リーグも終盤に差し掛かっている中、公式戦12試合無敗と好調を維持している我らがレアル・マドリード。
前節のエイバル戦、そして、それから中2日で挑んだCLリバプール戦でも見事な勝利を見せてくれた。
そんな中迎えたのはスペイン中、いや世界中が熱狂する伝統の一戦、バルセロナ戦だ。
我らがエル・ブランコの本拠地アルフレッド・ディ・ステファノでエル・クラシコが初めて行われる。
バルセロナは言わずもがな長年マドリーと優勝争いをしてきたリオネル・メッシ率いる強豪。
現在2位のバルセロナと3位のレアル・マドリードの勝ち点差は2ということで勝てば順位がひっくり返ることになる。
リーガタイトル獲得のためには絶対に勝っておきたい試合だ。
ということで、早速2021年4月11日に行われたラ・リーガ第30節バルセロナ戦のマッチレポートを報告していこう。
スターティングメンバーとフォーメーション
4月のビッグマッチ3連戦とも言われているCLのリバプール戦2つと今回のラ・リーガ第30節バルセロナ戦。
1つ目のリバプール戦ではヴィニシウスの活躍もあり見事勝利し、この後行われる2ndレグへ弾みをつけた。
一皮剥けた印象のあるヴィニシウスと4試合連続ゴールと復調の兆しを見せているアセンシオ、そして何よりチームの得点を大半を決めているベンゼマの存在はかなり大きいものになっている。
そしてフル稼働している黄金の中盤3人、そしてラモスが不在の中でDFを牽引しているナチョの存在など一丸となって勝利を手にしてきた。
そんな中で迎えるバルセロナとのエル・クラシコ。
シーズン終盤で迎えるクラシコをレアル・マドリードかバルセロナが1位にいない状況で迎えるのは2013-14シーズン以来なんだそうだ。
ということで今季のリーグ戦においても重要な位置づけとなっているクラシコだが、いずれにしてもバルセロナは負けられない相手だ。
そんなバルセロナ戦のレアル・マドリードのスタメンとフォーメーションはこんな感じだ。
メンバーを見て最初に驚くのはここ最近4試合連続ゴールと波に乗っているアセンシオがスタメンから外れたこと。
リバプール戦で少し負傷してしまっていたとのことで、代わりにバルベルデが右ウイングに起用された。
しかしアセンシオがベンチに入っているということはそこまで気にするような怪我ではなくどちらかというと戦術的な部分だろう。
バルセロナの攻撃といえばメッシとアルバのコンビネーション。
そのアラバを自由にさせないという意味で、前線のプレッシングの強度を高めること、そしてアルバ対策として起用させたのだろう。
それ以外のメンバーとしてはいつも通りのメンバー。
黄金の中盤3人衆にお馴染みの守備陣だ。
今回のキーポイントは、バルベルデ起用がハマるかどうか、になってくる。
アイツはお構いなしに裏に走ってくるぞ。
ラインブレイクしてくるぞぉー!!
走り屋であり壊し屋でもあるんだぞぉー!!
ぅわぁーーーーーー!!
もちろん、メッシを自由にさせないのは当たり前だ。
そこはナチョやカゼミロあたりにかましてもらおう。
絶好調のアセンシオを外すという決断をしたジダンが正解かどうか。
骨折ってでも勝て!!
ってことでバルセロナ戦の両チームのスターティングメンバーは以下の通り。
# | レアル・マドリード | バルセロナ | # |
1 | ティボ・クルトワ | テア・シュテーゲン | 1 |
6 | ナチョ・フェルナンデス | O・ミンゲサ | 28 |
3 | エデル・ミリトン | R・アラウーホ | 4 |
23 | フェルランド・メンディ | C・ラングレ | 15 |
17 | ルーカス・バスケス | S・デスト | 2 |
14 | カゼミロ | S・ブスケツ | 5 |
8 | トニ・クロース | F・デ・ヨング | 21 |
10 | ルカ・モドリッチ | J・アルバ | 18 |
20 | ヴィニシウス・ジュニオール | ぺドリ | 16 |
9 | カリム・ベンゼマ | リオネル・メッシ | 10 |
15 | フェデリコ・バルベルデ | O・デンベレ | 11 |
監督 | ジネディーヌ・ジダン | R・クーマン | 監督 |
試合データ
項目/チーム名 | レアル・マドリード | バルセロナ |
得点 | 2 | 1 |
ボール支配率 | 31% | 69% |
シュート数(枠内) | 14(3) | 18(4) |
パス本数 | 316 | 707 |
パス成功率 | 77% | 89% |
ファール数 | 16 | 10 |
イエローカード数 | 1 | 4 |
レッドカード数 | 1 | 0 |
コーナーキック数 | 5 | 6 |
オフサイド数 | 0 | 1 |
得点者 | ベンゼマ(’13)/クロース(’28) | O・ミンゲサ(’60) |
ダレブラMarca紙の評価とバルセロナ戦の感想
評価(10点中) | レアル・マドリード | コメント |
10.0 | ティボ・クルトワ | メッシのコーナー流石にあれはビビったよな。でもメッシからまだ決められたことないらしいな。さすがやで。 |
10.0 | ナチョ・フェルナンデス | ナチョっこい守備がマジで効いてるな。CLの後は有給休暇を与えよう |
10.0 | エデル・ミリトン | やっぱ焼き豚(ヤキトン)食う時はちょっと引っ掛かるものがある? |
10.0 | フェルランド・メンディ | 「CKじゃないよGKだよ!」って「メンディー!」って叫べば通じるの?ってくらい「メンディーーー!!」って叫んでたな。 |
10.0 | ルーカス・バスケス OUT’42 | あぁんもう怪我ぁん!!残留してぇん!! |
10.0 | カゼミロ | 退場した後に笑うのは流石にサイコパスバレますって。。。 |
10.0 | トニ・クロースOUT’71 | 当たってなかったらGK正面がっちりキャッチ説ありますよね? |
10.0 | ルカ・モドリッチ | 笛鳴った後に遅延行為でボールを外に蹴り出す時のキックがうますぎて引く。休めおっさん。 |
12.0 | ヴィニシウス・ジュニオールOUT’71 | 戦術ヴィニ。走る時に「キュイーン!!」っていうのやめない? |
10.0 | フェデリコ・バルベルデ OUT’60 | アルバお前のこと好きになっちゃうよそんなマークしてたら。 |
10.0 | カリム・ベンゼマ OUT’71 | セレブレーションの時肩すくめてバスケスになんて言ってたの? |
10.0 | アルバロ・オドリオソラ IN’42 | カゼミロにめっちゃ怒られるやん。。髭脱毛するのはどう? |
10.0 | マルコ・アセンシオ IN’60 | やっぱ今日スタメン外れた時はジダン殴ってやろうって思った? |
10.0 | マルセロ IN’71 | 君そんなガタイよかったっけ?ってくらいアザールってない?大丈夫? |
10.0 | イスコ IN’71 | プレーが雨の中でもエロいのやめろ。水も滴るいい男ってか。っかぁー!! |
10.0 | マリアーノ・ディアス IN’71 | 守備効いてた!身体能力が高いのは本当に分かる。ただボールと不仲。 |
10.1 | ジネディーヌ・ジダン | ジダンはずぶ濡れで指示出ししてたのに、クーマンは雨宿りしてたって言われてたけどあれはクーマンは髪型が崩れるからだからな? |
絶好調のチーム状況の中迎えたエル・クラシコ。
クラシコでの直接対決で勝利すればバルセロナを勝ち点で追いぬくことができるという運命の一戦だ。
とは言っても状況はなんであれバルセロナには勝たなければいけないのだ。
そんなバルセロナも調子が悪いわけではなく、連勝を続けているチーム。
好調同士の戦いとなった伝統の一戦を一言で表すなら…
ジダンの勝ち!
である。
今回は選手たちはもちろんだが、ジダンがサッカーセンスだけでサッカーをしていたわけじゃないんだなって痛感させられた試合でもあった。
バルセロナはもうレアル・マドリードの手のひらで転がされていたと言っても過言ではないだろう。
まず上の試合データを見てもらおう。
バルセロナがほとんどデータで上回っていることがお分かりいただけるだろう。
しかし、朝早起きして試合を観戦したマドリディスタはこう思ったのではないだろうか。
え、そんな?
試合を見ていて「やばいなーやられてるなー」って感覚はほぼなかったと思う。
どっちかって言ったら、
「審判立ち位置邪魔やなー」
だったと思う。
ごめん間違えた。
どっちかって言ったら「マドリー調子いいなー」だったのではないだろうか?
これが僕が先ほど言った、
ジダンがハゲてる!!
って言った理由だ。
ごめん間違えた。
これが先ほど言った
ジダンの勝ち!!
って言った理由だ。
バルセロナといえばどんなチームか?
常にボールを保持して攻め込み、アラバのラインブレイクにはじまるサイド攻撃やメッシを中心とした突破力ではないだろうか?
そして我らがレアル・マドリードといえばどんなチームか?
クロースやモドリッチを中心としてボールを保持してサイドから崩す、もしくは最近の戦い方でよく見る縦に速いカウンターアタックだ。
つまり、ボールを保持するチームというのは一緒なのだ。
しかしデータを見てもらえればどうだろう?
バルサボール保持しすぎぃぃぃぃ!!
我らがレアル・マドリードがたったの31%しか保持してないなんて。。
要は、ジダンはボールを保持するのはバルセロナにさせてしっかりとそれを受ける戦術を選択。
そしてヴィニシウスとバルベルデの両ウイングのスピードと推進力を生かしたロングカウンターを狙う戦術で挑んだのだ。
マドリーも試合序盤は高い位置から同数でのプレッシングをかけていたが、少し試合が落ち着くと、バルサの同数ハイプレスを受けるようになる。
そして、バルセロナがボールを保持する展開が続いた。
そんな展開の中で待望の先制点が生まれた。
メッシとぺドリがちょっとサッカーうますぎるんだが、マドリーの中央を突破。
最終的にはメッシのドリブルをバスケスがファールギリギリで奪うとちょこちょこっと繋いでボールはバルベルデへ。
まぁその前にモドリッチがさりげなくやったスルーがうますぎるから見てみて。笑
バスケスが猛烈にサイドを上がり相手の左ウイングバックのアルバを引きつけると、サイドでボールを受けたバルベルデの前には広大なスペースが。
長い距離をドリブルで運ぶと、痺れを切らしてアルバがバルベルデにプレス、それをスルリとかわすとフリーになっていたバスケスが猛烈なスプリントで右サイドを駆け上がる。
そしてベンゼマがニアサイドに飛び込み、バスケスのピンポイントのクロスをうまくヒールで合わせた。
完璧である。
ストライカーのベンゼマが巧みなシュートで今節もやってくれた。
そして2点目が生まれたのは28分。
これはクロースのフリーキックが相手のリフレクションもあって直接入ったゴールなのだが、注目すべきはその前のプレーだ。
リトリート戦術で完全にブロックを敷いていたマドリーに対してバルセロナはメッシが下に下りてポゼッションしている状態から始まった。
先ほども言ったがバルサと言ったらボールを保持してメッシを経由してサイドに展開する攻撃パターン。
しかし、アルバにはしっかりとバルベルデがマークしているため左サイドはなかなか使えない。
右ウイングバックで起用されていたデストはまだ馴染んでいないのか孤立している印象でメンディがしっかりと潰していた。
フォワード起用のデンベレは裏に抜けることもできず消えている状態。
となるとバルサに残る選択肢は
中央突破していくンゴ!
となる。
しかし、マドリディスタからすれば安心だ。
中央にはモドリッチ・クロース、そしてボス感漂うカゼミロ、そして本来はレギュラーでないながらもトップクラスの守備力を誇るナチョとミリトンが君臨している。
つまり、メッシといえども一人で中央をこじ開けるのはほぼ無理だ。
2点目は完全にマドリーが守備をセットした状態でメッシが中央突破を図った。
すると、モドリッチ、戻っていたベンゼマ、そしてカゼミロでメッシをしっかりと潰してカウンター。
この、ここぞという場面でのインテンシティの高いプレスは試合前にジダンから言われていたのかもしれない。
パスが出た先は俊足ヴィニちゃん。
ハーフウェイライン手前でボールを受けたヴィニシウスは得意のドリブルとスピードで相手ペナルティエリア付近まで一気にボールを運んだ。
そして相手のファールを誘いFKを得たのだ。
もう守備から攻撃までが完全に計算され尽くされている感じがして、
メッシさんそりゃ無理っすよ。
って感じだ。
クロースがFKを決めてモドリッチがおんぶされてる姿はマドリディスタのみんなも癒されたのではないだろうか?
とにかく前半で2点を奪うことができたのはかなりデカかっただろう。
その後も、「ボールを前から奪いボールを保持したいバルセロナ」と「ボールを保持させてロングカウンターを狙いたいマドリー」というお互いがやりたいことをやれている印象の試合だったが、「中央突破ができないバルセロナ」と「ロングカウンターが成功していたマドリー」という明らかな差が今回の試合の分かれ目だったかと。
もちろん、バルセロナは点を取りに行きたいので「攻撃に人数を増やそう!」ってことで、バルベルデやヴィニシウスがウイングバックをマークして下がっていることをいいことにバルサの3バックのラングレやミンゲサが高い位置を取ってくる訳だが、それもマドリーにとっては好都合。
というのも、
わぁ!!広大なスペースがあるぅ!!
ってことで、中央でボールを奪ったら、モドリッチやらクロースがそのスペースへロングパス!
「カウンター発動ぉぉぉぉ!!!」
って言いながらヴィニシウスとバルベルデが嬉しそうにそのスペースに走り出し、何度も何度もロングカウンターを成功させることが出来たのだ。
とにかく中盤と守備陣のパフォーマンスはいつも通り素晴らしいが、今回もヴィニシウスのコンディションの良さは際立っていて、何回か「パス悪っ!」って思ったことはあったがドリブルも切れてるし積極性が本当に素晴らしい。
少し前までは放出候補かなって思っていたが、今のマドリーにヴィニシウスは戦術としても必須なプレイヤーだ。
そして何よりジダン!
アセンシオを外してバルベルデを起用するのは賛否あったが選手の特性をうまく生かしている素晴らしい采配だった。
髪の毛一本授けよう!!
しかし、絶好調のチームの中で悪いニュースが多く残った試合でもある。
それが、
- カゼミロ次節出場停止
- ナチョ次節出場停止
- バスケス負傷交代(今季絶望?)
- バルベルデ負傷交代
なんてこったパンナコッタ(泣)
出場停止はしょうがないが、怪我はもうやめてくれたまえ!!
バスケスの負傷はアンラッキーなプレーだったけど、バスケスは今季でMVP級の活躍をしている選手。
彼がいるから3バック対応や4バック対応などいろんなシステムに柔軟に変更できた部分もある。
そんな功労者があんな形で負傷退場するとは。。
そしてバルベルデ…
お前どうしたん?
アセンシオに交代したのは4バックにした相手に対してお役御免かと思ってたけど、怪我かい。
頼むよ本当に。
ナチョとカゼミロは…
頑張った証拠だな。
チャンピオンズリーグには出れるからよしとしよう。
次回の試合はCLベスト8 2ndレグでリバプールと対戦する。
とにかくカルバハルやアザールの復帰も間近ではあると言われているが、バスケスとバルベルデがCLのリバプール戦に出場できないのはかなり痛い。
優位な状況で迎える試合ではあるが、アウェイの地では何が起きてもおかしくない。
サポーターはいないが、スタジアムにはサポーターが歌う”You’ll never walk alone”(君は一人じゃない)の応援歌が鳴り響くことだろう。
ボコボコにして歩けなくしてやろうぜ!
You can’t walk!
つってな。
は?