2020-2021シーズンを無冠で終えた我らがレアル・マドリード。
シーズン終了直後から来季のスカッドがどうなるのか、新加入選手はいるのかなどと注目されている。
そんな中で言われているのが、レンタル移籍をしている選手が戻ってくるのかどうかということ。
優秀な選手でありながら出場機会を求めて出て行った我らがレアル・マドリードの選手達は何人かいるが、その中で来季の構想に入っていると言われている選手がいる。
それがダニ・セバージョスだ。
2019年からイングランドの名門アーセナルにレンタル移籍で加入すると主力として2シーズンをプレー。
そのセバージョスが来季からマドリーに戻ってくると言われている。
ということで今回は、イニエスタの後継者とも言われているダニ・セバージョスのプレースタイルや特徴について書いていく。
ダニ・セバージョスのプロフィール
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本名 | ダニエル・セバージョス・フェルナンデス(Daniel Ceballos Fernández) |
国籍 | スペイン |
生年月日 | 1996年8月7日(24歳) |
身長 | 176cm |
体重 | 65kg |
利き足 | 右 |
ポジション | MF |
背番号 | クラブ:8/代表:- |
着用スパイク | Nike Phantom GT Elite DF |
経歴 | ベティス(2014-2017)/レアル・マドリード(2017-)/アーセナル(レンタル2019-2021) |
レアル・マドリード加入時にペレス会長から「クラブの将来を担う選手になる」とも言われていたダニ・セバージョス。
加入後はジダンの信頼を勝ち取る事ができずにアーセナルへとレンタル移籍することとなった。
ジダンが退任し新シーズンを迎えようとしているレアル・マドリードはセバージョスをアーセナルからレンタルバックさせて新チームの構想に入れるのではないかと言われている。
サッカーを始めたきっかけは憧れの地元のアイドル
そんなセバージョスは闘牛発祥の地とも言われているスペインのセビージャ県ウトレラという小さな村で生まれた。
彼は妹と一緒に育ち、幼少期はとても落ち着いている少年だったんだとか。
セバージョスのアイドルは、アーセナルやセビージャ、そしてレアル・マドリードにも在籍したことのあるホセ・アントニオ・レジェスだったそうだ。
実はこのレジェスもウトレラ出身のサッカー選手で、レジェスを夢見たセバージョスがサッカーにハマらない理由はなかった。
セバージョスが7歳の時、レジェスが所属していたアーセナルは無類の強さを誇っていた。
なんと無敗で2002-2003シーズンのプレミアリーグを制覇したのだ。
セバージョスはこの偉業を見て「サッカー選手になりたい!」と思うようになったそうだ。
家族と一緒にリビングでボールを蹴ったり、ウトレラの公園や野原でもボールを蹴っていた。
巡ってきた喜びと突き付けられた悲しみ
セバージョスは才能を開花するまでが早かったタイプの選手。
なんとスペインのトップクラブ、セビージャ・アカデミーのトライアウトに招集されたのだ。
それだけでも家族の全員が喜びを隠せなかったのだが、セバージョスは8歳でセビージャのトライアウトに合格。
しかし、当時8歳の少年はユースに入ってサッカーをするのは楽しいが、他の子と同じように誕生日パーティを行ったり、パーティに行けなかったりなどの色々な犠牲を払う必要があった。
それでもセバージョスは「サッカー選手になりたい」という夢を実現するために確固たる決意を持っていたそうだ。
そしてトップチームに食い込むという野心もずっと持ち続けていたという。
しかし、そんなセバージョスに神様は大きな壁を突きつける。
なんと2009年にセバージョスは慢性的な気管支炎と診断され、セビージャ・アカデミーは彼のここでのキャリアを終わらせる決断をしたのだ。
心臓に近い気管支が傷つき炎症を起こしており、大量の粘液を分泌されていてセバージョスは呼吸困難になったり咳が止まらなかったりしたそう。
これによりサッカーのキャリアはほぼ終わりかけてしまったわけだが、家族は自分で健康管理を行えるようにセバージョスをサポートをして、治療を続けながらであれば地元のCDウトレラでサッカーを続ける事を許可した。
レアル・ベティスでの台頭
そして2011年、セバージョスの状態は非常に良くなり、レアル・ベティスと契約。
ユース時代をベティスで過ごす事を決断したのだ。
トップチームに食い込むという夢や目標はこの時も確固たる意思を持っており、ユース年代でありながら2014年にはベティスとプロ契約を交わした。
そして2014年の17歳の時にトップチームデビューを果たすも、チームは降格してしまう。
その次のシーズンでは2部の舞台ではあるも、背番号10を背負い、チームを牽引。
リーグ戦33試合に出場し5ゴールという記録を残し、2部での優勝の立役者となり1年でラ・リーガ1部に復帰した。
ベティスで着々と実力をつけていたセバージョスは1部でもその存在感を発揮。
2015-2016シーズンも公式戦全38試合に出場、2016-2017シーズンは31試合に出場し2得点2アシストの記録を残すなどベティスの中心選手として申し分ない活躍を見せた。
移籍市場でのクラシコと呼ばれた争奪戦
そんな若くしてチームを牽引しているセバージョスにトップクラブが目をつけないわけがない。
数々のチームがセバージョスの獲得を望んでいたが、最終的には我らがレアル・マドリードがバルセロナとの争奪戦を制して獲得を発表。
契約期間は6年で、移籍金は公表はされていないそうだ。
ただ噂によると、1700万ユーロ(約21億7600万円)と言われている。
インサイドハーフを主戦場とするセバージョスとポジション争いをするのは、ルカ・モドリッチやトニ・クロースなどの世界トップクラスの選手ばかり。
ジダンの元で誰もがその才能を開花させると思われていたが、ジダンが選択したのは新戦力の若いセバージョスではなくモドリッチやクロースなどのベテラン組。
その後もチーム内での序列は低く、マドリーの監督が数回変わってしまうゴタゴタにも巻き込まれながらも、結局ジダンが再就任すると最後まで信頼を勝ち取る事ができず、出場機会を求めてアーセナルへ移籍することとなった。
レジェスも所属したアーセナルへのレンタル移籍
アーセナルへ移籍する前には、自身のアイドルでもあったレジェスの父親にアーセナルに移籍すべきかどうか直接話を聞いたんだとか。
するとレジェスの父親は「アーセナルは素晴らしいクラブだから考え直す必要はない」と息子が素晴らしい時間を過ごしたことを強調してくれたんだそうだ。
セバージョスは憧れのアイドルと同じアーセナルのユニフォームに袖を通す事に感動するとともに、クラブの手助けになりたいとも発言している。
アーセナルでの背番号は8番。
中盤で絶大な存在感を残していたアーロン・ラムジーがつけていた番号でもあり(ラムジーは2019年にユベントスへ移籍)、ラムジーの後釜とまで言われるほど高い評価を受けて加入している。
アーセナルでの初戦となった試合では2アシストを記録してMOMを獲得するなど、当初は怪我で苦しんだものの復帰後はコンスタントに出場機会を得るようになりアーセナルの中心選手として活躍。
アーセナルに所属して1年目は公式戦全37試合に出場し2ゴール2アシストという記録を残した。
レンタル期間を終了し一旦はレアル・マドリードに戻るも、本人の強い希望もあり、レンタル期間を延長。
もう1年アーセナルでプレーすることになると、前年のプレーでアルテタ監督の信頼を完全に掴んでおりレンタル2年目も40試合に出場しアシスト3つを記録している。
ここまで定位置を掴むと誰もがアーセナルに買い取りされてしまうのではないかと思ってしまうが、マドリーは将来性を見越してなのか買い取りオプションは付与しておらず、セバージョス本人も将来はマドリーのシャツを着てプレーすることを望んでいるという。
つまりレアル・マドリードがセバージョスを売却しない限り、セバージョスの中にはマドリーでプレーすることを夢見ているのだろう。
ダニ・セバージョスのプレースタイル
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スペインの逸材と言われながらもレアル・マドリードでは不遇の時期を過ごしたダニ・セバージョス。
出場機会を求めたアーセナルでは中盤で絶大な存在感を発揮した。
そんなセバージョスは何が逸材と言われているのか。
ということで、ここからはダニ・セバージョスのプレースタイルや特徴について書いていく。
セバージョスはイニエスタやセスクの後継者とも言われている。
いわゆる10番や8番タイプのプレイヤーといえば分かりやすいかもしれない。
それでは僕が思うセバージョスを語る上で欠かせないポイントは以下の通り。
- ボールコントロールを生かしたドリブル
- パスセンスの高さ
- 強烈なシュート
それでは一つずつ解説していこう。
ボールコントロールを生かしたドリブル
まずセバージョスのプレースタイルを語る上で欠かせないのが巧みなボールコントロールだ。
セバージョスは足元の技術が非常に高い。
いかにもスペインのテクニシャンと言われるようなプレイヤーだ。
主戦場をインサイドハーフとするセバージョスはボールを受けると、そのボールコントロールを生かしてトラップで相手を剥がしたり、フェイクを入れて相手の逆をとるようなプレーをする。
そしてセバージョスといえばその技術を生かしたドリブルだろう。
誰もがパスをすると思った瞬間に切り返して相手を簡単に剥がして前に運んだり、ボールを触るフリをして触らずに前を向いたりと中盤で相手を簡単に交わしてチャンスメイクをする。
これがイニエスタやセスクの後継者と言われる理由なのだろう。
また、セバージョスがボールを持つと、そう簡単にはボールを取られることは無い。
このボールキープ力もセバージョスの特徴の1つと言えるだろう。
ボールを持った時の創造性は「スペインの逸材」「天才肌」と言われるだけあって、相手が予想できないプレーで相手を翻弄するタイプの選手だ。
そういったコントロール力を生かしたプレーをしながら顔をしっかり上げてプレーする為、相手にとって非常に掴みにくい選手。
それゆえの視野の広さも抜群なので、味方と細かいパスを繋ぎながら相手DFの出方を伺い、いざ!という時にドリブルで切り込んで行ったり、華麗なプレーで相手を置き去りにする。
味方を使うのも上手い選手ではあるが、一人でもどんどん前に行ける推進力もある選手なのでエリア付近でボールを持たせると最も怖い存在になる。
そしてセバージョスは相手との接触を避けながらもキープ出来る力があるが故なのか、ファールを受ける回数が多い選手でも有名。
要は、ファールしないと止められない選手であるということだ。
個人的には、現在レアル・マドリードに所属しているイスコにも似てる部分があると感じている。
ボールを持った時の相手をいなすようなプレー選択や推進力のあるドリブルこそがセバージョスのプレースタイルでもあり魅力の1つだ。
パスセンスの高さ
そしてセバージョスを語る上で欠かせないポイントの1つにパスセンスの高さというのが挙げられる。
先ほども言った通り、セバージョスは足元の技術に秀でた選手であるが故にドリブルやコントロールに注目されがちだが、彼はパスも出せる選手だ。
イニエスタの後継者って言われるくらいの選手であることを思い出してもらえれば想像がつくかもしれない。
セバージョスは常にルックアップした状態でプレーする事ができる為、視野も広い。
その為、近くの選手だけでなく遠くにいる選手もしっかりと確認できており、そこにパスを出すことも得意としている。
特に個人的にはロングパスの精度の高さは目を見張るものがあると感じている。
中盤でボールを受けると持ち前のテクニックで相手を簡単に剥がし、遠いサイドでフリーになっている選手に正確に展開する。
インサイドハーフを務める選手としては必要不可欠な技術ではあるが、セバージョスはそれを高水準でクリアしている。
また、相手が予想しないタイミングでの縦パスのタイミングも目を見張るものがある。
鋭いパスを入れる事ができるので一発で相手の裏をついたり、クサビのパスで相手の守備をパスで崩す事ができる。
ちなみにセバージョスはセットプレー時にキッカーを務めることもある。
それくらいキックには自信がある選手と言えるだろう。
強烈なシュート
セバージョスの魅力を語る上でシュートについて触れないわけにはいかないだろう。
セバージョスはボールコントロール力やパスが持ち味の選手ではあるが、強烈なミドルシュートを叩き込む事ができる豪快さも持ち合わせている。
そこがある意味イニエスタやセスクとは違う部分かもしれない。
インサイドハーフやボランチを主戦場としている選手ではあるが、セバージョスが一番生かされるエリアはバイタルエリアと呼ばれる部分。
先ほども言ったがエリア付近でセバージョスは最も力を発揮する。
その理由の1つが強烈なミドルシュートを持っているからなのだ。
セバージョスはパスセンスがあることからもわかるように、ボールをミートするのが上手い選手だ。
その為キックの精度が高い上に、インパクトのある強烈な弾道のシュートをお見舞いする事ができる。
特に無回転シュートのように不規則に変化するボールを叩き込むことも多くGK泣かせとも言えるだろう。
ボールを足元に入れさせたら何かしてくれそうな予感のある選手、それがダニ・セバージョスなのだ。
マドリーに復帰したら活躍できる?
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中盤でパスからシュートまでボールを操るプレースタイルからモドリッチと似てると言われることもあるダニ・セバージョス。
出てくる名前が全てトップクラスの選手であることからもセバージョスがどれほどの選手であるかは一目瞭然なのかもしれない。
- 優れたボールコントロール力
- 相手をいなす華麗なドリブル
- 簡単には取られないボールキープ力
- 長短のパスセンス
- 視野の広さ
- 強烈なミドルシュート力
このように、セバージョスの魅力はやはり攻撃の部分にあると思う。
彼がボールを持てば何か違いを生み出してくれる、そんな選手なのだ。
しかし、彼はインサイドハーフやボランチでプレーすると言ったように、守備を求められるポジションでもある。
守備が出来ないんじゃないの?って人もいるのではないだろうか。
安心して欲しい。
セバージョスはしっかりと守備もこなせる選手だ。
空中戦が得意というわけでは無いのが正直なところではあるが、対人の強さは光るものを持っていてタックルの成功率も高い選手。
相手が少しでもコントロールミスをしたらすぐにボールを狩れる選手で、ボールを奪った後も味方にボールを繋ぐ事ができるのも彼の特徴だろう。
やはりキープ力がある事が功を奏しているのか、相手とボールの間に体を入れるのも上手い。
パスコースを予測してカットするシーンもよく見られるので、守備のスタイルとしてはモドリッチをもっと激しくした感じで想像してもらえればいいだろう。
攻撃に関してはテクニック、パス、ドリブル、シュートを創造性豊かなプレーでこなし、守備もしっかりと出来るダニ・セバージョス。
ここまで言ったら完璧な選手なように見えるかもしれないが、彼にも欠点というべきか決定的な課題がある。
それが最後の精度が悪いということだ。
セバージョスはこれほどの技術を持っておきながら、最後の精度がなぜか安定しない。
ポジション柄シュートチャンスはそう多くはないとは思うが、それでもセバージョスほどの選手がシーズンを通して2ゴールとか2アシストしかできないのはやはり物足りない。
そうなってくると、マドリーの黄金の中盤と言われているモドリッチ、クロース、カゼミロはゴールやアシストで数字をしっかりと残せている為、セバージョスよりもベテラン3人を使いたくなる気持ちも分かる。
セバージョスは試合に出ればその才能を発揮し活躍することはできると思う。
2018-2019シーズンに行われたUEFAU-21欧州選手権で11試合6ゴール6アシストと大暴れして大会MVPを獲得したほどだ。
このように最後がしっかりとハマればMVP級の活躍をすることが出来る選手なのだ。
しかし、決定力だったりラストパスの精度をもっと磨く事ができなければマドリーでも試合に出ることは出来ないだろう。
マドリーの中盤にはバルベルデやカスティージャのブランコなど、まだまだ才能ある若手が存在している。
ただ、マドリーの中盤はモドリッチがもうすぐ36歳だし、クロースも30代だし、流石に高齢化が進んでいる為ローテーション要員としてもセバージョスのような存在は必要になってくるとは思う。
トレーニングからアピールを続けて、課題を克服する事ができればマドリーでもアーセナル同様にコンスタントな出場機会を得て、違いを作り出せる選手としてピッチに君臨することが出来るだろう。
いずれにしてもセバージョスはマドリーの将来を担う存在になるのかもしれない。
というか、ここまで書いておいて、マドリーに今季戻ってこなかったりして…笑
セバージョスはラ・リーガで見たいなぁ!!
ってことで…
Hala Madrid!!!