リーグ戦で好調を維持している我らがレアル・マドリード。
負傷者が多い中で4連勝できているチーム状況は良くなっていると言う他ないだろう。
そんな中、中三日で迎えるのはUEFAチャンピオンズリーグの決勝トーナメント1回戦(ベスト16)1stレグ。
相手はイタリア・セリエAで最強の攻撃力を誇っているアタランタだ。
国内でカップ戦のタイトルを2つ逃しているだけにチャンピオンズリーグのタイトルGETに向けて絶対に負けることはできない。
その我らがエル・ブランコはアタランタのホーム、アトレティ・アズーリ・ディターリアに乗り込んだ。
イタリア勢との対戦では欧州カップ戦の直近11試合で10勝1敗、チャンピオンズリーグでは5連勝中と相性は良い。
ということで、早速2021年2月25日に行われたUEFAチャンピオンズリーグ決勝トーナメント1回戦(ベスト16)1stレグ、アタランタ戦のマッチレポートを報告していこう。
スターティングメンバーとフォーメーション
相変わらず負傷者は多い。
しかし何故かここ最近のリーグ戦では調子が良く直近のバリャドリード戦も見事勝利することができた。
しっかりと勢いをつけて今回チャンピオンズリーグで挑むのはイタリア最強の攻撃を誇るアタランタ。
直近3試合で8得点を決めているアタランタの監督を務めるのはジャン・ピエロ・ガスペリーニだ。
ユベントスの下部組織の監督を務めていたガスペリーニは練習が終わるとトップチームの練習を見学しに行き当時所属していたジダンのプレーに惚れ惚れしていたんだとか。
そんな関係地だった彼らが今や監督同士としてぶつかり合う一戦。
タイトル獲得に向けて先手を取りたいレアル・マドリードのスタメンとフォーメーションはこんな感じだ。
試合前のTwitterやメディアを見ていると面白い動きがあった。
それがここまでベンチスタートが続いていたイスコがスタメンで出場するかもしれないということ。
しかもその起用方法は偽9番のポジション。
つまり0トップだ。
この戦術はライバルバルセロナで言えばメッシやリヴァプールのフィルミーノなど、フォワードとして起用されながら中盤に落ちてビルドアップに参加したり、決定的なパスを出したりすることで攻撃に厚みを持たせることができる戦術。
相手センターバックもセンタフォワードの選手が張っていないのでマークにつくのが難しくなるし、ウイングは張っているのでラインコントロールが難しくなる。
センタフォワードが本来いるべきスペースが空いているのでそこにウイングが中に入って決定機になるケースが増えるのもこの戦術のメリットだ。
もちろん、決定機があれば積極的に点を取ることも求められるがゲームメイクに拘ることができる足元のテクニックや攻撃センスがある選手しか起用できないある意味「特別」なポジションだ。
そんなポジションに、この大一番でジダンはイスコを起用してきた。
前回のラ・リーガ第24節バリャドリード戦でベンゼマ不在の大きさを痛感した。
ベンゼマはセンタフォワードとしてプレーするが自ら積極的に中盤まで落ちてボールを引き出しチャンスメイクをする選手。
いわゆる自然と偽9番の役割を担っていた選手だ。
その役割をジダンはイスコに託した形。
ベンゼマの2番手としてベンチに座っていたマリアーノのことを考えたら少し可哀想だが、前回の試合の感じやシステムのことなどを考えれば納得せざると得ないだろう。
それにしても、イスコがスタメンに入ったことでベンチメンバーがレアル・マドリードとは思えないくらいのメンバーになった。
これから上り詰めていく選手たちも含まれてはいるが、怪我人の方が豪華と言うのはなんとも切ない。
最後尾と中盤はいつものメンバーで固定。
むしろこのメンバーしかいない。
そこにイスコが加わってどのような化学反応を見せてくれるのか、非常に楽しみだ。
今回は攻撃的なチームが相手ということもあり、簡単なボールロストは絶対に避けなければならないポイント。
その点でもイスコの鬼キープ力が生きてくるかもしれない。
今回のキーポイントはイスコがどうフィットするか、に限る。
イスコお前の力見せたってくれ。
ってことでアタランタ戦の両チームのスターティングメンバーは以下の通り。
# | レアル・マドリード | アタランタ | # |
1 | ティボ・クルトワ | P・ゴッリーニ | 1 |
6 | ナチョ・フェルナンデス | R・トロイ | 2 |
5 | ラファエル・ヴァラン | C・ロメロ | 17 |
23 | フェルランド・メンディ | B・ジムシティ | 19 |
17 | ルーカス・バスケス | J・メーレ | 3 |
14 | カゼミロ | M・デ・ローン | 15 |
8 | トニ・クロース | R・フロイラー | 11 |
10 | ルカ・モドリッチ | R・ゴセンス | 8 |
11 | マルコ・アセンシオ | M・ペッシーナ | 32 |
22 | イスコ | D・サパタ | 91 |
20 | ヴィニシウス・ジュニオール | L・ムリエル | 9 |
監督 | ジネディーヌ・ジダン | G・ガスペリーニ | 監督 |
試合データ
項目/チーム名 | レアル・マドリード | アタランタ |
得点 | 1 | 0 |
ボール支配率 | 69% | 31% |
シュート数(枠内) | 19(4) | 2(0) |
パス本数 | 797 | 361 |
パス成功率 | 89% | 74% |
ファール数 | 12 | 8 |
イエローカード数 | 2 | 1 |
レッドカード数 | 0 | 1 |
コーナーキック数 | 7 | 1 |
オフサイド数 | 2 | 2 |
得点者 | メンディ(’86) | – |
ダレブラMarca紙の評価とアタランタ戦の感想
評価(10点中) | レアル・マドリード | コメント |
8.0 | ティボ・クルトワ | 試合中にこんなにヒヤヒヤするトワ!ってゆな。 |
9.5 | ナチョ・フェルナンデス | ベテランの意地!ナチョっこい守備が相手の脅威だったな。MVP! |
8.5 | ラファエル・ヴァラン | 好きな食べ物はピューマの肉ですってばか。 |
9.5 | フェルランド・メンディ | 俺右足でも決めんディー!!って打つ直前にゆな。 |
8.5 | ルーカス・バスケス | トラップうまいよね。将来の夢サッカー選手? |
10.0 | カゼミロ | お前ダイブして俺やってない!みたいな上目遣いやめろ。可愛いやん |
8.5 | トニ・クロース | ドイツ出身選手として最多出場おめでとう!右腕のタトゥやめて怖い |
9.0 | ルカ・モドリッチ | 座礁した石油タンク?ってくらいサッカーセンス溢れてるわ |
7.0 | マルコ・アセンシオ OUT’ | ヒゲ脱毛紹介するわ。シュート入るよ。 |
9.0 | イスコ OUT’ | 今日みたいにプレーするあなたがほんとすこ。 |
5.5 | ヴィニシウス・ジュニオール OUT’ | 何回外すねん。モドさん激おこだけど?アウトサイド食らわすぞ |
7.0 | ウーゴ・ドゥロ IN’ | 個人的に期待してる。けど彼女可愛いから嫌い |
7.5 | セルヒオ・アリーバス IN’ | ジャスティンビーバーの雰囲気を感じる。は? |
6.0 | マリアーノ・ディアス IN’ | 下手くそだけど気合が好きってTwitterに書いてる人いたよ。下手なの? |
8.5 | ジネディーヌ・ジダン | 頭の進行早いのに交代の判断が遅いお前。 |
今回の試合は我らがレアル・マドリードにとって色々とメモリアルな試合でもある。
まずトニ・クロースがレアル・マドリード選手として308試合に出場し、かつて8年間在籍していたドイツ人選手シュティーリケに並び歴代最多出場のドイツ人選手となった。
彼の貢献度に関してはもう説明する必要もないだろう。
通算308試合に出場し21得点を記録、そして加入以降14つのタイトルを獲得している。
そして、もう1つがレアル・マドリードが初めてノックダウン方式での100試合目を達成したクラブになったということだ。
チャンピオンズリーグが2003-04シーズンに現行のフォーマットになってから18シーズン連続で決勝トーナメントに進出している。
なんだかんだでグループリーグを突破するのが我らがエル・ブランコだ。
ちなみにこれもレアル・マドリードしか達成していない偉業でもある。
そんなメモリアルな試合を是非とも勝利で飾りたい白い巨人の試合を一言で表すなら…
メンディィィィィィ!!!
である。
正直、序盤はアタランタのハイプレスに戸惑っていたように見えたエル・ブランコ。
開始直後にクルトワの前を鋭いクロスが2回も通過した。
しかし徐々に落ち着きを取り戻したイレブンはいつも通りポゼッションを開始。
今回の試合はイスコが中盤におりやすい環境にいるということでかなりボールを動かせていた。
何より、攻撃時にはセンターバックの2枚以外ハーフウェイラインを超えていたほど。
そんな中前半17分にメンディが決定機で倒されアタランタのフロイレが一発退場。
まぁ色々と議論を生みそうな判定ではあったが我々としては試合を優位に進める上でラッキー。
相手は10人になってしまい意気消沈していたところに、主力であるサパタが負傷により途中交代。
完全に流れはレアル・マドリードに傾いた。
はずだったのだが…
点が入らないぃぃ!!
回せど回せどシュートまでいけない!
行ったとしても枠に行かない!
中学生のシュート練習を見ているかのような光景が続いた。
特にヴィニシウス・ジュニオールお前!!
シュート精度が本当にジュニアじゃねぇか。
イスコからの超絶なスルーパスを無碍にしやがって。
説教部屋があったら3時間は説教してくれるわ。
もちろん相手もカウンターを狙いながらの攻撃を仕掛けてくる。
しかし、そこに立ちはだかったのは、ワンクラブマンのナチョ・フェルナンデスだ。
相手への寄せのスピード、タックルの精度、攻撃参加など全てにおいて高いレベルのパフォーマンスを披露。
セルヒオ・ラモスの不在を感じさせない、並々ならぬ闘志を見せてくれたと思う。
個人的にはMVPを与えてあげたい。
レアルのサイドバックは相変わらず高い位置を保ち、メンディがヴィニシウスより高いポジションを取るシーンも見受けられるほどで、前半からインナーラップを交えながら積極的にゴールを狙っていた。
でもまだ点が入らない。
なかなか攻勢に出れないアタランタはブロックを敷いて守備に専念することにしたのかかなり引いていた。
今季のレアルの課題として、引いた相手になかなか点が取れない。
パスは回るが点が入らないのが苦戦を強いられている実情だろう。
ゴール前に転がってきたボールをヴィニシウスが信じられないミスをした直後、ジダンは交代を決意。
ヴィニのバカ!
ヴィニシウスに代えてマリアーノを投入。
イスコを左ウイングに移動させて、いつも通りの4-3-3に戻した。
しかしマリアーノが収まらない。
イスコが真ん中で動き回っていた方が相手にとって脅威だったと思う。
そしてアセンシオと疲れが見えていたイスコに代わり、ウーゴ・ドゥロとアリーバスを投入。
ウーゴを左ウイングで使うあたりは特徴を理解している証拠だろう。
そして念願の得点が生まれたのは、このままドン引きの相手に守られて引き分けてしまうのかと思われた86分。
コーナーキックからパスを繋ぎ、モドリッチからの横パスを受けたメンディが右足を振り抜いた。
ぬわぁんというゴールだ!
朝7時前に部屋で
メンディィィィィィィィィ!!!!
って声が出た。
もうトイザらス製の右足なんて言わないよ。
あなたは立派なレアル・マドリードの選手だ。
逆足でもあんなシュートを打てるサイドバックはレアル・マドリードに相応しい。
決めた瞬間の周りの選手達の喜びようを見ただろうか。
誰も入ると思ってなかっただろう。
ジダンもスキンヘッドをぽりぽりして苦笑いしていたほど。
メンディが愛されているキャラだということが分かったところで試合は終了。
朝からなんともほっこりした瞬間だった。
ギリギリではあったがなんとか1-0で勝利し、先手を取ることができたエル・ブランコ。
ナチョのハイパフォーマンス、イスコの可能性、モドリッチの相変わらず溢れてしまうサッカーセンス、メンディのスーパーメンディ。
途中までは眠くなってしまうような試合ではあったが、何よりも色々と収穫はあった試合だと思う。
そして何って勝った事。
まずはこれが一番でかい。
スペイン勢が負けている中で我々エル・ブランコだけは勝利できた。
なんだかんだで世界一を取るのは我々レアル・マドリードだろう。
次回の試合はラ・リーガ第25節でレアル・ソシエダと対戦。
連勝できているチーム状況はいいので、勝って首位アトレティコとの差を縮めたいところだ。
シメオネを締めようね!
なんつって!!