ジダンやロナウドなどトップタレントを擁していた時代のレアル・マドリードで不動の右サイドバックとして君臨していたミチェル・サルガド。
そのサルガドが現役最高の右サイドバックと認めているプレイヤーがいる。
それが現レアル・マドリードでスペイン代表でもあるダニ・カルバハルだ。
今のエル・ブランコにおいてこの28歳の貢献度は計り知れない。
カルバハルの何が世界トップクラスのサイドバックと言わしめているのか。
今回はそんなレアル不動の右サイドバックであるダニ・カルバハルのプレースタイルや特徴についてとことん解説していく。
ダニ・カルバハルのプロフィール
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本名 | ダニエル・カルバハル・ラモス(Daniel Carvajal Ramos) |
国籍 | スペイン |
生年月日 | 1992年1月11日(29歳) |
身長 | 173cm |
体重 | 73kg |
利き足 | 右 |
ポジション | DF(SB) |
背番号 | クラブ:2/代表:2 |
着用スパイク | Nike Phantom GT2 |
経歴 | レアル・マドリードB(2010-2012)/レヴァークーゼン(2012-2013)/レアル・マドリード(2013-) |
年俸 | €7,124,000(8億9762万4000円)/週給€137,000(1726万2000円) |
元ブラジル代表で最も完成された右サイドバックと言われていたカフーまでもその実力を認める存在にまでなっているダニ・カルバハル。
今やレアル・マドリードの右サイドは彼でなきゃ務まらないと思わせるほどカルバハルの存在は大きい。
物心ついた頃にはマドリーの虜だった幼少期
そんなカルバハルはスペインのレガネスという街で生まれ、まだ歩けない時に両親に連れられて我らがホームスタジアムでもあるサンティアゴ・ベルナベウに訪れた。
父親の肩の上でエル・ブランコの試合を観戦しスタジアムのみんなと同じようにゴールを祝ったカルバハルはそれがきっかけですぐにサッカーの虜になる。
それからはレアル・マドリードのファンになり、学校でも草むらでも友人と一緒にサッカーを楽しむようになりサッカーが趣味の1つになった。
物心がない時期に父親の肩の上で観戦し、それがリトル・カルバハルの記憶に焼き付き、それがきっかけで現代最高の右サイドバックを作ってしまうのだから、自分に子供ができた時にも何気ない思い出作りは侮れないなと感じる。
中心選手として活躍したカンテラ時代
そんなカルバハルのサッカーへの情熱は両親を突き動かし、レアル・マドリードの入団テストを受けさせることを決めさせた。
そして10歳の頃レアル・マドリードのユースチームに参加したカルバハルにとって忘れられない出来事がある。
我らがレアル・マドリードの英雄アルフレッド・ディ・ステファノからチームのベストプレイヤーとして賞賛を受けたのだ。
幼い頃から見てきたチームのレジェンド的存在でもあるあのディ・ステファノからの栄誉を得た彼は、その後もチームでみるみるうちに実力をつけていき2010年にはレアル・マドリードのカスティージャに昇格した。
昇格初年度からカルバハルはキャプテンに任命され、レギュラーとして活躍すると翌シーズンの2011-2012シーズンには2部昇格に大きく貢献した。
レンタル先で見せた大活躍の1年
下部組織でアシスト王になるなど見事な活躍を見せていたカルバハルだが、当時トップチームには当時のスペイン代表の右サイドバック、アルバロ・アルベロアがいた。
若干20歳だったカルバハルはトップチーム契約するまでにはいかず、そのままドイツブンデスリーガに所属するレヴァークーゼンにレンタル移籍。
しかしこのレンタル移籍の内容を見てみると、カルバハルがトップチームに昇格しても活躍できないから放出したわけではないことが分かる。
その契約内容は5年契約で移籍金は500万ユーロ、ただし最初の3年間は買い戻しオプション付きというもの。
買い戻しオプション付きでの移籍を認めたレアルはトップレベルで活躍した場合にすぐマドリードに呼び戻せるように手を打っていたと考えられる。
そしてカルバハルは移籍先で見事な活躍を見せる。
加入初年度からスタメンに定着すると公式戦32試合に出場しレヴァークーゼンの3位に導く大活躍。
2012-2013シーズンのドイツブンデスリーガにおけるベストイレブンに見事選出された。
マドリー不動の右サイドバックへの大きな一歩
そんな異国の地で活躍しているレアル・マドリードで育った有望な若手選手を黙って見ているわけもなく、レアル・マドリードはたった1年でカルバハルをチームに呼び戻すことを決意。
移籍金は650万ユーロで2013-2014シーズンからはトップチームに登録され、当時監督のカルロ・アンチェロッティに堅実な守備と豊富な運動量を買われたカルバハルは、1年前に牙城を崩せなかったアルベロアをベンチに追いやり見事スタメンに定着した。
加入初年度はリーグ戦カップ戦など全て含めて公式戦45試合に出場し、エル・ブランコのチャンピオンズリーグ10回目の優勝(最多優勝記録)にも貢献した。
翌2014-2015シーズンも公式戦全43試合に出場し、不動の右サイドバックとしての地位を確固たるものにすると、2020年6月30日まで契約延長オファーを受けた。
2015-2016シーズンにはディフェンダーとして最高額で加入したダニーロとのポジション争いなどもあり、これまでよりも出場機会は減ってしまった。
しかし、ダニーロの守備があまりにもザルだったことで、堅実な守備と豊富な運動量を誇るカルバハルがアンチェロッティ監督と後任となったジダン監督の信頼を再度得る事となり、結局右サイドバックとして公式戦30試合にカルバハルは出場した。
ダニーロには心底がっかりさせられたものだ。
僕は覚えている、チャンピオンズリーグでダニーロが出場した試合は全て負けていた事を。
少し脱線してしまったが、それくらいこのシーズンでは特にカルバハルの存在は大きく感じた。
ファンはカルバハルの復帰を心待ちにしている
2016-2017シーズンからは背番号をそれまでつけていた15番から2番に変更。
2017年には2022年6月30日までの契約延長にサインし、ダニーロがマドリードを離れ移籍したことで「クラブ史上最高の不動の右サイドバック」として称され、その地位はもっと確固たるものにしていた。
しかし、そんなスター街道を直走っていたカルバハルだが心膜炎という病気にかかってしまい、クラブ側から長期離脱の可能性があると発表された。
治療を続けたカルバハルはみんなが想像していたよりも早く練習に復帰し、慎重な調整後にマドリードダービーで復帰し、見事勝利を収めた。
そんなカルバハルは今も不動の右サイドバックとして公式戦で平均30試合以上は必ず出場しているが、今2020-2021シーズンは度重なる怪我もありなかなか試合に出場できていない。
実際、現在のレアル・マドリードの順位がチャンピオンズリーグ出場が危ぶまれるほどの成績であることを考えるとカルバハルの早期復活が求められる。
カルバハル、早く戻ってきてくれ。
カルバハルが使用中のスパイク【ナイキ ファントム GT エリート】
そんなカルバハルのプレーを支えているスパイクがファントムGTエリート。
このスパイクはシュート、パス、ドリブルなど「スキルを引き出せ」をコンセプトに作られたスパイクで、アッパーの表面に「ジェネラティブテクスチャー」と呼ばれる立体のテクスチャーを搭載することでそれぞれのスキルの動作中に適切なグリップを生み出している。
素材自体も足の形状に合わせて柔らかくしなやかなフィッティングを実現するので、ボールタッチの感覚として素足感覚を求めるプレイヤーに好まれるスパイクだ。
カルバハルは現代サッカーで最も重要とも言われているサイドバックの選手だが、グラウンダーも浮いたクロスボールも正確に味方に届けることができるボールの質で勝負するタイプの選手。
そして相手がサイドバックに激しくプレッシャーにくるという限られた時間で正確にプレーする必要があることからもこのスパイクを選んでいるのだろう。
ダニ・カルバハルのプレースタイル
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現役選手の中で世界最高の右サイドバックと評価されている我らがエル・ブランコの28歳、ダニエル・カルバハル。
彼がどれだけレアル・マドリードに貢献しているかは分かってくれたと思うが、彼の何がそんなにすごいのか。
彼のプレースタイルや特徴について書いていく。
僕が思う彼を語る上で欠かせないポイントは大きく分けて以下の通りだ。
- 正確なパス精度
- 豊富な運動量
- 対人に負けない強さ
それでは一つずつ書いていくとする。
正確なパス精度
まずカルバハルを語る上で欠かせないのが攻撃参加時の正確なパス精度だ。
先ほども少し書いたが、アシスト王になれてしまうくらいパス精度が非常に高い。
実はレアル・マドリードのトップチームに昇格してからも年にアシストを平均で5回は記録している。
しかも2016-2017シーズンのチャンピオンズリーグではチーム最多の5アシストを記録した。
レアル・マドリードという攻撃的な選手が多い中でのチーム最多アシストをディフェンダーが記録するというのはなかなかない。
というか、相手からしたらサイドバックも自由にボールを持たせてはいけないのかと思ってるに違いない。
かなり厄介だろう。
レアルのサイドバックにはマルセロやメンディなど中に切り込んでいける選手が多いが、カルバハルは中への切り込みより縦への推進力が素晴らしいタイプ。
縦に突破して深い位置からクロス、もしくは1枚剥がしてからクロスというサイドバックとしてはミチェル・サルガドを思わせるようなオーソドックスなプレースタイルだ。
言わずもがなレアル・マドリードの前線の選手は能力の高い選手が多いので、チャンスの状況でピンポイントでパスがくれば決めてくれる選手も多い。
GKから逃げていく回転のボールを駆使して、GKと相手ディフェンダーの間に入れる速いアーリークロス、速いグラウンダーのボール、ファーサイドへのシュートを打ちやすいボールなど様々な球種のクロスボールを相手陣地の右サイドから何本も入れる。
インサイドのボールだけでなく、アウトサイドキックも駆使して、ディフェンダーやキーパーが予想しないタイミングでサイドからボールを入れてくる。
同じチームにはアウトサイドキックを使いこなすモドリッチがいるがカルバハルも正直負けていない。
相手のポジショニングや人数、味方の位置などを咄嗟に把握して最高のタイミングで最高のパスを送れる、それがカルバハルだ。
豊富な運動量
そしてカルバハルを語る上で欠かせないのが豊富な運動量だ。
そもそもサイドバックというポジションは豊富な運動量が求められるポジション。
特に現代サッカーでは攻撃にも参加し、守備もしっかりやれる選手が求められる。
つまり、90分間上下動を繰り返す事が出来る選手がトップクラスのサイドバック。
そんな中、カルバハルはトップクラスのサイドバックの中でもトップクラスのスタミナを持つ選手だ。
先ほども言ったように攻撃にも参加できるアビリティーを持ちながら、守備時にはしっかり自分のポジションに戻ることができる。
同じサイドバックでは左サイドバックにマルセロがいるが、マルセロとは違うところは自分のポジションを絶対に空けないところだ。
もちろんマルセロが開けたスペースはラモスやヴァランがしっかりカバーしてくれるし、攻撃ではマルセロの攻撃センスで幾多ものチャンスを生み出している為、チームとしては成り立っているがディフェンダーとしてはカルバハルの方が安心して見てられる。
カルバハルの強靭なスタミナは本当に異常で、試合終盤になっても試合序盤かのようにゴリゴリにオーバーラップを仕掛ける。
カルバハルは自慢のスプリント力も活かして相手のディフェンスラインの裏まで走り込んでボールを受けることも多い。
試合終盤に相手陣地まで勢いよく走り込んで精度の高いパスを何本も供給されたら相手はたまったもんじゃない。
このランニングの質が良いところも彼の魅力の1つだろう。
そして、だからと言ってカルバハルが開けたスペースがカウンター時の穴になるわけでもない。
いや、サイドバックとして当たり前なのかもしれない。
当たり前なのかもしれないが、カルバハルのような攻撃も守備もしっかりやってくれるサイドバックがいるのはファンとしては見ていてとても心強い。
対人に負けない強さ
そしてカルバハルは対人に負けない強さをしっかりと兼ね備えている。
カルバハルは173cmと正直体が大きい方ではない。
しかし、カルバハルはかなりハードな守備をする。
タイプ的には背の小さなセルヒオ・ラモスといっても良いくらい、ガツン!と相手に体をぶつけていく。
右サイドバックは、相手の左ウイング、つまりネイマールやマネなどスピードのあるドリブラーが多いポジションと対峙する。
しかしカルバハルは持ち前のスプリント力を活かして激しく寄せ、相手に体をぶつけてボールを奪取。
サイドラインでの一対一はほとんど負けない。
これが本当にレアルは効いている。
ちなみに、なかなか振り切られる事がないのがカルバハルだが、仮にタイミング悪く縦に行かれたとしてもスピードで追いついてスライディングでクリアできる。
スライディングのタイミングのうまさも彼の魅力の1つだ。
そして、自分がクロスを上げるのが得意だからなのか、相手には中々クロスを上げさせない。
足に当てたり、パスコースを切ったりして中への供給を遮断することもカルバハルならではだろう。
同じくディフェンスのセルヒオ・ラモスが相手に食いついてどんどん攻める守備をするタイプということもあるが、カルバハルはその穴を埋めるカバーリングもできる選手。
どんなに激しい上下動を繰り返した試合でもカバーリングと対人の一対一の強さは90分間同じパフォーマンスレベルを発揮できる。
このサイドバックとしての総合力の高さ、質の高さというものがチームに安定感をもたらしているのは言うまでもないのだ。
敵にいて欲しくないサイドバックがカルバハル
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我らがレアル・マドリードの不動の右サイドバックとして君臨し、スペイン代表でも総合力の高さを見せているカルバハル。
髭のせいもあってか驚いてしまうだろうが、彼はまだ28歳と若い。
これからのエル・ブランコ、そしてスペイン代表の復権の鍵を握るのは彼かもしれない。
そんなカルバハルは相手の左サイドプレイヤーを精神的にも肉体的にも疲れさせるトップクラスのサイドバックだ。
- 精度の高いパスを供給
- 豊富な運動量で90分間上下動できる
- ランニングの質が高い
- 一対一の強さ
- 守備にも活きるスプリント力
- スライディングが上手い
- カバーリングもできる
サイドバックとして完璧すぎるといっても過言ではないくらい総合力が高い。
確かに背は小さめので高いボールで攻め込まれることもあるだろうが、我々にはヴァランとラモスという高さに強い味方がいる。
むしろ、このセンターバック二人はそこだけ補い合えば、あとは右サイドは彼に任せておけばいい。
それくらい守備に安定感のある選手だ。
まぁこれはラモスを見てるからというか、スペイン人だからなのかどうなのかは知らないが、カルバハルは気性がそれなりに荒い。
相手に食ってかかったり審判の判定に激しくリアクションすることも多い。
だが、裏を返せばハードに戦える選手ということでもある。
良い。
好きだ。
ただそんな中彼がやっているプレーは本当に冷静。
それがまた良い。
止める・蹴る・走るなどのシンプルなプレーの質が本当に高い選手、それがダニ・カルバハル。
カルバハルは今怪我をしているが、代役で出ている選手では正直不安でしょうがない。
今代役で出ているルーカス・バスケスの守備…
あれはなんだ。
早く怪我から復帰して右サイドから攻められる心配をするのを一刻も早くやめたい。
とにかく!
カルバハルは総合力が高いトップクラスのサイドバック。
そんなスペイン代表のカルバハルがエル・ブランコに控えているというだけでもファンとしては心強いことは間違いない。
ただ1つだけ言いたい。
お前インスタ惚気すぎだバカタレ。