我らがレアル・マドリードにはトップクラスのフォワードが所属している。
その代表例がカリム・ベンゼマだろう。
今季もチームトップの得点でエル・ブランコの攻撃を牽引している。
しかし、そのベンゼマが負傷してしまったことによりチャンスを得た選手がいる。
それがカスティージャ所属のウーゴ・ドゥロだ。
現在カスティージャで12試合に出場し8ゴールを決めるなど絶好調のスペイン人ストライカー。
これは3部で現在得点ランクトップだ。
ってことで今回は、「ラウール風ストライカー」とも言われているウーゴ・ドゥロのプレースタイルや特徴について書いていく。
ウーゴ・ドゥロのプロフィール
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本名 | ウーゴ・ドゥロ・ペラレス(Hugo Duro Perales) |
国籍 | スペイン |
生年月日 | 1999年11月10日(21歳) |
身長 | 180cm |
体重 | 71kg |
利き足 | 左 |
ポジション | FW |
背番号 | クラブ:19/代表:- |
着用スパイク | Adidas Predator Freak High |
経歴 | ヘタフェB(2017-2019)/ヘタフェ(2019-)/レアル・マドリードB(2020- loan) |
ベンゼマが負傷したことでトップチームに召集されてチャンスを得ることができたU-21スペイン代表にも召集経験のあるウーゴ・ドゥロ。
2020年の夏に移籍市場で大きな動きを見せなかったレアル・マドリードに加わったスペイン人アタッカーだ。
ベンゼマがいない間に穴を埋めてくれることが期待されジダンからトップチームのトレーニングに招集がかかった。
そんなウーゴ・ドゥロが生まれたのはマドリード州のヘタフェ。
現在久保建英がレンタルで所属しているヘタフェCFの地元だ。
小さい頃からヘタフェのチャントを聴いて育ってきたウーゴ・ドゥロは5歳の時にヘタフェの下部組織に加入しサッカーのキャリアをスタートさせた。
昔から応援してきたチームに加入した2004年から2017年までヘタフェの下部組織で実力をつけ、ついに2017年にBチームに登録された。
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Bチームに登録された年の10月にはその勢いそのままにコパ・デル・レイのアラベス戦でプロデビュー。
2018年にはレアル・ソシエダ戦でラ・リーガデビューを飾るなどアタッカーとして頭角を表した。
それ以降は二種登録選手としてプレーしたウーゴ・ドゥロは3シーズン連続で二桁得点を記録するなど持ち前の決定力の高さに磨きをかけた。
2019年にはトップチームに昇格すると、2020年7月8日にはビジャレアル戦でラ・リーガ初得点となる同点ゴールを記録するなど、子供時代から応援してきたヘタフェというチームとともにラ・リーガの舞台で戦っていくものだと思われていた。
そう思われていた矢先、2020年8月に我らがレアル・マドリードのカスティージャへのレンタル移籍が発表された。
契約には買い取りオプションも付与されており、エル・ブランコがウーゴ・ドゥロの活躍を認めると完全移籍も可能というものだ。
2020年の11月にはトップチーム所属の選手に負傷者が続出。
むしろ今季のエル・ブランコはこの頃から怪我人に泣かされている。
その影響もあり、UEFAチャンピオンズリーグ・グループリーグ第4戦のインテル戦に挑んだレアル・マドリードの召集メンバーにウーゴ・ドゥロは含まれた。
その試合で出場する機会こそなかったものの、チャンピオンズリーグの舞台をピッチ側で見れたのはウーゴ・ドゥロにとって大きなことだったに違いない。
カスティージャに戻ればウーゴ・ドゥロは得点を量産。
執筆時点(2021年2月21日時点)で12試合に出場し8ゴールを記録している。
そしてウーゴ・ドゥロはついにレアル・マドリードでトップチームデビューを飾ることになる。
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相変わらず負傷者が多くトップチームのメンバーがいないということで、ラ・リーガ第24節のバリャドリード戦にアタッカー枠で召集されると66分にマリアーノに変わって投入された。
短い時間ではあったが勢力的なプレーで前線を走り回り可能性を見せつけ、ジダンへのアピールもバッチリだったはずだ。
巷では「ラウール風のストライカー」とも言われているんだとか。
確かに左利きで高い決定力を誇っている部分を見ると、ラウールに似ているかもしれない。
そして何より、今カスティージャの監督を務めているのがラウールということで身近で叩き込まれていることだろう。
そんなウーゴ・ドゥロだが、実はまだ現役の大学生だ。
マドリード・カルロス3世大学の機械工学を専攻していて、レアル・マドリードのトップチームに初めて召集されたインテル戦のスーツケースには試験期間ということもありたくさんの参考書などが詰め込まれていたとも言われている。
将来どうなりたいのかは分からないが、とりあえずレアル・マドリードで活躍すれば当面の心配はいらないだろう。
その後のセカンドキャリアで機械工学を生かして欲しいものだ。
いずれにしても、現在エイバルに所属している武藤嘉紀のような存在ということ。
勉学もサッカーも頑張ってほしいがその舞台がレアル・マドリードとはなかなか面白い選手である。
ウーゴ・ドゥロが使用中のスパイク【アディダス プレデター フリーク】
ウーゴ・ドゥロのプレースタイル
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我らがレアル・マドリードが近年力を入れてきている若手の選手育成の一人でもあるウーゴ・ドゥロ。
エル・ブランコのアタッカー陣の中に割って入るのはなかなか厳しいものと思われていたが、負傷者が多数出ているということでカスティージャで淡々と得点を取り続け好調を維持していたウーゴ・ドゥロに声がかかった。
まだトップチームデビューを飾っただけに過ぎないが、試合はもちろんトレーニングを含めてこれからジダンにアピールするチャンスが何回か巡ってくるだろう。
そんなウーゴ・ドゥロのプレースタイルや特徴について書いていく。
僕が思う彼を語る上で欠かせないポイントは以下の通りだ。
- 決定力とスペースを見つける上手さ
- 前線からの守備意識
- ウイングもできるポリバレント性
それでは一つずつ解説していく。
決定力とスペースを見つける上手さ
まずウーゴ・ドゥロを語る上で欠かせないポイントは決定力だ。
ヘタフェ時代からそうだが、今シーズンもカスティージャでコンスタントに得点を重ねている。
📊 Hugo Duro with Real Madrid Castilla this season:
✅ 12 games
⏱ 1044 minutes
⚽️ 8 goals
🔥 Goal every 130 minutesWhat a signing (on loan) he has been ! pic.twitter.com/E9ilH8ygQ3
— Real Madrid Fabrica (@FabricaMadrid) February 14, 2021
執筆時点(2021年2月21日時点)ではあるが、12試合で8得点を記録しラウール監督のファーストチョイスとして活躍している。
ウーゴ・ドゥロの特徴としては、ヘディングがまず強いということ。
身長はすごく高いわけではないが、空中戦で絶対的な強さを誇っている。
カスティージャで今シーズン決めた8ゴール中ヘディングで決めたゴールはなんと4ゴール。
ボックス内での競り合いに絶対的な自信を持っていることが分かる。
身長が決して高いわけではないのにヘディングで点を取れる秘訣はやはりスペースを見つける上手さだろう。
自分がボールを受けたいスペース、勝負したいスペースを素早く見つけると、あえてそこを空けておく。
そして相手ディフェンダーとの駆け引きに勝って相手よりも前に入り、ボールを触る。
駆け引きのうまさもさることながらこのスペースを見つける素早さは本当に優れている。
フォワードとして、スペースを見つけてそのスペースに走り込むというのは基本の技術ではあるが、基本の動きを正確にこなせるスキルはセンスだけでなく練習の賜物だ。
ヘディングの強さや上手さは、ヘタフェというロングボール中心のクラブでバチバチにやってきた経験も少なからず生きているだろう。
そして、このスペースを見つける上手さは何もヘディングだけのスキルではない。
ボックス内で駆け引きをすると相手の一番嫌な部分に飛び込んで点を決めるシーンも多い。
レアル・マドリードには綺麗な形でゴールを決める選手が多いが、ウーゴ・ドゥロはどっちかというと泥臭いゴールを決めるイメージの選手。
ユニフォームを汚しながらでもゴールを決めるような選手だ。
それもこれも相手が一番嫌がるスペースや自分が勝負したいスペースを素早く見つけることが出来るスキルがあるがゆえ。
単独でゴリゴリいくタイプではないが連携が深まってくれば得点を量産できるアタッカーだ。
ポジショニングでどんな形でもゴールを決める姿が左利きということもあり、「ラウール風」と言われるのだろう。
前線からの守備意識
ウーゴ・ドゥロの魅力を語る上で欠かせないポイントとして、前線からの守備意識が高い選手だということだ。
現代サッカーでは前線の選手でも守備をすることが求められる時代になった。
クリロナやメッシやスアレスなどの例外を除いて基本的には守備から始まり攻撃で終わるのが今流だ。
もちろんジダンもそのような選手を好んでいることはスタメンを見ればわかる。
ウイングとして出場しているアセンシオやルーカス・バスケスなど攻撃だけでなくしっかりと守備に戻れる選手を起用している。
高い位置でボールを奪うことができれば攻撃にも有利だから当たり前だろう。
そして、ウーゴ・ドゥロは前線から積極的にプレスをかけて相手を追い回す。
また相手ボランチがボールを持っているときに後ろから挟み込むような守備で味方を助けるシーンも多い。
これはヘタフェで培ってきた守備意識が身に付いているのだと思っている。
ヘタフェ時代のプレー集を見ていると守備も手を抜かない姿勢が見てわかる。
これは現在トップチームでやっているベンゼマに唯一勝る点だと僕は思っている。
ベンゼマは攻撃で絶対的な地位がある分、ベンゼマは守備をそこまで求められていない。
しかしベンゼマが守備をもっとするようになればもっとチームは楽になることは間違いない。
ウーゴ・ドゥロに求められているのはもちろん攻撃の面ではあるが、後ろの選手からすれば前からしっかりと守備意識を高く持って守備してくれる選手はすごく助かる。
それはジダンも同じことを考えていると思う。
守備ができるアタッカーほど助かるものはない。
ウーゴ・ドゥロはそういうアタッカーなのだ。
ウイングもできるポリバレント性
そしてウーゴ・ドゥロを語る上で欠かせないのがウイングもできるポリバレント性だ。
ウーゴ・ドゥロはセンターフォワードとして前線の中央でプレーするイメージを持つ方も多いとは思うが、センタフォワードだけでなくウイングもやれる選手。
ウイングの選手に求められるのは攻撃であればサイドを切り裂く、クロスを上げる、切り込んでシュートを打つ、など色々あるがウーゴ・ドゥロはそれをしっかりこなすことができる。
左足での独特なリズムのドリブルと同時にスピードもある選手。
しかもこう見えてドリブルスキルもそれなりのものを持っている。
基本的に味方との連携で崩していくタイプの選手なだけに近くに味方がいる方が脅威となる可能性は高いが、推進力もある選手なのでウイングで起用されているウーゴ・ドゥロもなかなか面白い。
そして何よりウーゴ・ドゥロをウイングで起用することのメリットは守備だろう。
先ほども書いたように守備意識が高いので相手のサイドバックを自由にさせるようなことはしない。
ヘタフェ時代はウイングで使われることも多く、守備のタスクをしっかりとこなしている。
対人プレーもそれなりに強い印象だ。
このように攻撃的なポジションであればどこでも適応することができるポリバレント性がウーゴ・ドゥロの魅力の一つだ。
ウーゴ・ドゥロはまだまだこれから成長する選手
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ラ・リーガの舞台をすでに経験してからレアル・マドリードのカスティージャに加入したウーゴ・ドゥロ。
ヘタフェからのレンタル移籍ではあるものの、トップチーム所属の選手が負傷したことによりチームを助ける為に召集された選手だ。
そんなウーゴ・ドゥロのプレースタイルや魅力はジダンの頭の中にしっかりと刻まれていることだろう。
- スペースを見つける上手さ
- 決定力
- ヘディングの強さ
- 駆け引きの上手さ
- 守備意識の高さ
- ポリバレント性
若干21歳ではあるものの既にラ・リーガの舞台でゴールも決めているウーゴ・ドゥロ。
小さな頃から所属してきたヘタフェを離れて同じマドリード州のチーム、レアル・マドリードに移籍をするというのは中々の覚悟があったと思う。
しかもプレーする舞台を落としてカスティージャに入団するのは簡単な判断ではなかっただろう。
それくらい、レアル・マドリードのトップチームへの意気込みは並々ならぬものを持っていると思う。
加入当初は才能は認められていながら、ベンゼマ、アザール、アセンシオ、ヴィニシウス、ロドリゴなど選手たちの厚い壁に阻まれるのでトップチームデビューは中々難しいのではないかと言われていた。
しかし、今回巡ってきた奇跡のようなチャンス。
こんなに怪我人が出るなんてファンどころかメディアも、監督自身も思っていなかったことだろう。
そんな中でいかにこのチャンスを活かせるかはウーゴ・ドゥロ次第。
しっかりとトレーニングや試合でジダンにアピールして限られた出場時間の中でインパクトを残せるかが今後の鍵となるだろう。
ファンたちの間では、ウーゴ・ドゥロを完全移籍で獲得すべきだ、との声も上がっているほど期待されている選手。
プレーの一貫性の部分や正確性の部分で課題はあるとは思うものの、まだまだこれから成長していくだろう。
しかもトップレベルの選手たちの中で経験を積んで、得点力という部分にもっと磨きをかけることができれば面白い選手になるかもしれない。
他チームから大物の選手が来て、ひょこっとスタメンを勝ち取るのがレアル・マドリードのようなチームではあるがウーゴ・ドゥロには今回のチャンスを生かしてしっかりとトップチームに残ってほしいものだ。
ってことで今回はここまで。
Hala Madrid!!!