同じマドリードを本拠地に置くアトレティコ・マドリードを追いかける立場になっている我らがレアル・マドリード。
怪我人が続出している状況ではあるがもう負けるわけにはいかない。
そんな中で前節行われたラ・リーガ第22節のウエスカ戦では逆転勝利を収める事ができた。
勝ち点3をマドリードに持ち帰る事ができたエル・ブランコはホームのエスタディオ・アルフレッド・ディ・ステファノにてヘタフェを迎えた。
久保建英も所属しているということで現地でも注目されている一戦。
ヘタフェはここ最近勝てていないが、新加入の久保・アレニャ・ククレジャの攻撃は油断できない。
ということで、早速2021年2月7日に行われた振替試合ラ・リーガ第1節ヘタフェ戦のマッチレポートを報告していこう。
スターティングメンバーとフォーメーション
先制されながらもなんとか逆転で勝利する事ができた前節のウエスカ戦。
順位を上げていくには1個ずつ着実に勝っていくしかないので下位のチームとはいえども大きな1勝となった。
2021年初の連勝を!
今節の相手は久保建英がレンタル移籍で加入しているヘタフェ。
ここ最近はいい試合が出来ていないが一発があるチームなだけに慎重にいきたい。
しかもレアルは怪我人が多くトップチームで起用できる選手はたったの13人。
そんな野戦病院と化しているレアル・マドリードのスタメンとフォーメーションはこんな感じだ。
トップチーム所属選手が13人、カスティージャから招集された選手がなんと6人。
特に守備陣に負傷者が多くなっているのがチームの状況を苦しめている。
これが本当に我らがレアル・マドリードのベンチメンバーだろうか?
ベンチまで豪華なのがエル・ブランコだったはずだ。
これじゃイスコ喋る奴いないじゃないか。
そんな中で今回ジダンが決断したのは基本フォーメーションの変更だ。
レアル・マドリードはここまで4-3-3のフォーメーションの中でメンバーを入れ替えてきたが、今回は3-4-3に変更してきた。
これはおそらく右サイドバックをできる選手がいなくなったことでのオプションだろう。
当初はメンディが右サイドバックでマルセロが左サイドバックになるだろうと言われていたが、各メディアの予想はことごとく外れた形になった。
まぁ正直言って4-3-3でメンバーを入れ替えるだけでは色々と不安があっただけにこのフォーメーションには納得できた。
そしてカスティージャから1人マルビン・パクが先発に名を連ねた。
メンバー変更で言うと、前回のウエスカ戦からは出場停止のクロースとオドリオソラの代わりにマルセロとマルビンを起用した形。
イスコは怪我明けということもありベンチだ。
ポイントとなるのはやはり先発で出たマルセロとマルビンがどのようなプレーを見せてくれるかだ。
マルセロ魅せてくれ!
ってことでヘタフェ戦のスターティングメンバーは以下の通り。
# | レアル・マドリード | ヘタフェ | # |
1 | ティボ・クルトワ | ダビド・ソリア | 13 |
6 | ナチョ・フェルナンデス | ダミアン・スアレス | 22 |
5 | ラファエル・ヴァラン | エリック・カバコ | 3 |
23 | フェルランド・メンディ | ソフィアン・チャクラ | 21 |
12 | マルセロ | マティアス・オリベラ | 17 |
14 | カゼミロ | ポルティージョ | 8 |
28 | マルビン・パク | ネマニャ・マクシモビッチ | 20 |
10 | ルカ・モドリッチ | マウロ・アランバウリ | 18 |
11 | マルコ・アセンシオ | マルク・ククレジャ | 15 |
9 | カリム・ベンゼマ | アンヘル・ディアス | 9 |
20 | ヴィニシウス・ジュニオール | クチョ・エルナンデス | 23 |
監督 | ジネディーヌ・ジダン | パトリ(ボルダラスの代行) | 監督 |
試合データ
項目/チーム名 | レアル・マドリード | ヘタフェ |
得点 | 2 | 0 |
ボール支配率 | 69% | 31% |
シュート数(枠内) | 14(4) | 1(0) |
パス本数 | 641 | 295 |
パス成功率 | 85% | 65% |
ファール数 | 8 | 16 |
イエローカード数 | 1 | 1 |
レッドカード数 | 0 | 0 |
コーナーキック数 | 8 | 1 |
オフサイド数 | 1 | 1 |
得点者 | ベンゼマ(’60)/メンディ(’66) | – |
ダレブラMarca紙の評価とヘタフェ戦の感想
評価(10点中) | レアル・マドリード | コメント |
10 | ティボ・クルトワ | 寒かったでしょ?こんなに雨降るトワ!っていいよ言わなくてwww |
9.0 | ナチョ・フェルナンデス | The安定感。たまにヘナチョコドリブルあったね。ナチョだけに。 |
9.0 | ラファエル・ヴァラン | あの白仮面Youtuberとの兼業やっぱ大変? |
10 | フェルランド・メンディ | ゴールした後「センターバック効果てきメンディー!」ってやめて? |
9.5 | マルセロ OUT’86 | カゼミロに出したスルーパス狙ってないよね?白状しろ。 |
8.5 | カゼミロ | 今日結構攻撃参加できて嬉しかったね。また沢山攻撃させてあげるからね。 |
8.0 | マルビン・パク OUT’55 | 髪型どした?ジダンにやられた? |
8.5 | ルカ・モドリッチ | 労働基準法に違反してるってジダンに訴えた方がいいよ。 |
9.0 | マルコ・アセンシオ OUT’76 | 苦しくてもマルコに預けておけばマルコ(丸く)収まる、ってか。 |
9.5 | カリム・ベンゼマ | FKでいちいちしゃしゃり出てくんなよwww |
8.5 | ヴィニシウス・ジュニオール | 失敗した後に下向く姿がいじめられっ子なんだよね。カリム怖い? |
9.0 | セルジオ・アリーバス IN’55 | アリバスかアリーバスなのかはっきりしろよ越後。 |
5.0 | イスコ IN’76 | キレッキレのイスコは何処に?なんつって。 |
7.0 | ビクトル・チュスト IN’86 | ビクトルかビクトールかはっきりしろよバルデス。 |
9.0 | ジネディーヌ・ジダン | ブチギレるなよマルセロ髪ふさふさだからって。 |
個人的に今回の試合はかなり楽しみだった。
我らがレアル・マドリードと対戦するのが日本のホープ久保建英が所属しているヘタフェだからだ。
レアルには勿論勝って欲しいが、久保建英がどれだけレアル相手にアピールできるのか、久保がいかに我々を苦しめてくれるのか、非常に見ものだと朝早くからワクワクしていた。
さてさてさて、今日久保とマッチアップするのはやっぱりメンディかなー(久保がスタンドで座ってる姿が映し出される)
いやTAKEヴェェェェンチ!!
本当に朝5時に大きな声を出してしまった。
おそらく隣の家の人は飛び起きたことだろう。
正直、ヘタフェというチームで久保がスタメンを外れることはないと思っていたが為にかなりテンションが下がってしまった。
レアルが好きではあるが、久保も一応レアル保有の選手だ。
エル・ブランコの一員として来季プレーするには親の目の前で活躍するのが必須じゃないか。
まぁいい、どうせ出てくる。と不貞腐れながら試合開始。
そんなことを思いながらキックオフした試合を一言で表すなら…
Perfect(パーペキ)。
である。
いやー今回の試合は非常に見応えのある試合だった。
まずキックオフして数分間はメディア、解説席、レアルファンの試合を見ていた全ての人の頭の上に?が浮かんだだろう。
なぜならメンディもマルセロも近いポジションをとっているからだ。
先ほども書いたが、負傷者によるサイドバック不足によりメンディが右サイドバックを務めると大方予想されていた。
しかし、蓋を開けてみればマルセロもメンディも左サイド側でプレー。
これはみんな面食らっただろう。
最初はレアルがどんなフォーメーションで戦っているのか全く予想できなかった。
そして、数分間試合を見て徐々に分かってきたのが今回のレアルはまさかの3バック。
メンディをセンターバックの一角で起用し、マルセロは左ウイングバックで起用する作戦だ。
今回の試合はこのジダンの奇襲ともいうべき戦術変更が大当たりだったと言っても過言ではない。
マルセロが普段よりも一つ前の位置でプレーできることで単純に攻撃力と攻撃のバリエーションが増す。
相手をいなすドリブル、精度の高いパス、シュートを打つ姿勢、全てが効いていた。
今回の試合を見て、
「レアルでマルセロはまだまだやれる!」
って思った人も多いに違いない。
そして、素晴らしかったのはマルセロだけではない。
右サイドのウイングバックを担当したマルビン・パクも賞賛に値するプレーを残した。
マルビンは1vs1でチャンスを作り出せるスピード自慢の攻撃的な選手。
だがウイングバックとしてしっかりと守備にも貢献した。
7回中6回のデュエルで勝利、2回のタックル勝利、インターセプトにクリア2回。
そして攻撃でも2回のドリブルを成功し、83%のパス成功率。
初めてウイングバックをやってるのかどうかは知らないが、攻撃の選手でしかもトップチームデビュー数試合で出来るスタッツではない。
クロスも繋がりはしなかったがかなり精度の高いクロスを送り込んでいたし、ナチョやアセンシオとの距離感や連携もすごく良い感じに見てとれた。
バスケスやオドリオソラは嫉妬で今日は眠れないだろう。
そして何よりも大きな収穫となったのはメンディのセンターバックへの適応力だ。
最初はどうなのかなと思っていたが、メンディのセンターバックの適正はかなり良さそうだ。
インターセプトも然り、高さもタックルも勝てていて、裏のスペースのカバーリングもしっかりこなした。
これまではマルセロが左サイドバックをプレーしていた時にできたマルセロが上がった後のスペースを、カゼミロやセルヒオ・ラモスがカバーリングしていた。
しかし、3バックでマルセロを左の中盤に置けば、メンディのダイナミックな守備でカバーリングも可能。
そしてマルセロも安心して攻撃に参加できる率も高くなるのでレアル・マドリードの攻撃力が増す。
メンディが3バックでマルセロの後ろでプレーをすることで守備が弱点と言われ続けていたマルセロと共存させる事が可能というわけだ。
考えたなジダン!!
狙ったのかは知らないけど(笑)
とにかく結果的に今回のフォーメーション変更が奇策となってかなりハマった。
しかも勝利したことでマルセロが先発した7試合で勝てないというジンクスも無くなった。
ザルセロとはもう呼ばせない。
モドリッチとカゼミロはいつも通りの安定感。
そしてアセンシオに関してはマルビンのサイドでしっかりタメを作ってくれて、かなり効いていた。
キープ力に関しては脱毛だ。
・・・(タイピングミス)
ヴィニシウスも前節から積極的に仕掛ける姿勢を見せてくれていて、アザールよりも序列はもう上と言っても過言ではない。
今回は前半こそマルセロとポジションがかぶって数回しか決定的なシーンは作れなかったものの、後半はアシストも記録している。
そのアシストでゴールを決めたベンゼマに関してはもう拍手を送ることにしよう。
センターバックとの駆け引きに完全勝利でほぼフリーでヘディングを決めた。
おにぎり君からおはぎにグレードアップさせてあげよう。
そして今回もう1つ収穫がある。
それがアリーバスのフィットだ。
ウイングバックで起用されていたマルビンに代わって投入された同じくカスティージャから招集されていたアリーバス。
前々節も途中から出場して「上手いなこの子」と思っていたが、今回確信した。
この子はトップに上がってくる。
ジダンはアリーバスを3トップの左に配置。
それに伴いヴィニシウスが右のウイングバックに回ったのだが、このアリーバスが前線で躍動も躍動。
実際、今回レアルが決めた2ゴール目はアリーバスの繋ぎから生まれている。
1タッチでマルセロに捌いたパスで全てが決まったと言っても過言ではない。
左、右、真ん中とポジションをどんどん変えてボールを受け、ヘタフェ守備陣を混乱させることに成功していた。
ボールを無駄にロストすることもなく、落ち着いてプレーしている様子を見て前からチームにいたかのような感じ。
アリーバスはおそらくこれからもジダンのお気に入りとしてチームに帯同するに違いない。
ヴィニシウスもウイングバック悪くなかったし、攻撃力のある選手をウイングバックに置くのは本当に悪くないかもしれない。
とにかく今日は完璧な勝利だった。
強かった。
最後にマルセロが負傷交代してしまったが、今回めちゃくちゃいい感じだっただけに軽症であることを祈りたい。
ジダンもブチギレてた。
次回の試合はラ・リーガ第23節バレンシアと対戦。
2021年に入ってやっと連勝できたということで良い流れになってきた。
バレンシアも手強い相手ではあるが、今節のようなサッカーができれば強いレアル・マドリードがまた見れるだろう。
乞うご期待!!