そのクラブ一筋で活躍した選手や現役中に不慮の事故で亡くなってしまったりした選手などにはその功績を讃えたり、追悼を含めてその選手がつけていた背番号が永久欠番になることがある。
この永久欠番制度は、野球やバスケットボールなどでは一般的だが、サッカー界ではまだそんなに浸透していないのが現状。
特にスペインは永久欠番を持っているチームはない。
その代わり、クラブの特別な背番号としてその背番号を選手が継承すると話題になったりする。
もちろんマドリーにも特別な背番号というものは存在していてその背番号を次に背負う選手にはプレッシャーがかかる。
ということで今回はレアル・マドリードにおける特別な意味を持つ背番号とその選手について書いていく。
サッカーにおいて背番号というものはただの数字でしかない。 しかし、クラブから割り当てられる選手もいれば、自分の好きな番号にしてもらう選手、自分にゆかりのある番号にする選手など選手によってそのこだわりは違う。 それくらい背番号とい[…]
レアル・マドリードにおいて特別な背番号
クラブによって特別な意味を持つ背番号は違う。
有名なもので言えば、日本のJリーグではセレッソ大阪の背番号8。
ライバルのバルセロナであればヨハン・クライフがつけた背番号14は特別な意味を持つ背番号として扱われている。
我らがエル・ブランコにはたくさんの名選手が在籍し様々な功績を残して歴史を作ってきてくれた。
ファンの我々からすれば全てが特別な背番号のように思ってしまうが、その中でも特に意味を持つ背番号を紹介しよう。
レアル・マドリードにおいて特別な番号は以下の通りだ。
- 背番号4
- 背番号5
- 背番号7
これを見て「あぁなるほど。」となった人は根っからのレアルファンだろう。
背番号4
レアル・マドリードのおいて背番号4は特別な意味がある背番号だ。
背番号4は現在キャプテンであり闘将のセルヒオ・ラモスが着用している番号。
View this post on Instagram
2005年からレアル・マドリードに所属しているセルヒオ・ラモスは加入当時からこの背番号4を背負ってプレーしており、その当時から現在までチームに欠かせない中心選手としてプレーしている。
そんなラモスの契約は2021年6月30日までとなっておりチームに残るのか、はたまた他のチームに移籍してしまうのかという移籍問題の渦中であるが、レアル・マドリードに残した功績は素晴らしいものだ。
持ち前のスピードと危機察知能力で守備の要としてチームの最後の壁になるなど守備での貢献もさることながら、セットプレーでは度々チームを救うなど攻撃の面でも存在感を発揮。
純粋なディフェンスの選手で100ゴール以上を決めたのはこのラモスだけだ。
我々ファンは何回ラモスのゴールに歓喜したか想像すれば、この選手がいかにレジェンド級の活躍をしたかが容易に理解できるだろう。
「世界最高のアタッカーはクリロナかメッシか」という議論がなされるように「世界最高のディフェンダーは誰か?」という議論で必ず名前が上がる選手。 それが我らがレアルマドリードが誇る絶対的キャプテン、セルヒオ・ラモスだ。 正直、彼なし[…]
そんなラモスが着用している背番号4がなぜそんなに特別なのか?
それはそのラモスが目標の選手として掲げていたフェルナンド・イエロの存在だ。
View this post on Instagram
イエロは1989年から2003年まで我らがレアル・マドリードに在籍していた選手で、銀河系軍団をまとめていた偉大なキャプテンだった。
在籍した14年間でリーグ優勝5回、UEFAチャンピオンズリーグを3回も制覇しており、歓喜の裏には必ずと言っていいほどイエロの存在があった。
ボランチも務めることができるイエロはセルヒオ・ラモスと同じく得点力のある選手としても有名で、レアル・マドリードでの総得点は102点。
1シーズンで21得点を記録したこともあるほどだ。
当時フィーゴやジダンなど攻撃に偏ったメンバー構成の中で後ろを支えた闘将でキャプテンのイエロはスペイン代表でも89試合出場29ゴールの記録を残しており、マドリーだけでなくスペイン代表でもレジェンド的な存在となっている。
2018年ロシアW杯の時には2日前にスペイン代表の監督に就任し、セルヒオ・ラモスと監督選手の関係になったことで話題にもなった。
View this post on Instagram
今のところセルヒオ・ラモスは背番号4に恥じないプレーをしている。
ファンとしてはこれからもラモスに背負っていってほしいが、そんな彼ももうすぐ35歳になる。
まだまだ現役でやるとは思うが、レジェンドからレジェンドになった選手が背負っている背番号4。
いずれその4番を背負うことになるであろう選手は大きなプレッシャーがかかることだろう。
背番号5
レアルにおいて特別な背番号5をあげさせてもらおう。
レアル・マドリードの背番号5といえば誰が思いつくだろうか?
おそらくエル・ブランコを昔から応援してきた人であれば第一に思いつくのが現在監督としてレアルを指揮しているジネディーヌ・ジダンではないだろうか?
View this post on Instagram
言わずもがな、ジダンはレアル・マドリードだけでなくサッカー界のレジェンド。
銀河系軍団の中心選手として世界中を魅了してきたスーパースターだ。
ペレス会長がたまたまUEFAのレセプションで同席となったジダンは、ペレス会長から「レアル・マドリードに来たい?」と書かれた紙ナプキンを渡されて「YES」と答えたことが移籍のきっかけだったんだとか。
当時ユベントスで活躍していたジダンは2001年に当時史上最高額となる移籍金9000万ユーロで加入。
その後はみんなが知っている通りピッチ上で華麗に羽ばたいているようなプレーで観客をファンを魅了した。
そこで不思議に思うのが、ジダンが5番を選んだ経緯ではないだろうか?
ジダンはフランス代表では10番、前所属のユベントスでは21番を着用していた。
そして5番はそもそもトップ下やファンタジスタがつけるような番号というイメージは全くない。
実はジダンは最初は21番を望んでいたが、マドリーにはすでにサンティアゴ・ソラーリが21番を着用していたこともあり断念。
フランス代表で慣れ親しんでいる10番はルイス・フィーゴが着用しているために断念。
結果、ジダンが選んだのは加入した前年に引退したキャプテン、マヌエル・サンチスが着けていた5番を継いだ。
ファンからすればジダンといえば10番というイメージがなんとなくあるが、代表では1996年からずっと10番だからだろう。
だが、実はクラブでは10番をつけたことがない(背番号変動制の時を除いて)。
というのも本人はそもそも背番号にこだわりがないんだとか。
代表で10番を背負っているのもフランスサッカー連盟が「お前が中心やで」って意識を植え付けるために着用させたんだとか。
興味がないってのはジダンらしいっちゃジダンらしいが、そのこだわりのないせいで(笑)5番はそれ以降の選手にとってはある意味重い背番号にもなっている。
そんな背番号5を現在背負っているのが、若きディフェンスリーダーのラファエル・ヴァランだ。
View this post on Instagram
ジダンと同じくフランス代表の選手で、近い未来のレアル・マドリード、そしてフランス代表のリーダーとなれる選手。
持ち前のスピードと高さで相手の攻撃をシャットアウトし、コンビを組むセルヒオ・ラモスの横で着実に成長している。
ジダンがいくらレジェンド的な選手だったとしても、おそらく普通であれば背番号5がレアル・マドリードにとって特別な番号にはならないだろう。
しかし、監督がジダンとなれば話は別だ。
監督が現役時代で着けていた番号をその監督のもとで着用してプレーするのはそれなりのプレッシャーがあるはずだ。
ジダンと違ってヴァランはアタッカーではない。
しかし、ジダン政権のもとでヴァランは絶大な信頼を確保しており、今ではチームの第4キャプテンにまでなっている。
まだ若い選手ということもあり、背番号5を伝説的な番号にするかどうかは彼次第みたいなところはあるが、彼とジダンにとって特別な背番号であることは間違いない。
ちなみに、レアル・マドリードが保有元で現在ヘタフェにレンタル移籍している久保建英も現在背番号5をつけている。
ジダンもアタッカーで5番をつけていたということで、憧れの選手に近づきたいということで5を要求したんだとか。
他チームに行っても5番でアタッカーの選手が多くなってきたのはジダンのおかげと言っても過言ではないだろう。
背番号7
レアル・マドリードにおいて背番号7というのは最も重要で特別な背番号だ。
「レアルの7番といえば誰?」という質問をした時に誰が思い浮かぶだろうか?
これに関してはかなり意見が分かれると思う。
おそらくラウール・ゴンザレス、もしくは、クリスティアーノ・ロナウドだろう。
しかし背番号7を特別な番号にしたのはラウールだろう。
View this post on Instagram
言わずもがなラウールはレアル・マドリードにおいて象徴的存在だった選手。
スペインの至宝とも言われ1992年にレアルのユースに移籍してそのわずか2年後に17歳4ヶ月という若さでトップチームデビューを果たした。
持ち前はなんと言っても類まれな得点感覚。
的確なポジショニングと嗅覚で、なぜか簡単にゴールを決めているように見えてしまうくらいだった。
2015年まではクラブ最多得点となる323ゴールという記録を持っており、在籍16シーズンの741試合に出場し16個のタイトルをもたらした。
相手が誰だろうと、とにかく全力で得点の為に走り回り貪欲にゴールを狙う姿は多くのサッカーファンの胸を打ったことだろう。
少年たちにも教科書としてラウールの姿を指導する人も多かったに違いない。
現在はカスティージャの監督を務めており、若手の育成に携わっている。
そして、ラウールと1年間だけ在籍期間が被ったのがクリスティアーノ・ロナウドだ。
View this post on Instagram
7番を好んで着用してきていたクリロナだったが、加入した時はまだラウールが在籍していた為9番を着用していた。
しかしラウールがシャルケに移籍してからはすぐに7番を着用している。
この選手について多くを語る必要はないと思うが、2015年にラウールが持っていたクラブ最多得点記録を塗り替えた男だ。
クリロナが持っている最多得点記録はなんと451得点。
在籍シーズン9年の438試合に出場し16個のタイトルをもたらした。
試合数と得点数を見てラウールと比較するだけでもその凄さが分かるのではないだろうか。
その他にも
- チャンピオンズリーグ歴代最多得点(レアル・マドリードで105点)
- リーガのマドリディスタ最多得点(312点)
- リーガ最多の1試合3得点以上(34試合)
- レアル・マドリード史上最多のシーズン最多得点選手(61得点)
- チャンピオンズリーグのシーズン最多得点(レアル・マドリード選手として17得点)
- チャンピオンズリーグの6シーズンで得点王
9シーズンの在籍でこれほどまでインパクトを残した選手はクリスティアーノ・ロナウドくらいだろう。
ペレス会長は「アルフレッド・ディ・ステファノの継承者」とまで言っていて、クリロナが引退した後もレアルの歴史に名を刻まれる存在となった。
そして、そのクリロナがユベントスに電撃移籍をした後に7番を継いだ男。
それがマリアーノ・ディアスだ。
View this post on Instagram
着用する前のシーズンをフランスのリヨンでプレーしたマリアーノは、再度レアル・マドリードに戻った際に7番を着用した。
これはレアル・マドリードから期待されて7番を着用させたとも言われている。
リヨンで得点を量産していたこともありマドリードに戻ってラウールやクリロナのように得点でチームを牽引してほしいということだったのだろう。
しかし、マリアーノはクラブやファンの期待に応えることはできず、「7番に相応しくない」と批判の的になった。
そしてそんな時にやってきたのがベルギー代表でチェルシーで中心的な選手だったエデン・アザールだ。
View this post on Instagram
アザールの移籍が決定した時、アザールの背番号はあっさりと7番に決定してしまったのだ。
クラブがマリアーノを見切ったのか、アザールが7番を要求したのか、は分からないが、レアル・マドリードを長年応援してきた僕としてはアザールの方が7番に相応しいと思ってしまった。
マリアーノには申し訳ないが、アザールの方がプレーも知名度も上だ。
アザール本人は7番は希望したものではなくクラブ側の忖度だと言っているが、「レアルの顔」となる7番を着用したとなればラウールやロナウドを超えるような活躍をして欲しいというファンやクラブからの期待に応える大きなプレッシャーがある。
しかし、ご存知のようにエデン・アザールはエル・ブランコの一員になってから全くチェルシー時代の輝きを見せてくれていない。
なんなら体重増加でぽっちゃり化してしまうなど、7番の重みをあまりわかっていないようだ。
アザールという選手がどれだけすごい選手かというのを知っているが故に、非常に、非常に!がっかりしている。
ここ最近は慢性的な筋肉系の怪我が再発しまた離脱している。
大事な時にチームを救ってくれていたマドリーの7番の姿が今非常に恋しい。
10番とはまた違う特別な背番号
ここまでレアル・マドリードにおいて10番よりも特別な背番号とそれを背負う選手たちについて書いてきたがどうだろうか?
一般的にサッカーにおいて背番号10番が特別な背番号というのは有名な話だろう。
もちろん、レアルの中でも10番はクラブの顔でもあるし、収入にも関わってくる大事な背番号だ。
これまでも色んな実力者がつけてきたので下の記事で確認してほしい。
サッカーにおいて背番号というものはただの数字でしかない。 しかし、クラブから割り当てられる選手もいれば、自分の好きな番号にしてもらう選手、自分にゆかりのある番号にする選手など選手によってそのこだわりは違う。 それくらい背番号とい[…]
しかし、今回紹介したレアル・マドリードにおける特別な背番号は、歴史的な成績を残した選手やファンからの支持度からできたものだ。
特に背番号7に関しては「レアルの顔」、レアルのエース的存在の選手がつける番号になっている。
少なからずこれからも「背番号4はリーダー的守備選手」・「背番号7はエースがつける番号」と暗黙の了解で決まっていくだろう。
背番号5はジダンがいる限りプレッシャーがかかる番号であることは間違いない。
特別な背番号はこれからも増えていくかもしれないが、今はこの3つの背番号に勝る番号はない。
他の選手は自分の背番号がクラブの特別な番号になるように頑張って欲しいものだ。
Hala Madrid!!