ここ14試合負けなしの戦いを続けている我らがレアル・マドリード。
4月序盤の天王山とも言えるリバプール戦2試合とバルセロナとのエル・クラシコを素晴らしい結果で乗り越えることができた。
そんな中今回迎えた今回の試合は、ラ・リーガ第33節のヘタフェ戦。
首位アトレティコ・マドリードを猛追すべく敵地のコリセウム・アルフォンソ・ペレスに乗り込んだ。
ヘタフェといえば久保建英も所属しているチームで今季は得点数は少ないが失点数もそんなに多くないチーム。
肉弾戦になることが予想される。
ということで、早速2021年4月19日に行われたラ・リーガ第33節ヘタフェ戦のマッチレポートを報告していこう。
スターティングメンバーとフォーメーション
リバプールとの試合、エル・クラシコをチーム一丸となって乗り越えたエル・ブランコ。
中3日の試合日程ということでかなりハードなスケジュールではあるが試合は無情にもやってくる。
そして今回迎えるのはラ・リーガ第33節のヘタフェ戦。
なかなか得点を奪えないということで降格圏に沈んでいるチームなだけにマドリーとしては勝ち点を取りこぼしたくないところ。
しかしここはラ・リーガ。
何が起きてもおかしくない。
しかも今回はヘタフェのホームということでヘタフェもチャンスを伺いながら得点を狙ってくるだろう。
そんなヘタフェ戦のレアル・マドリードのスタメンとフォーメーションはこんな感じだ。
うん…
なんだこのメンバーは。
なんとか、ヘタフェ戦の前日に試合を行っていたカスティージャの選手たちを数名招集することができたが当初ヘタフェ戦に招集されたメンバーはもっと少なかった。
友人が弱い部活動のチームみたいなことを言っていたが、本当にそのように見えてしまうほどの人数の少なさだった。
しかも、招集メンバーに含まれていたバルベルデがコロナ感染者との濃厚接触の疑いで急遽試合に出ることができなくなるという始末。
前回の試合でもバルベルデに助けられていたみたいな部分があっただけにかなりの戦力ダウンだ。
そして、ベンチメンバーを見てもらえれば分かる通り、トップチームに所属しているフィールドプレイヤーはたったの2名。
ラモスが不在の中で殊勲の活躍を見せているナチョ、代えの効かない存在となっている守備的ミッドフィルダーのカゼミロが累積警告で欠場ともなっている。
そんな欠員状態で挑む大事な一戦は連戦が続くベンゼマを休ませ、フォワードにマリアーノを起用。
中盤は2ボランチに変更しイスコとモドリッチが担当。
モドリッチに関してはスタメン出場が続いているため本当は休ませたい状況ではあるがこのメンバーであればどうしても彼が必要だ。
中盤のメンバーを見ても分かる通り、守備的な選手が不在な為肉弾戦になった時にやや不利かもしれない。
センターバックが不足している中でナチョの代わりに起用されたのはカスティージャ所属の21歳チュスト。
トップチームでの試合は2試合目だ。
リバプール戦で負傷したメンディの代わりに左サイドバックはマルセロ。
久しぶりの本職サイドバックでの出場ということで少し楽しみな部分はある。
右サイドバックはバスケスやバルベルデの欠場により出番が回ってきたオドリオソラ。
守備の面でこの両サイドバックは少し不安が残るというのが正直なところ。
となると鍵になってくるのは、
ヴィニシウス・ジュニオールの躍動
だろう。
ここ最近ノリに乗っているヴィニシウスなだけに、攻撃を牽引して欲しいもの。
マリアーノにはもちろん結果が求められるが、今季得点を取れていない選手に期待するよりは調子のいい選手に期待したい。
しかしヘタフェも簡単には裏にスペースを与えないと思うので、スピードだけでなく狭いエリアを打開する創造性も欲しいところ。
モドリッチやイスコらと連携して点を取れたら最高ってやつだ。
ヴィニ!君に決めた!!
ってことでヘタフェ戦の両チームのスターティングメンバーは以下の通り。
# | レアル・マドリード | ヘタフェ | # |
1 | ティボ・クルトワ | D・ソリア | 13 |
19 | アルバロ・オドリオソラ | A・ニョム | 12 |
3 | エデル・ミリトン | D・ジェネ | 2 |
32 | ビクトル・チュスト | ティモール | 24 |
12 | マルセロ | M・オリベラ | 17 |
22 | イスコ | C・アレニャ | 11 |
10 | ルカ・モドリッチ | N・マキシモビッチ | 20 |
11 | マルコ・アセンシオ | M・アランバリ | 18 |
20 | ヴィニシウス・ジュニオール | M・ククレジャ | 15 |
25 | ロドリゴ・ゴエス | E・ウナル | 10 |
24 | マリアーノ・ディアス | ハイメ・マタ | 7 |
監督 | ジネディーヌ・ジダン | J・ボルダラス | 監督 |
試合データ
項目/チーム名 | レアル・マドリード | ヘタフェ |
得点 | 0 | 0 |
ボール支配率 | 59% | 41% |
シュート数(枠内) | 10(2) | 19(6) |
パス本数 | 527 | 357 |
パス成功率 | 83% | 73% |
ファール数 | 8 | 17 |
イエローカード数 | 1 | 3 |
レッドカード数 | 0 | 0 |
コーナーキック数 | 6 | 6 |
オフサイド数 | 4 | 1 |
得点者 | – | – |
ダレブラMarca紙の評価とヘタフェ戦の感想
評価(10点中) | レアル・マドリード | コメント |
10.0 | ティボ・クルトワ | ナイスセーブなんだけどもうちょっと感情出してもらっていい?クールすぎない?クールトワ? |
5.0 | アルバロ・オドリオソラ | ソシエダに帰れ。 |
9.0 | エデル・ミリトン | 何本か怪しいタックルあるけど気迫感じたよ。プレー中の顔はサイコパスみたいだけど。 |
8.5 | ビクトル・チュスト | ミスを恐れず前にボールを運ぶことができるようになればいいね!チュスト!! |
7.5 | マルセロ | 最後の方モドリッチがサイドバックやってたけど先輩に何やらせてんの?戻りなさいあんたはもう! |
7.5 | イスコ | うまいんだけど中々縦にいけなかったね。相手の周りをグルグルするのは誰でもできる。髭剃れ。 |
9.5 | ルカ・モドリッチ | 横パス取られたら絶対にダメ。でもそんなことわかってるよね。モド様。お疲れ様。モド様様。 |
7.5 | マルコ・アセンシオ OUT’78 | オドリオソラとマリアーノじゃサイド崩そうも崩せないよな。消えるのはしゃーないってことで。 |
8.0 | ヴィニシウス・ジュニオール | 最近の君には可能性を感じる。パス出そうとすると一気に可能性感じなくなるけど。精度だよ課題は。 |
7.5 | ロドリゴ・ゴエス OUT’65 | イスコとモドリッチを助けようと色々考えすぎて自分出せなかったな。 |
6.5 | マリアーノ・ディアス OUT’65 | お前もうええて。 |
8.0 | カリム・ベンゼマ IN’65 | 前から思ってたけどサングラスかけたらマフィアみたいだよな。インスタやばいて。 |
8.0 | アントニオ・ブランコ IN’65 | デビューおめ。肘打ちくらってたけどイケメン崩れてない?大丈夫? |
8.0 | セルヒオ・アリーバス IN’78 | 目潰しくらってたけどイケメン崩れてない?大丈夫? |
8.5 | ジネディーヌ・ジダン | 久保を出させるように試合前に言っておけよバカタレ。 |
ヘタフェ戦の前の時間に行われていた首位アトレティコ・マドリード対エイバルの一戦はアトレティコが5発大勝で首位をガッチリキープ。
となれば勝ち点差1で2位につけているマドリーとしては絶対に勝利しておきたい試合だ。
しかも相手は降格圏のヘタフェ。
油断できない相手とはいえ流石に勝ち点3を積み重ねたい。
そんな中での今回の不運なメンバー不足。
前回のリバプール戦から連戦で起用されているのはたったの5人だ。
今季最大のピンチ!
CLのアタランタ戦あたりが最大の危機だと思っていたが、最後の最後で試練がやってきた。
簡単にはリーガタイトルは獲得できないってところか。
そんな絶対に負けられない今回のヘタフェ戦を一言で表すなら…
ふぅ。
である。
というのも、今節の試合は負けていてもおかしくない試合だった。
というか、
よく引き分けた
とでも言ったところか。
個人的に久保建英が所属しているということでヘタフェの試合をよく見るが今回のヘタフェはちょっと一味違った。
というか普段はロングボールをポーンと蹴って弾かれてファールして、されて、って感じの試合展開なのだが、今回はボールが動く動く。
これは、僕が思うに相手中盤のボランチ2人(アランバリとマキシモビッチ)をうまく捕まえきれなかったことが原因だろう。
普段であればモドリッチがプレッシングをかけてパスコースを消したりすればいいのだが、今回はカゼミロが不在ということでモドリッチは1つ下のポジション。
しかも2ボランチでイスコと組んでいるためにトップ下のポジションの両脇をうまく使われていた。
この中盤の守備のインテンシティがやはりいつもより弱くなってしまったのが原因だと思っている。
遅れてモドリッチがボールにアタックしていくと、バルセロナからレンタル移籍中のアレニャが良い体勢でボールを受けることになりパスやシュートでチャンスを演出。
その為普段よりパスを繋ぐことができるヘタフェにマドリーは全てが後手後手になっている感じが見て取れ、久保がスタメンじゃなくて本当に良かったなって思ってしまうくらいだ。
そんな中、相手の攻撃を受ける形となったマドリーを助けてくれたのが…
ティボ・クルトワ
だった。
Hemos luchado con todo por ganar, pero nos llevamos un empate que sabe a poco. Hay que seguir luchando! #HalaMadrid
We fought hard for the win, but we have a draw that isn’t enough. We have to keep fighting! 💥 pic.twitter.com/E8D2C2HrhR
— Thibaut Courtois (@thibautcourtois) April 18, 2021
リバプール戦でもその存在感を見せつけてくれたクルトワだったが、ヘタフェ戦でも好セーブを連発。
あまりにもポーカーフェイスで淡々とシュートを止めるクルトワに、僕も思わず
それを止めてくれるトワ!
ってTwitterに書こうとしたところをギリギリ免れた。
思いとどまって本当によかった。
結果この試合で6セーブを見せてくれたクルトワは間違いなくMOMだ。
そしてもう1人、お疲れ様と言ってあげたい選手がいる。
ルカ・モドリッチだ。
この日のモドリッチは2人いるのかってくらい走り回っていた。
いや、普段から走り回っているんだけど、ビルドアップは一番下まで降りて開始し、プレッシャーは最前線までかけに行ったり、とにかく上下動が一番激しかった選手なのではないだろうか。
そして彼が持つことでボールが落ち着くし、リズムが生まれる。
ピンチのシーンはモドリッチが守備をしたりととにかく背番号10がピッチ上で一番輝いていた。
ほんと、お疲れ様。
試合後のモドリッチのこんな姿見たことあるか?そりゃ疲れるよ…ずっと出てるし、もう大ベテランですよ。
ブラック企業だよな。
エル・ブランコだ、って言ってんのにな。 https://t.co/7q2EjkhZng— Dale Blanco(ダレブランコ) (@daleblanco10) April 18, 2021
試合終了直前に最後の体力を振り絞って切り返してシュートを打ったシーン。
シュートは大きく外れてしまったけど、打った後に膝に手をつくモドリッチを見たことがあるだろうか。
試合終了後にピッチに座り込む彼を見たことがあるだろうか。
彼は35歳である。
チームで一番走り、ここ最近の連戦でフル出場を続けている鉄人。
モドリッチのことをさらに好きになったって人も多いのではないだろうか。
僕はそうだ。
そして、最後にもう1人頑張っていたと思う選手がいる。
エデル・ミリトンだ。
ここ最近はナチョと一緒に出場することが増え、試合になかなか出場できていなかった選手ではありながら好パフォーマンスを見せてくれている選手の一人。
今回の試合も相手の攻撃をシャットダウンする壁となり続けていたのだが、伝わってくる。
ビンビンと伝わってくる。
責任感が。
今回の試合で相方を組んだのはカスティージャ所属のチュスト。
久しぶりの「後輩」とのコンビに、ディフェンスは俺に任せろ。というような気迫が伝わってきた。
どういう風にか?
ビンビンにだ←
ごめん。
とにかくミリトンの持ち前のスピードを生かしたカバーリングと高さで相手のロングボールを弾き返すことができていた。
チームの第4センターバックという立場でもありなかなか起用されていなかったが、こんなハイレベルなパフォーマンスを見せれる選手なんだって分かっただけでもジダンは大満足だろう。
ミリトン「あ、宿題やったけど家に忘れた」 pic.twitter.com/79khSmFy0b
— Dale Blanco(ダレブランコ) (@daleblanco10) April 18, 2021
逆にだ!!
この試合で浮き彫りになったのがマリアーノとオドリオソラのパフォーマンスだ。
マドリディスタとしてはっきり言わせてもらう。
あなた方はなぜ白いユニフォームに袖を通しているのだろうか?
マリアーノに関しては正直厳しいオフサイド判定があった。
VARというのは良い判断材料となる点、ビデオを止めた位置でしっかり判断して欲しいって思う点も多い。
特に前傾姿勢で走ることによる肩のみのオフサイドとか結構可哀想。
スパイクのサイズの大きさでオフサイドになるんじゃないかなって感じてしまうほどだ。
しかし、今回マリアーノが良かった点はそこのみ。
モドリッチやイスコがボールを持っている時に顔は出さないし、ボールを受ける気がない。
最後の最後だけ関わろう!って感じに見えて印象はかなり良くない。
そして解説の名波浩も言っていたことが、
「サボってましたね〜」
ってやつ。
いや本当そう。
なんで来ないって思ってるのだろうか?
そのせいでオフサイドになっていたり、パスに反応できなかったり、心底ガッカリさせられた。
下手くそでも気合いだけはやってくれる選手だと思っていただけに…
そしてオドリオソラ。
彼に関してはジダンが右サイドバックにバスケスやらバルベルデやらを起用する理由が分かった試合だった。
まずボールロストが多いこと。
相手も狙っていたとは思うが、トラップした後のプレーがまるで考えられていない。
トラップの方向も悪い。
そして、持ち味でもあるクロスをアピールしたいのは分かるが、裏へ抜けるタイミングがはちゃめちゃだ。
ミリトンがボールを持っている時は1回サイドで受けるなどのプレーの選択肢が非常に少なく感じた。
クロスボールはいいものを持っているが、試合勘がないからなのか、すごく単調なプレー。
名波浩も言ってたぞ。
「適当にやってるように見える」
って。
もちろん本人は一生懸命やっているんだろうが、終盤にモドリッチからのパスをダイレクトで折り返そうとしてキックミスしてるあたりなんかは、バスケスやバルベルデの方が安定しているってのが分かった。
そして守備に関しても、相手のサイドプレイヤーへの距離を詰めるタイミングが悪いように見えた。
距離が遠いために相手に自由にプレーをさせている印象。
こちらも反応が悪いというか距離を詰めきれない守備が簡単に崩される原因となっていたかもしれない。
マリアーノとオドリオソラに関しては正直終始不満だった。
マリアーノに関しては味方の良さも消していることに気づいて欲しいし、ジダンもジダンでマリアーノを交代させるのが遅すぎる。
ベンゼマが入ってからボールが前線で収まり、落ち着き始めたのを見て確信。
今回のヘタフェ戦は、ベンゼマ、クロース、カゼミロの存在の大きさを確認できた試合と言っても過言ではないだろう。
最後の最後にヘタフェのボルダラス監督にこれだけは言いたい。
守備的な交代をしてくれてありがとう。
あなたが消極的な選手交代をせずにアレニャを残して久保を投入してたら確実にやられてた。
そこに関してはありがとう。
ただこの試合で久保建英を出場させれないあなたにはがっかりだ。
レンタル元にアピールするチャンスさえ与えなかったなんて酷すぎる。
久保が出場したら負けてたかも、でも久保が出場しなかったのは遺憾。
わがままではあるが、もっとちゃんとやってくれ(笑)
次回の試合はラ・リーガでカディスと対戦する。
ヘタフェと似たようなチームで肉弾戦を得意とするチームではあるが、次回はカゼミロとナチョが復帰することは確実なので少しはマシになるかもしれない。
残り7試合?
もう勝ち点を取りこぼしている場合ではない。
怪我人はよ怪我治せよ!?