと全てのスキルにおいてハイレベルな選手なだけにこのスパイクを選択するのもなんら不思議ではない。
若くからサッカー界で活躍している選手はやはり素足感覚のフィット感を求めるのだろう。
ロドリゴ・ゴエスのプレースタイル
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「小さなネイマール」「Newネイマール」「ネイマール2世」などサントスFCの先輩でもあるネイマール比べられることが多いロドリゴ・ゴエス。
ポジションは主にウイングということもあり、ネイマールと比べられるのもしょうがないだろう。
今やネイマールは世界的なスターでありブラジル代表でもキャプテンマークを巻くほどの選手。
そんな選手と比べられるロドリゴの魅力はなんなのか?
ここからはロドリゴのプレースタイルや特徴について解説していく。
僕が思うロドリゴを語る上で欠かせないと思うポイントは以下の通り。
- ネイマールのようなドリブル
- プレー選択のスマートさ
- 決定力の高さ
それでは1つずつ解説していく。
ネイマールのようなドリブル
まずロドリゴを語る上で絶対に欠かしてはいけないのが、圧倒的なドリブルスキルだ。
ロドリゴのドリブルは、相手の重心をずらす体の使い方、しなやかなボールタッチ、そして相手を置き去りする初速が魅力的だ。
スペースがあれば、そのスペースへ大きめのタッチでスピードを生かして突破し相手を一気に置き去りにする。
その為、カウンター時などで自陣でボールを受けても相手陣地の深い位置まで一気にドリブルで駆け上がることができるのだ。
また、狭い位置で相手に囲まれてしまっても簡単にはボールロストをしない。
細かいタッチで相手の足を交わし、うまく上体を使いながら相手の重心をずらして逆方向に突破する。
先ほども書いたように、ロドリゴはサントスに加入した時点でネイマールのプレーを研究したということもあり、ドリブルのリズムや選択はネイマールと似ている部分がある。
正直、ドリブルの巧さに関してはまだネイマールの方が上に感じる。
しかし、ブラジル人独特のリズムから繰り出されるドリブルタッチや、緩急を駆使したしなやかなドリブルは相手を一気に置き去りにすることができるので、一人で状況を打開することができるのはネイマールとかなり似ている部分だと思う。
ロドリゴのドリブル能力は確実に既に欧州トップレベルにあると思うが、相手もそれを研究してくることは間違いない。
実際、ロドリゴがドリブルを開始する前に徹底マークで潰してくるディフェンダーも増えてきた。
それは相手がロドリゴを警戒しているということでもあるが、欧州の激しいフィジカルコンタクトにも負けないように成長してほしい。
プレー選択の賢さ
そして次にロドリゴの魅力として挙げたいのが、プレー選択の賢さだ。
もしあなたがサッカー選手だとして得意プレーがドリブルの20歳だとしたら、ボールを持った時に最初に頭に浮かぶのはなんだろうか?
よしっドリブルを仕掛けよう!
ではないだろうか?
ドリブル自慢のブラジル人は今までも何人も見てきた。
実際、レアルにもヴィニシウス、昔であればロビーニョ、ロナウドなどなどドリブルを得意とするブラジル人は何人もいた。
それらの選手に共通することは、「得意のドリブルに固執しすぎること」である。
特に若手の選手ともなると、自分のストロングポイントをアピールしたい、だとか、ドリブルで観客を沸かせたい、みたいな気持ちが少なからずあるとは思う。
要は、何が言いたいかというと、ドリブルが得意な選手は持ち過ぎな選手が多い・球離れが悪い選手が多いということ。
しかし、ロドリゴはドリブルが得意な選手ではあるがドリブルに固執することは一切ない。
ロドリゴは余計なタッチをせずに味方に良いタイミングでボールを渡すという「ボールを離すタイミング」をしっかり理解している。
その為、相手はドリブルだけを警戒するわけにもいかず、寄せきれない。
つまり、ロドリゴは常にドリブルかパスかという2つの選択肢がある状態である。
また、自分のボールを保持している状況が悪いと見るや味方にボールを渡して動き直し、良い状態でボールをもらおうとする。
試合状況や相手の状況を見ながら、ドリブルに固執せずパスを駆使しながら味方に活かされる選択ができる。
これがロドリゴのプレースタイルでもあり特徴、そして魅力の1つだ。
決定力の高さ
そして最後に絶対に欠かしてはいけないのが、ロドリゴの決定力の高さだ。
ロドリゴはゴールの嗅覚もさることながら、とにかくシュートテクニックが高い選手。
ロドリゴはワイドに開いた状態から中に切り込んでゴールを決める。
このような選手をワイドストライカーともいうが、サイドからダイアゴナル(斜め)に中に入ってゴール前に侵入する事が出来る。
そして、ワンタッチでシュートを決めたり、ヘディングで押し込んだりして得点を量産する。
つまり、ボールを持っていようが持っていまいが、積極的にゴール前に走り込むので相手選手からすれば厄介だろう。
これはロドリゴの魅力でもあり、レアルがクリロナ退団以降求めていた選手でもある。
左サイドから中にカットインして放つシュートはロドリゴの得意な形でもあり、本人も自信があるプレーとして把握しているそうだ。
また左右の足で何不自由なくシュートを放つ事が出来るのも魅力の1つ。
相手をドリブルで抜いたり、背後のスペースに走り込んだりして、たとえ角度がない位置でも冷静にサイドネットやGKの股の間を狙い足を振り抜く事ができる。
これらのシュートテクニックを持ち合わせているからこその得点力の高さ。
同じポジションでライバルでもある同胞のヴィニシウスがいるが、ヴィニシウスとの最大の違いはこの得点力の高さだ。
ロドリゴは少ないチャンスでも仕留める力を持っている。
それがラ・リーガデビュー戦でのドリブルシュートだったり、FKのチャンスをしっかり活かすテクニックだったりする。
ヴィニシウスも同じくサイドでスピードに乗ったドリブルを得意とする選手ではあるが、冷静にゴールに流し込むテクニックを習得するのはもちろん必要だ。
しかし、ロドリゴのように冷静にシュートを打てるシチュエーションを作っている回数が違うということもあるだろう。
ロドリゴがなぜそんなに余裕があるかは、自分が相手の危険な位置に積極的に走り込み、味方に活かされる状況を自ら作っているからだと個人的に思っている。
ヴィニシウスもブラジルでは得点を量産し鳴り物入りでレアルに加入したアタッカーだ。
シュートテクニックが単にないというのは少し違うと思う。
それでもスペインの地で得点の結果に差が出るというのは、ブラジルサッカーとスペインサッカーの違いを理解し、先ほど書いた「賢さ」という面でロドリゴがヴィニシウスに勝っているということだろう。
ロドリゴはレアル躍進のキーマン
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プロデビューをしてからわずか2〜3年で我らがレアル・マドリードに加入した新星、ロドリゴ・ゴエス。
まだ20歳でありながら大きく存在感を放つレアル期待のブラジル人アタッカーだ。
ロドリゴのプレースタイルや特徴を見ていると「小さなネイマール」「Newネイマール」などと言われる由縁も理解できる。
- ネイマールのようなドリブルスキル
- プレー選択の賢さ
- ダイアゴナルランの質の高さ
- 決定力の高さ
- 左右不自由なく打てるシュート技術
ロドリゴが試合に出ていると彼の決定的な仕事ぶりを見てしまうが、実は彼の魅力がもう1つある。
それがチャンスメイク力だ。
ロドリゴは持ち味のドリブルで深い位置まで切り込むとサイドから質の高いボールを味方に送りこむ。
プレー選択の賢さを生かして、味方とのパスワークで崩したり、裏への積極的な走り込みによりサイドからパスを通す。
特にセンターフォワードに君臨しているカリム・ベンゼマとの連携は素晴らしいものがある。
ロドリゴのアシストでベンゼマが得点するシーンはよく見る光景だ。
また、チャンスメイク力というとアシスト数を見てしまうことが多いが、よーく考えてみると「ロドリゴのあのプレーがキープレーだった。」ってシーンが結構ある。
日本代表の選手で言うと遠藤保仁なんかが同じような感じで、ゴールの時にアシストはつかないけど必ず起点となっている選手。
これは相手にとって危険な位置でプレーできていること、相手と味方の位置をしっかり把握できていることやプレー選択ができていることが大きく関わってくる。
ロドリゴは20歳でそれをやってのけている。
レアルには有能な選手がたくさんいるが、ロドリゴの加入1年目での貢献は正直ファンとしては驚きだった。
ヴィニシウスやバスケスがウイングで起用されるよりもロドリゴの方が期待が持てる感じがした。
これはあまり簡単に言うべきではないかもしれないが、ロドリゴは今後スターになっていくと思う。
そしてレアルの攻撃を牽引する選手になっていくだろう。
今レアルには有能な若手選手が多数在籍している。
ウーデゴール、ヴィニシウス、日本代表の久保建英もその一人だ。
今後それらの選手が一緒のピッチに立ち、リーガ制覇、CL制覇、そしてクラブW杯を制覇する姿を想像すると興奮して寝れなくなる。
ロドリゴは満足せずまだまだ成長していってほしい。
そしていつかネイマールを追い越すような存在になり、「ロドリゴが子供時代のアイドルだった」と言われるようなブラジル人アタッカーが出てくるまでになって欲しいなと思う。
ロドリゴ、早く怪我治せよ。
Hala Madrid!