我らがレアル・マドリードが夏にチームの大改革を行うと言われている。
ここ最近は特に大きな補強はなく、チームも苦しい戦いを強いられている今季の状況を見れば必要だろう。
そしてコロナ禍ということもあり資金繰りが難しいと言われている中、我らがエル・ブランコが多額の資金を投じようとしていると噂の選手がいる。
それが現在ドルトムントに所属しているストライカー、アーリング・ハーランドだ。
若干20歳でありながらすでに大物のような存在感を放つハーランドはドイツでも得点を量産中。
得点源であるベンゼマが移籍するかもしれないと言われているチームに必要な新たなセンターフォワード候補だ。
ということで今回はレアル・マドリードに移籍する噂があるアーリング・ハーランドのプロフィールやプレースタイルについてとことん解説していく。
アーリング・ハーランドのプロフィール
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本名 | アーリング・ブラウト・ハーランド(Erling Braut Håland) |
国籍 | ノルウェー |
生年月日 | 2000年7月21日(20歳) |
身長 | 194cm |
体重 | 88kg |
利き足 | 左 |
ポジション | FW |
背番号 | クラブ:9/代表:9 |
着用スパイク | Nike Mercurial Vapor 14 |
経歴 | ブリンFKユース(2006-2016)/ブリンFK(2016)/モルデFK(2017-2018)/レッドブル・ザルツブルグ(2019)/ボルシア・ドルトムント(2020-) |
若手1番の注目選手とも言われている新怪物ストライカー、アーリング・ハーランド。
レアル・マドリードだけでなく他のビッグクラブも獲得を狙っている将来のスター候補だ。
そんなハーランドが生まれたのはイングランドのリーズ。
ノルウェー代表としてプレーしているハーランドだが実は生まれたのはイングランドなのだ。
というのも父親は元々リーズやマンチェスターシティなどで活躍した元サッカー選手のアルフ・インゲ・ハーランド。
少し話は逸れるが、父親アルフの有名な話がある。
アルフがリーズに所属していた頃にマンチェスターUのキャプテンだったロイ・キーンにファール覚悟でタックルし前十字靭帯を損傷させてしまった。
その怪我によりキーンは復帰にかなりの時間を要した。
そして、ハーランドがマンチェスターシティに移籍した後のマンチェスターダービーで今度はキーンに激しくタックルされて左膝を負傷。
その後は何度も復帰を試みたが膝の怪我は良くなることはなく2003年に現役を引退した。
プレミアリーグでロイ・キーンとバチバチやり合ってた選手が父親なのだ。
とまぁ、そんなわけでハーランドの生まれはイングランドのリーズではあるが、父親がマンチェスターシティを退団した後にノルウェーに移住し育ったのはノルウェーのブリン。
幼少期からエネルギッシュだったハーランドは友人たちとサッカーを含め、ゴルフ、ハンドボール、陸上など色んなスポーツに興味を持つ子供だったようだ。
そんなハーランドがサッカーのキャリアをスタートさせたのは6歳の頃。
サッカーに専念することを決意すると地元のサッカークラブ、ブリン・フットボールクラブ(ブリンFK)に加入し、トップレベルのサッカー選手になることを夢みた。
「ハーランドは必要なことはなんでもやるという選手だった。」というのは当時のブリンFKのユースを指揮していたアルフ・イングヴェ・ベルンセン。
ハーランドにとって睡眠が一番大事だった、ということでパーティに参加するようなことはなかったという。
そんなハーランドをアルフは1年半年上のカテゴリーに加え、より高いレベルでプレーさせるようにした。
若くしてトッププロのような振る舞いを見せていたというハーランドは2015-16シーズンに14試合18得点と大暴れ。
当時は4部所属のセカンドチームではあったが、それでも若者が見せた衝撃は大きく、2016年に若干15歳でブリンFKのトップチームに昇格。
しかしトップチームでは16試合に出場するも得点を挙げることはできず、その原因がまだ体が出来上がってないというフィジカル的な問題だったという。
今のハーランドの体格を見たらそんな時代もあったのかって感じになってしまう。
在籍中にはドイツのホッフェンハイムのトライアルに参加したそうだが、クラブはハーランドを落第させた。
今頃ホッフェンハイムのトライアルを実行した人は立場が危ういかもしれない。
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2017年2月1日に、同じくノルウェーのモルデFKに移籍したハーランド。
直後のカップ戦で移籍後初出場初ゴールを決めて勝利に貢献すると、ノルウェーの最高峰リーグ、エリテセリエンでもデビュー。
途中交代で入って1分でイエローカードをもらうというまさかの展開もあったがゴールもしっかり記録。
ちなみにこのモルデを率いていたのは、現在マンチェスター・ユナイテッドで指揮しているスールシャール。
輝かしい経歴を持つノルウェー人指揮官はハーランドにゴールを取るためのテクニックを指導した。
そして、ハーランドが規格外の選手であることを理解し、ルールにも拘らず結果にもこだわらない姿勢を貫いたという。
その結果が、自身の成長欲にも繋がり、リラックスした状態で自分のプレーにこだわり、より自分で結果を求めるようになったのだろう。
2018年にはマンチェスター・ユナイテッドのスカウトマンの前で前半21分で4得点を記録。
当時無敗だったブランからアウェーでの勝利を掴んで見せた。
この試合の後、スールシャールはいくつかのビッグオファーを断っていることを明かし、彼のプレースタイルとベルギー代表のロメル・ルカクと比較した。
ハーランド自身もビッグクラブへの移籍は望んでおらず、ユベントスやレヴァークーゼンなどへの移籍は拒否。
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そして、ハーランドは2018年にレッドブル・ザルツブルグと2019年1月からの5年契約で加入することになった。
加入後半年はたった2試合の出場になったが、ジェシー・マーシュが監督に就任すると状況は一変。
アジリティに優れた攻撃的選手を多く起用していたマルコ・ローゼ監督とは違い、主力選手としてハーランドは起用されるようになった。
そしてシーズン開幕からハーランドはピッチ上で爆発する。
2019-2020シーズンの開幕4試合で6得点、2019年のUEFAチャンピオンズリーグ、ヘンク戦ではハットトリックを記録し、チャンピオンズリーグ史上3番目に若い19歳58日という記録を打ち立てた。
我らが日本代表の南野拓実らと強烈なインパクトを残したザルツブルグ。
その後、南野はリヴァプールへの移籍が決まったが、同じく世界に名を広げたハーランド。
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世界にハーランドという名前が完全に知り渡った頃の2019年12月にはボルシア・ドルトムントへの移籍が発表。
冬の移籍市場ということで4年半契約で移籍金は2200万ユーロだった。
2020年1月18日には早速アウクスブルク戦で途中出場しデヴューを飾ると、その試合でハットトリックを決めてしまう。
デビュー戦でハットトリックを決めるのは史上7人目、途中出場でのデビュー戦ハットトリックは史上初の記録だ。
この時世界はとんでもない選手が現れたとサッカーファンみんなが思ったに違いない。
注目されて移籍して速攻で結果を残す選手というイメージだろう。
ちなみにデビュー戦後の2試合目も途中から出場し2ゴールを記録。
2試合目で5ゴールを決めたのも初めての記録であり、かつパコ・アルカセルが持っていた72分間での5ゴール記録を大きく上回る56分間での史上最速記録となった。
次の試合でも2得点を決めて3試合連続ゴールを達成した時は、クリロナメッシの次はハーランドか、と確信したのを覚えている。
UEFAチャンピオンズリーグという最高峰の戦いでもその勢いは止まらず、PSG戦で2ゴールを挙げて瞑想パフォーマンスを披露。
そのパフォーマンスも話題になったが、何よりも大会史上最年少でのチャンピオンズリーグ二桁ゴールを達成。
19歳と212日という記録だった。
メッシも、クリロナも、ネイマールも成し遂げていない快挙だ。
結果2019-2020シーズンは
- ザルツブルグで公式戦22試合出場28ゴール5アシスト
- ドルトムントで公式戦18試合出場16ゴール2アシスト
を記録。
2020-21シーズンにはU-21世代で印象的なプレーをした選手に贈られるゴールデンボーイ賞を受賞したり、チャンピオンズリーグで史上最速で15得点を決めるなどノリに乗っているハーランド。
執筆時点(2021/3/5時点)でドルトムントで公式戦27試合に出場し27ゴールを記録している。
異常な得点率が見て取れるだろう。
ハーランドは各年代のノルウェー代表にも選ばれているが、2020-21シーズンのUEFAネーションズリーグでは4試合で6ゴールを記録している。
代表戦でも彼の得点力は健在だ。
ハーランドを有名にした話の一つに、2019年FIFAU-20ワールドカップでU-20ホンジュラス代表から9ゴールを記録したというものがある。
試合は12-0で勝っているが、そのスコアも史上初の記録だが、一人が9得点も史上初だ。
とんでもない記録を作り上げ続けているハーランドはすでに伝説級の選手になっているのかもしれない。
得点力不足が騒がれているレアル・マドリードが多額の資金を用意してまでして欲しいのもかなり頷ける。
スールシャールが監督を務めているマンチェスター・ユナイテッドも獲得を狙っているということで、愛弟子とプレミアの舞台で!って夢物語もあり得そうだが、本人はマドリード行きを希望している…だろう。
アーリング・ハーランドのプレースタイル
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憧れの選手にはズラタン・イブラヒモビッチを挙げているノルウェー代表のストライカー、アーリング・ハーランド。
ここまで考えられないようなペースで得点を量産している選手だ。
ハーランドがいかに怪物級の選手かというのが分かったとは思うが、彼の何がそんなにすごいのか。
レアル・マドリードに移籍する可能性があるのであれば是非とも把握しておきたいのではないだろうか。
という事で、ここからはアーリング・ハーランドのプレースタイルや特徴について書いていく。
僕が思うハーランドを語る上で欠かせないポイントは以下の通りだ。
- ゴール前での落ち着きと決定力
- 抜群のポジショニングセンス
- スピードとアジリティ
それではひとつずつ解説していく。
ゴール前での落ち着きと決定力
まずハーランドを語る上で欠かせないポイントは、ゴール前での落ち着きが尋常じゃないということ。
ハーランドが得点を量産できる要因はこの落ち着きがあるからだ。
つまり、決定力の高さはもちろん魅力ではあるが、決定力が高いのはゴール前での落ち着きが異常だからだということを言いたい。
ベテランかと思うほどだ。
ハーランドはまず、高いシュート精度を誇っている。
エリア内であろうが、エリア外であろうがゴールの隅にしっかり蹴り分けられる技術があるのだ。
特に利き足の左足は強烈なシュートを正確に打ち込む。
精度の高い強烈なシュートを蹴り分ける技術もそうなのだが、相手GKの位置をしっかり見る事ができる落ち着きこそが本当に素晴らしい。
彼の中でだけ時間が止まっているのかも?とそう思わせるくらい落ち着いたフィニッシュを見せてくれる。
もちろん、相手GKだってプロだ。
色々フェイントをかけたりして揺さぶってくるが、ハーランドはそれをものともしない。
1vs1のシーンではその落ち着きが顕著に現れる。
相手GKの左右下、左右上、股下などGKとの駆け引きをほとんどと言っていいほど制してネットを揺らす。
ハーランドの前にスペースが出来てしまったら相手は失点すると思ってもらっていいだろう。
レアル・マドリードでもその得点力を是非とも生かしてもらいたい。
うちにはパスを出せる選手はいる。
ハーランド様が欲しい場所にピンポイントでパスを通すだけで点が入るイメージは出来ている。
抜群のポジショニングセンス
そしてハーランドを語る上で欠かせないポイントが抜群のポジショニングセンスだ。
これはハーランドの決定力に大いに関係している。
先ほども言ったがハーランドはゴールを取るために相手DFやGKとの駆け引きを繰り返している。
ハーランドが簡単にゴールを決めてしまうのは正確なシュートを打てる技術だけでなく、自分が有利なポジションでシュートを打てるように相手との駆け引きに勝っているから。
その為、クロスボールが上がってくるシチュエーションでは相手より先に触りワンタッチで決めるシーンが非常に多い。
例えば、ボールがサイドで動いてる状況では走りもせず歩いているのだが、クロスが上がるタイミングで急にファーサイドに走りこむ。
そしてマーカーがハーランドをケアした瞬間に急に方向転換をしてニアサイドに走り込む。
フォワードとしては基本の動きではあるが、この駆け引きとポジショニングを取るタイミングが抜群なのだ。
そして、ハーランドの魅力はオフ・ザ・ボールの質が高いということ。
ハーランドは味方ともしっかり連携する事ができる選手で、味方にパスを出した後もスペースに走ったり、自分のシュートを打ちたいポジションにしっかりと走り込む。
その為、味方も攻撃の選択肢が増えるので相手DFからしたらかなり厄介なはずだ。
後述するがそのオフ・ザ・ボールの動きで相手の背後をとるシーンもよくみる。
決定力が高いハーランドだが、ただシュートを打っているだけではなく、抜群のポジショニングセンスとオフ・ザ・ボールを身に付けているからこそであることを忘れてはならない。
おそらく、ポジショニングの良さでゴールを量産したスールシャール監督に教えてもらったのだろう。
知らんけど。
とにかく、ハーランドはパワー系に見られがちだが、相手との駆け引きを繰り返してより良いポジショニングを取るという繊細さがハーランドの強みでもあり魅力なのだ。
スピードとアジリティ
そして最後に忘れてはならないのが、ハーランドはスピードがある選手だということだ。
ハーランドは194cmと大柄な選手だ。
これは勝手な偏見なのかもしれないが、体が大きなサッカー選手はスピードがないというイメージはないだろうか?
強靭なフィジカルを持っていてシュートセンスとポジショニングセンスを持ち合わせていて、尚且つスピードがある。
それがハーランドの魅力だ。
先ほど、相手との駆け引きを制してより良いポジショニングを取る選手という説明をしたが、相手の裏のスペースへ抜群のタイミングで飛び出すシーンはハーランドの十八番と言ってもいいだろう。
相手の背後を仕留めるのが非常にうまく、それでいてスピードがあるので一度背後を取られたら簡単に追いつくことはできないだろう。
そして何よりアジリティ(敏捷性)も素晴らしい。
ザルツブルグ時代にアジリティがない選手を起用しなかった監督がいたという話をプロフィールの部分で書いたが、ハーランドは相手よりも俊敏に動ける脚力を持っている。
こぼれ球やセカンドボールへの反応も非常に早く、相手よりも先にボールとの間に巨体を入れる。
その為、つま先でチョン!と触って決めるゴールなんかも多い選手だ。
つまりハーランドは、駆け引きを制し相手の背後をとればスピードを生かしてドリブルで進みGKとの1vs1を制す。
そして、オフ・ザ・ボールの質もポジショニングも良いだけでなく、それにアジリティも加わって味方からのパスに相手より早く反応できる。
ストライカーとして持っていないものはないと言っても過言ではない。
先ほども書いたが、我らがレアル・マドリードにはハーランドがしたいことをドルトムントの選手達よりも高いレベルでできる選手が在籍している、と思う。
エル・ブランコでキャリアの全盛期を迎えて銀河系の歴史に名を刻んで欲しいものだ。
ハーランドが世界に名を刻んだザルツブルグ時代のゴール集をどうぞ。痺れるよ。
得点力不足のマドリーに必要なストライカー
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若くして世界を驚かす得点力を見せ今後ブレイクするストライカーになるであろうアーリング・ハーランド。
クリロナがレアルから退団してから得点力不足と言われているエル・ブランコだが、なんとかベンゼマがこれまで頑張ってきたようなところがある。
しかしそのベンゼマが今夏で退団する可能性があると報じられている。
となると、レアル・マドリードに必要となってくるのはハーランドのような理想のセンターフォワードだ。
- 高い決定力
- ゴール前での落ち着き
- 高いシュート精度
- 抜群のポジショニングセンス
- 駆け引きの上手さ
- オフ・ザ・ボールの質の高さ
- 味方との連携もできる
- 抜群のスピードとアジリティ
ハーランドは20歳にしてすでにフォワードとして必要なものをほとんど持っている選手。
特にボックス付近での働きぶりは感動すら覚えるほど。
味方のパスが少々ズレても、しっかりと合わせて決め切る事ができるのは足元の技術力の高さの表れ。
高い身体能力もあるとは思うが、どんな体勢でもゴールを陥れる技術はトップクラスだろう。
そして、もう1つレアル・マドリードに移籍してほしい理由が、守備でも貢献できる選手ということ。
ジダンが前から攻撃の選手でもしっかりと守備ができる選手を好んで起用してきている。
バスケスやアセンシオなんかがいい例だろう。
ハーランドは前線から守備も献身的にこなせる選手で、最終ラインで相手が回していれば積極的にチェイシングする。
個性が強くなりがちなレアル・マドリードで、ゴールだけでなくチームに貢献する事ができる選手をジダンが欲しくないわけがない。
もちろん、これからも細かい部分の質を高めどんどん選手としてレベルアップしていくだろう。
その中でレアル・マドリードという最高のクラブに加入してもらえれば最高の施設で最高のトレーニングを積む事ができる。
課題という面ではポストプレーをもっと安定させることだろうか。
現在はその強靭なフィジカルで相手を押し込めることもできているが、高いレベルになればそれだけではうまくいかないだろう。
しっかりとボールを収める事ができるようになればもっともっと脅威的な選手になる。
そしてそれがレアル・マドリードであって欲しいなっていうのが我々の望み。
マドリーの守備陣も簡単には負けないで欲しいが、かなり手強い存在ということで絶対に敵にしたくない選手だ。
強くて高さがあって巧くて速いアーリング・ハーランド。
マドリードで待ってるぞ。
Hala Madrid!!