レアル・マドリードにとっての2020-2021シーズンは散々だった。
負傷者が続出し、一時期はトップチーム所属メンバーが13人しかいない時もあった。
しかしそういう状況もあってか、新たな才能を発掘することができたのも事実。
それがカスティージャの面々だ。
正直シーズンを通してカスティージャの選手に助けられたと言っても過言ではない。
そして、彼らは新シーズンを迎えるにあたり、トップチームに昇格するのか、カスティージャに残留するのか、はたまた他のトップレベルのチームに移籍するのかと様々な選択肢を持っている。
そこで僕は思った。
来季レアル・マドリードのトップチームに昇格させる選手はいるのかどうかということ。
そして僕はカスティージャの選手をトップチームにあげるべきだと思っている。
ということで今回はカスティージャの選手をトップチームに上げるべき理由と来季トップチームに昇格させるべきカスティージャの選手について書いていく。
カスティージャの選手達を昇格させるべき理由
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まず最初になぜ僕がカスティージャの選手達を昇格させるべきだと思うのかについて書いていきたい。
理由はシンプルに3つ。
- 有望な才能の流出を防ぐ
- 金銭面の節約
- マドリディスモ
有望な才能の流出を防ぐ
我らがエル・ブランコは世界一と言っても過言ではないほどのカンテラ組織を有している。
レアル・マドリードのサッカー教育を小さい頃から叩き込み、世界から優秀な人材が集まってきている。
しかし、カスティージャを含めたカンテラからトップチームへ昇格する確率はなんと約4%とも言われている。
カスティージャからトップチームに昇格した例で言えば守備でユーティリティさを兼ね備えるナチョ・フェルナンデスが唯一の例。
ルーカス・バスケスやダニ・カルバハルなどは下部組織育ちではあるが、一度他のチームに出ているので出戻り組である。
それでも戻ってくるのであればまだいい。
優秀な才能を他チームへ流出させてしまってはもったいない。
例えば、優勝したアトレティコ・マドリードの立役者と言っても過言ではないマルコス・ジョレンテをはじめとして、フアン・マタ、アルバロ・モラタ、マルコス・アロンソ、セルヒオ・レギロンなど、サッカーファンであればほとんどが知っているようなビッグネームも実はマドリーの下部組織で育っている選手だったりする。
もちろん、クラブというのは移籍金などのお金で経営されていることも分かってはいるが、2020-2021シーズンのようになかなか勝てないようではしょうがない。
全員を昇格させろとは言わないが、有望な才能の流出を防ぐ為にもカスティージャの昇格率を少しでも上げて欲しいと思う。
金銭面の節約
そしてカスティージャを昇格させるべき理由として金銭面の節約も挙げたい。
レアル・マドリードというチームは比較的資金力に優れているチームではある。
しかし、昨今の新型コロナウイルス感染症の影響で無観客試合になるなど、これまで黒字が続いていた経営もなかなか利益を生み出せずにいる状況。
チームは減給を申し込む選手もいるなどチームの経済状況は楽ではない。
そんな中で新たな選手を獲得する為に大金を支払うとなれば経営状況はもっと苦しくなる。
そしてその選手を欲しいが為に有望なマドリーの選手数名を他チームへ放出するとなると、これまたなんか割りに合わない気がする。
我々マドリディスタからすれば最近高額な移籍金と給料を支払っていながら、チームに全く貢献してくれない選手がいることを知っている。
ア○ールやベ○ルなんかはいい例だろう。
実際、2020-2021シーズンを支えたのはベンゼマやモドリッチなどのベテラン勢はもちろんだが、バルベルデやバスケス、そしてカスティージャという「安月給」メンバー。
アザールは全く貢献していないし、ラモスでさえもピッチに立つ時間はかなり少なかった。
今ではビッグクラブからビッグネームを獲得する動きがあるが、その選手を獲得する為に今季活躍した選手を数名放出するとなると「それってどうなの??」って気持ちになってしまう。
それであれば、安い給料でもいいのでカスティージャから有望な選手を昇格させて長いプランで見て行った方が良いのではないかと思う。
いや優勝できないだろ!って人もいると思うが、こんだけ怪我人が出てほぼカスティージャメンバーで戦ってリーグ戦2位までいけたことを考えても、長い間世代交代が必要と言われているチームのことを思っても、カスティージャメンバーの昇格はメリットしかないとは思う。
マドリディスモ
そして最後に下部組織から育った選手達には、確実にマドリディスモが存在している。
マドリディスモというのは、レアル・マドリードの精神や概念、クラブ哲学を表した言葉。
簡単にいうと「マドリーの為に一生懸命働く」「マドリーへの忠誠心」と言った意味がある。
育成年代の小さな頃からマドリーの哲学を叩き込まれてきたカンテラ出身の選手には、マドリーの為に戦うという精神が芽生えている。
つまり、どんな状況でも最後まで諦めずにマドリーのために尽くしてくれる。
そして我々マドリディスタはそんな選手が大好きなのだ。
ここ最近でいえば、ナチョやバスケスなんかはそれが顕著に現れている選手だと思う。
マドリーのユニフォームで引退するのが夢とまで言えるような選手だ。
サポーターとしてもそんな選手を応援したいというのは当たり前だろう。
マドリディスモが芽生えている選手がトップチームにいればどんな時も応援したくなるチームであるに違いない。
昇格させるべきカスティージャの選手
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少し前置きが長くなってしまったが、結局のところ来季カスティージャからトップチームに昇格させるべき選手はいるのか?という話。
2020-2021シーズンでトップチームに出場したカスティージャの選手は以下の通りだ。
- セルヒオ・アリーバス
- ビクトル・チュスト
- ミゲル・グティエレス
- ウーゴ・ドゥロ
- マルビン・パク
- アントニオ・ブランコ
この6人は緊急で招集されているのにも関わらず、トップチームでの試合でしっかりと役割をこなし、メンタル面でも成熟していることを示した選手だと思う。
そんな選手達の中で僕がトップチームに昇格させるべきだと思う選手は
- ミゲル・グティエレス
- アントニオ・ブランコ
の2人だ。
ミゲル・グティエレス
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レアル・マドリードの左サイドバックにはこれまで不動として君臨してきたマルセロがいたが、フェルランド・メンディの加入以降はメンディは定位置を確保していた。
しかし、そのメンディとマルセロが負傷で離脱することが決まるとジダンはやむを得ない感じでミゲルを起用。
すると、そのまたとない機会でミゲルは自分自身のアピールに成功。
マルセロが復帰した後も、ジダンはミゲルを優先的に起用するようになった。
ミゲルはまだ19歳。
だが、プレーは19歳とは思えないほど冷静で賢くて頼もしい。
思わず「前からマドリーでプレーしてました?」って思ってしまうくらい安心して見ることができた。
正直言ってこの選手はかなり化けると思っている。
メンディが負傷から復帰してもミゲルを起用してもいいと思うくらい素晴らしい選手だ。
そんな選手はトップレベルの試合で起用する方がいい。
というのはあくまでも希望だが、ミゲルは左サイドバックだけでなく左ウイングバックもできるほど足元のある選手。
メンディは守備には定評があるが攻撃面では少し物足りない。
新監督として就任したアンチェロッティがどのようなシステムを基本にするのかはまだ分からないが、攻撃的に行くにしても守備的に行くにしてもミゲルの存在はかなり使い勝手がいいはずだ。
確かに、新しくダビド・アラバが加入したことやナチョなどの存在を考えても守備陣が過多な気もするのでミゲルが昇格しても出番がない!って思う人もいるかもしれないが、このまま下のレベルでプレーさせておくのはもったいない気もする。
個人的には左からミゲル、アラバ、ミリトン、ナチョでもいいと思っている。
他チームも目をつける存在にまでなったであろうミゲルのこれからに注目だ。
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アントニオ・ブランコ
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我らがレアル・マドリードの中盤は黄金の中盤と言われるほど不動の3人が君臨している。
モドリッチ、クロース、そしてカゼミロの3人だ。
しかし、モドリッチは来季36歳になる。
まだまだそのプレーに衰えは見えないものの、それだけ重要な選手なだけに流石に負傷するのが怖い。
クロースもまだまだ衰えはないものの30歳を超えてベテランの域に入っている。
カゼミロも替えが効かない存在と言われながらフル稼働を何年も続けている。
そこで大事になってくるのがローテーションだろう。
マドリーで中盤でプレーできる選手としてはバルベルデもいるが、シーズン終盤でクロースとモドリッチを休ませる目的で使われた選手がアントニオ・ブランコだ。
カスティージャではキャプテンマークを巻き、U-21スペイン代表にも選ばれているブランコ。
戦術理解度も高く、正確なパスと堅実な守備で攻守でチームに貢献できる選手だ。
ブランコは先発で起用される試合でも優れたスタッツを記録するなどトップチームでも十分通用することを証明した。
いやブランコの安定感やばいよ。
— Dale Blanco(ダレブランコ) (@daleblanco10) May 1, 2021
アザールとかイスコ出すなら彼を使って2ボランチがいいかもね。
ブランコお疲れ様ー! https://t.co/30oMH47hXE
これだけ安定したパフォーマンスを披露できる選手であればローテーション要員としてトップチームに帯同させるのもアリだと僕は考える。
クロースの代わりにブランコ、モドリッチの代わりにバルベルデという風な使い方でも十分に戦えると思う。
これからスペイン代表の中盤も担っていくであろう才能を潰すわけにはいかない。
そして一番は、他のチームに放出して活躍されてしまうことだけは避けないといけないだろう。
2020-21シーズンのレアル・マドリードは負傷者が多発してることもあり、なかなか調子が出ていない。 その為、トップチーム所属の選手だけでなくカスティージャ(Bチーム)から選手を招集せざるを得ない状況になっている。 カスティージ[…]
夏の移籍市場でマドリーがどう動くか次第
ここまでカスティージャの選手を昇格させるべき理由と昇格させるべきカスティージャの選手について書いてきた。
何回も言うようにカスティージャの選手のレベルは他のクラブと比べても高いと思う。
トップレベルで通用する選手がたくさん在籍している。
しかし、レアル・マドリードというチームは世界トップのビッグクラブ。
資金力を駆使して、世界中からトップレベルの選手を引っ張ってくる。
その為、トップチームに昇格することによってプレー時間が短くなってしまうというデメリットもあるかもしれない。
実際、ブランコを昇格させるべきだといっても中盤にトップクラスの選手を補強してしまったらプレー時間どころか昇格も叶わないだろうし、ミゲルに関してもアラバが左サイドバック要員で使われたならばミゲルもプレー時間どころか昇格も叶わないだろう。
2020-2021シーズンのマドリーは怪我に泣かされたシーズンだったし、不足の事態に備えてカスティージャにブランコやミゲルなどの有望な人材がバックアッパーとしているのは心強いと言うのはある。
しかし、それでいいのかマドリー?という気持ちも混在している。
しかも世代交代がうまくいきそうな予感がしている中でのアンチェロッティの就任。
アンチェロッティといえばクラブの核を担うスター選手達を駆使する監督。
となると、台頭してきた若手を起用するというよりはこれまでチームを作ってきたベテラン勢を中心的に起用するかもしれない。
はたまた、アンチェロッティの好きな選手を引っ張ってきてその選手達を中心に構成を考えるかもしれない。
マドリーの将来を担うことのできるカスティージャの選手達に未来はあるのか?
全てはマドリーが今夏の移籍市場でどのような動きを見せるかに全てはかかっているだろう。
Hala Madrid!!